「おとうさんのしごとってなに?」エンジニアだった私が、「ゼロ高」の学院長になった理由

教育を通じて、実現したいことは何か。ビジネスマンとして、4歳と0歳の子どもの父として、お伝えします。

「夢を実践する」、2018年10月に開校した「ゼロ高等学院」(ゼロ高)。通信制高校のサポート校です。

私はこの新しい学校の代表をしています。

エンジニアだった私が、なぜ教育の事業を立ち上げることになったのか。

教育を通じて、実現したいことは何か。ビジネスマンとして、4歳と0歳の子どもの父として、お伝えしてみたいと思います。

なぜわたしがゼロ高の代表をしているのか

みなさんは何のために働いているでしょうか?

あれは長男が3歳の時のよくあるいつもの朝でした。

わたしは毎朝、息子を保育園へ送っていくのですが、その日は少し早く出る必要があり1人で先に家を出ようとしていました。

「いってきます」「いってらっしゃい」いつものように挨拶をしたあとに息子から「おとうさん、しごとはなにをしているの?」と質問がありました。

衝撃的でした。

長男は3歳になると、「なぜ空は青いのか」「なぜ雨は降るのか」という根本的な問いをするようになり、そういう根本的な質問に答えられるように、普段から準備はしていたのですが「なにをしているのか?」この本質的な問いに、わたしはとっさに答えることができませんでした。

わたしは「しごとでなにをしているのか」。その瞬間から考え続けていました。

世界平和

2週間後の朝、わたしはふと思いつきました。

しごとで世界平和をしているのだと。ほんの少しでもみんなが笑顔になるためのことをしているのだと。

長男と一緒に保育園に向かっている途中、彼に伝えました。

「おとうさん、せかいへいわをしているんだわ。みんながえがおになることをしごとにしているよ」と。

それを聞いた彼はそっけなく「ふーん」と言ってました。わかってるのかわかってないのか。

希望と現実

そんなわたしは、普段はウェブエンジニアをしています。作業をしたり、みんなのマネージメントをしたりしています。

「自分は世界平和をしている」。そう思い始めてから、小さな作業を1つとっても見え方はとても変わりました。ああ、きっと作業も誰かを笑顔にするためにやっているんだなと思うと、少しは色鮮やかに見えるようになりました。

しかし、その色鮮やかさを感じれば感じるほど、状況と目的の差を大きく感じるようになりました。

そんな曇り空のような気持ちの日々を過ごしている中、ふと私が所属しているヒトメディアの社長、森田に相談しました。

「もうちょっと世界平和っぽい仕事はないですかね?」

ヒトメディアは"ひとの成長に、かかわる"というミッションで、様々な事業に投資も行っています。その投資事業になにか私が関われるものがないかという相談をしました。

「校長やる?」

「やります」

このやり取りがゼロ高のすべての始まりでした。いまははっきりと息子に言えます。

「みんなが少しでも笑顔になれる世界をつくろうとしている」と。

長男は私の人生のメンターであり、コーチであります。

ゼロ高とはどんなところなのか

ゼロ高は「夢を実践」する場所です。

みなさんはいまされている仕事は、自分でしていると言えるでしょうか。それとも、どちらかとうとやらされているでしょうか。

自分の偏差値で入れそうな大学へ進学して、就職活動でものすごい数の企業を受けて、通った中からなんとなく良さそうな企業へ就職する。これがよくある道ではないでしょうか。

少なくとも私はそうでした。遊びに大学へ行くぐらいなら行かない方が良いと考えていました。

そもそも、高校生の頃、社会にはどんな大人がいて、どんな仕事があるかなんて知りませんでした。

やりたいと思えることなんて、わかりませんでした。

当時、私の"仕事"や"社会人"との接点は、新聞の折込チラシに載っている、工場、タクシードライバー、トラック、警備員の求人広告。毎朝、駅で見る、冴えないイラついている大人たちが、もう入れないだろうと思われる電車の中へ無理やり詰め込まれて通勤する姿ぐらいでした。

