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2019年02月09日 12時33分 JST | 更新 2019年02月09日 12時34分 JST

タイ王女が首相候補、弟の国王が批判「王室は政治から離れた場所にいるべき」

不敬罪があるタイでは王室は批判してはいけない対象とされている。

朝日新聞社
タイ政治の構図

タイ王女が首相候補、弟の国王が批判「非常に不適切」

 タイのタクシン元首相派の政党が8日、ワチラロンコン国王の姉のウボンラット王女(67)を3月24日の総選挙に向けた党の首相候補として届け出た。軍事政権のプラユット暫定首相もこの日、親軍政政党の首相候補に決まり、選挙は王室関係者と軍政トップが政党に担がれる異例の構図となった。タクシン派と反タクシン派の対立の構図に影響を及ぼす可能性もある。

 「我々は民主主義を支える必要があり、クーデターでできた政権の継続を止めなければならない」「王女は知識豊富で、社会活動を続けてきた」。タクシン派政党の一つ、タイ国家維持党の幹部は8日、王女を首相候補として届けた後、記者団にこう話した。

 一方、ウボンラット王女の弟のワチラロンコン国王は8日夜、同王女の首相候補としての届け出について、「王室は政治から離れた場所にいるべきで、政治に関わることは非常に不適切だ」と批判する声明を出した。

 今回の選挙は2014年のクーデター以降、4年以上も続く軍事政権からの民政移管に向けたものだ。親軍政勢力はプラユット氏を選挙後に正式に首相に就けることで軍主導の政権の継続を目指し、政権奪還を狙うタクシン派と対立する構図になっていた。

 世論調査の政党支持率ではタクシン派のタイ貢献党が首位を走るが、今回の選挙制度は一つの政党が大勝できない仕組みで、親軍政政党は他の政党を巻き込んで非タクシン派の政権樹立を目指していた。タクシン派はそれに対して王女擁立で、形勢の逆転を図ったとみられる。

 不敬罪があるタイでは王室は批判してはいけない対象とされ、選挙戦でもタクシン派と対立する政党は表だって批判はしにくくなる。今回の王女の擁立について、主要政党は軒並みコメントを避けている。

(朝日新聞デジタル 2019年02月09日 05時00分)

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