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2018年06月19日 11時45分 JST | 更新 2018年06月19日 18時11分 JST

トランプ大統領、金正恩委員長への拉致問題の提起は受け身・他人事だった?

「気になったのは、トランプ大統領が"安倍晋三にとって"という言い方をしたこと」

 14日、拉致被害者の家族と面会し、金正恩委員長との直接対話で解決を目指す決意を伝えた安倍総理。16日には読売テレビの番組で「最終的には私自身が金正恩委員長と向かい合わなければならない」とした上で、「ただ拉致問題の解決に資する会談にしなければならない」と語った。

外務省の担当者がモンゴルで行われた国際会議で北朝鮮当局者と接触、政府は9月にロシアで開かれる経済フォーラムを利用した首脳会談を模索している。

 米朝首脳会談ではトランプ大統領の提起に対し金正恩委員長は「拉致問題は解決済み」との主張をしなかったというが、ラヂオプレスによると、平壌放送は15日夜、拉致問題は解決済みだと論評、「日本だけが無謀な強硬政策に執拗にしがみついている。国際社会が歓迎している朝鮮半島平和の潮流を阻もうとする醜態だ」と非難したという

 16日のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演したコリア・レポート編集長の辺真一氏は「こういう形で日本をこき下ろしながら、実際には日朝交渉が再開してきた歴史があるので、北朝鮮メディアの主張を気にすることはない。北朝鮮としては、まず中国との関係改善、南北の関係改善をして、念願のトランプ大統領との首脳会談を実現させた。これらがすべてうまくいった後に日本がある。秋までに日朝首脳会談の可能性は十分に考えられる」との見方を示す。

 「2002年に5人の拉致被害者が戻ってきて以来、生存者が誰一人戻ってこない。先代の金正日総書記が"拉致被害者はもういない"と断言しているのを息子の金正恩がひっくり返すというのは、よほどの政治決断がなければいけない。日本の中には北朝鮮が経済的に困っているから譲歩してくるという見方もあるが、おそらく帰ってきていない人たちは金正恩ファミリーのプライバシーや核・ミサイルについての機密を握っているのではないか。そこにメスを入れていかなければいけない。金正恩政権がレジームチェンジで変わらない限り、拉致問題は解決しないというのが、私が長年取材をしてきた実感だ」。

 また、国際ジャーナリストの小西克哉氏は「気になったのは、会見で"金委員長にどのように拉致問題を提起したのか"という外国人記者の質問に対し、トランプ大統領が"安倍晋三にとって"という言い方をしたこと。そして、"対処されるだろう"という意味のことを回答したが、英語のニュアンスは他人事のような、受け身形。政治的なイニシアティブが希薄なのがすごく心配だ」と指摘した。

 佐藤正久外務副大臣は「安倍総理が言われた通り、トップ同士が会わないと解決しない問題だ。しかし、あまりにも前のめりになってしまうと取れるものも取れない。拉致被害者全員の帰国が当然ゴールだ。ただ、どういう風にそこまで持っていくのかという手の内を晒すことになるのでなかなか言えない。金正恩の一つの弱点は人権問題だ。拉致の問題もその中にある。核、ミサイルを含めた議論と同時に人権問題、拉致問題についても米朝で話してもらう。拉致問題の解決は、北朝鮮が人権問題解決を世界にアピールする上でもファクターになる」と述べた。

 弁護士の猿田佐世氏が「安倍総理自身が、"拉致被害者全員が帰還しないかぎり解決にはならない"という支持層に支えられているがゆえに、仮に病気でお亡くなりになった方がいたとしても、"帰ってこなかったじゃないか"になったり、ちょっと説明が曖昧になったりすると、そこを突かれて安倍政権が持たなくなってしまうということではないか」と話すと、佐藤氏は「政権維持のために拉致問題を解決しようとは思っていない。そこを絡めるのはおかしな話だ。特定失踪者のことも考えながら交渉しないといけない」とした。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)

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