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2019年01月25日 07時30分 JST | 更新 2019年01月25日 08時37分 JST

【ビジネスモデル】人材不足の物流業界。 問題悪化の要因に「電話やFAXあり」、効率化サービスが誕生

運送業者のリソースを最大限に活用できるようにするサービス「ハコベルコネクト」は、物流業界の生産性を改善できるのか。

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代表取締役社長CEO・松本恭攝さん

ネット印刷の「ラクスル」が物流業界のドライバー不足を解決するサービスを開発した。これまで、電話やFAXなどアナログな手法で行っていた「ドライバー探し」を改め、ネットを使って空きトラックのマッチングを瞬時にできるようにした。

■電話やFAXに頼っているってどういうこと?

多くの運送会社は仕事が忙しくなって、自社のトラックが足りなくなると、他の運送会社や事業所に協力を依頼する。中には、案件の7割以上を他の運送会社に求車している会社もあるという。

そのため、運送会社が互いに配車協力をしなければ運送業務が成立しないのが実情だ。

しかしながら、ラクスルの取締役CTO・泉雄介さんは「会社間・事業所間の情報のやりとりを紙やFAXといったアナログに頼っているため、非常に非効率になっている」と指摘する。

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取締役CTO・ハコベル事業本部長の泉雄介さん

時間がかかってしまううえ、実際に電話をかけるまで、トラックを確保できるか分からない。電話やFAXによる伝達ミスが起きる可能性もある。

さらに、荷主から実際に配送する運送会社までの間に複数の企業が関わっていることで、中間コストが発生することも多いと述べた。

■どうやって生産性を向上させるの?

ラクスルが開発したサービスは「ハコベルコネクト」。まず複数の運送業者が、自社が受けた仕事の案件をオンライン上で共有する。その後、トラックやドライバーに余裕がある運送会社が、登録された情報の中から、受けられる案件を選ぶ。

仕事が忙しくなってトラック不足に困っている会社と、空きトラックがある会社を、電話やFAXの代わりに、ネット上でマッチングできるというわけだ。

さらに、オンライン上で情報を一元管理することのメリットもある。

例えば、あるドライバーが荷物を引き受けに向かう途中、渋滞などで遅れそうになった時、別のドライバーに切り替えることもシステム上で可能だという。

ラクスルの代表取締役社長CEO松本恭攝さんは「ハコベルコネクトによって、バラバラに分断されていた情報を繋げることで、物流業界全体の生産性が向上し、賃金が上がり、物流コストも下がるというように、業界をより良くしたい」と抱負を語った。

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代表取締役社長CEO・松本恭攝さん

■需要はあるのに、人手不足で倒産する物流業界

人手不足が問題視されている運送業界だが、そのせいで倒産する企業も増えている。

帝国データバンクによると、従業員の離職や採用難等により収益が悪化したことなどで倒産に至る「人手不足倒産」※は、2018年10月時点で、2013年の調査開始以来、過去最高。業種細分類別では、「道路貨物運送」が、2017年から見た前年比2.3倍で、最多となった。

同調査は、「配送需要は高まっているものの、ドライバー不足による受注難から資金繰りの悪化を招き、倒産する企業が目立った」としている。

人手不足は様々な要因があり、問題は複雑だ。しかし、ラクスルのサービスのように、企業同士が情報を共有し、助け合うことが解決の一歩になるのかもしれない。

※人手不足倒産は、従業員の離職や採用難等により収益が悪化したことなどを要因とする倒産(個人事業主含む、負債 1000 万円以上、法的整理)と定義