じぶんが本当にやりたいことなんて、わかりませんでした。

高校生と社会の壁をぶち壊して、夢を実践する場所はないのだろうか? それが、2018年に開校したゼロ高です。

ゼロ高は「夢を実践」する場所です。

ゼロ高は、通信制高校のサポート校です。

通信制高校は全日制高校と比較すると、高校卒業のための勉強時間が少ないのが特徴です。1年分の勉強にかける時間は、効率が良い生徒ですと2ヶ月で終わらせることができます。

残りの10ヶ月の時間をつかって何をするかは、通信制高校によって様々です。

ゼロ高生は残りの10ヶ月を使って、「夢を実践」します。

世界は、いくら考えていたところで好転するもではありません。夢があっても、やりたいことがわからなくても、とにかくやってみることでしか状況はかわりません。

ゼロ高生は贅沢な時間を使うことができます。高校卒業資格を取得する以外の10ヶ月の時間を使って、自分が何者になりたいのかを追求する選択肢と時間があります。

いま、ゼロ高生には多様な生徒がいて、それぞれの夢を実践しています。

・3カ月で500本の映画とドラマを見ると宣言して、実践した生徒。

・料理人を目指すために、会員制レストランWAGYUMAFIAのシェフ・永山さんから学ぶことを実践している生徒。

・オーストリアのウィーン大学へ飛び級で入学した、作曲家を目指し、実践している生徒。

・無人飛行機をつくる実践する生徒。宇宙飛行士になるために勉強を実践する生徒。

この生徒たちは、今はとにかく自分のやりたいことを徹底して行っています。実践からでしか学べないことを、自分自身で理解しているからです。

ゼロ高生の主宰は堀江貴文さん。一流と呼ばれるプロとの繋がり、全国で活躍する面白い大人たち、全国の面白い活動へ参加することができます。

プロの現場で学ぶことを選んだゼロ高生
プロの現場で学ぶことを選んだゼロ高生

怪我で野球をあきらめた若者が見つけた夢

ある生徒は、高校野球の強豪校からゼロ高に転校してきました。怪我で、野球ができなくなった時に、自分には何があるのかを考えたそうです。その時、偶然にゼロ高を発見して「ここだ」と思ったと。

その彼は、小さい頃から宇宙が好きだったことを思い出し、今は飛行士を目指しています。

彼は自分に自信がないと話してくれました。自分に自信を付けるためには?と自分自身に問いた時に出た答えが、「東大へ入る」だったそうです。

彼は宇宙飛行士になるという長期的な目標を叶えるための最初の目標として、東大入学のために勉強をしています。

もし、あなたの友達や、家族が宇宙飛行士を目指す、東大へ入ると言ったらどうするでしょうか?

「無理だよ」「できないよ」「難しいと思うよ」

「なれるよ」なんて無責任な言葉をかけることはできないから、つい止めたくなるかもしれません。

でも、ゼロ高は夢を実践する場所です。

「いいじゃん、じゃあどうやって実現しようか?」

今日もゼロ高生たちは、それぞれの夢を実践しています。

この2人のゼロ高生、サイズも色も全て同じ上着を着ています。これも1つの奇跡。
この2人のゼロ高生、サイズも色も全て同じ上着を着ています。これも1つの奇跡。

選択肢があるということ

地元の中学校、高校が合わなくなったらどうしたらいいのか?

進学に希望を見いだせなくなった若者はどうしたらいいのか?

ゼロ高がすべてを解決するなんてことは思いません。

ゼロ高はぶっ飛んだ選択肢の1つであれば良いです。

地元の学校へ行くか? ゼロ高へ行くか?

その選択肢があることが大切だと考えています。

すこしでもみんなの笑顔がふえるために。

親も、子どもも、ひとりの人間。

100人いたら100通りの子育てがあり、正解はありません。

初めての子育てで不安。子どもの教育はどうしよう。

つい眉間にしわを寄せながら、慌ただしく世話してしまう。

そんな声もよく聞こえてきます。

親が安心して子育てできて、子どもの時間を大切にする地域や社会にーー。

ハッシュタグ #子どものじかん で、みなさんの声を聞かせてください。

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