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2018年03月29日 14時46分 JST | 更新 2018年03月29日 14時46分 JST

WeChatも視察?習近平主席との会談の裏に、金正恩氏の苦悩も?

「正恩氏は米朝首脳会談について悩んでいると思う」

 北朝鮮の金正恩委員長が中国の習近平国家主席の招きに応じ、25日から夫人とともに非公式に中国を訪問、首脳会談を行った。

 北朝鮮情勢に詳しいジャーナリストで『週刊現代』編集次長の近藤大介氏は「まさに電撃的。韓国メディアも"びっくり訪中"と書いていたが、まさにそうだと思う。日本や韓国では報道されていた一方、中国が一切沈黙を保っていたのは、安全確保の観点から"トップが中朝国境にある鴨緑江を渡ったら報道する"という、金正日総書記の時代からあった中朝間のルールに従ったのだと思う。また、北京にヒットマンがいるんじゃないか、不在の間に平壌でクーデターが起きるんじゃないかという不安もあるので、なるべく滞在時間を短くし、1泊2日にしたのだと思う」と話す。

 27日には、迎賓館を出た車列が、北京の中心街から離れたIT企業やハイテク企業の集まる国家レベルの開発区「中関村」で目撃されたとの情報もある。このエリアは、故・金正日総書記も2011年の北京訪問の際に訪れている。

 「中心部から北西に10kmくらい行ったところにある、"北京のシリコンバレー"と言われている場所で、私も1年間住んでいたことがある。WeChatなどで知られる中国最大の企業、テンセントもここにある。実は7日にテンセント創業者の馬化騰氏が習主席と人民大会堂で会ったという話もあるので、金委員長が視察した可能性もある。中国側としても同じ社会主義国でここまで経済発展できると見てほしいはずだ」。

  北朝鮮の相次ぐミサイル発射や核実験を受け、北朝鮮と中国の関係は悪化の一途をたどっていた。

 「2012年11月に習近平が総書記になって以来、中国側は"いつでも来てください"というスタンスだった。ただし、朝鮮半島の非核化。対話と交渉による解決、地域の平和と安定という3条件が前提だったため、金正恩委員長は動かない状態が5年半続いていた。今回、表向きはこの3条件を守ると言って訪中したのだと思う。お父さんの前例にならったという見方もできるがやはりトランプ政権の閣僚に対北朝鮮強硬派が相次いで入ったこともあり、軍事オプションに備え、中国の後ろ盾が必要になった。中国としても、経済分野でアメリカに宣戦布告を受けたような状況もあり、金委員長が韓国の文大統領とトランプ大統領に会う前に習主席と握手をして自分のところに引き戻し、非核化に向けた流れを作っておきたかったのだろう。そこで両者の思惑が一致した」。

  今回、北朝鮮と中国はどのような話し合いが行われたのだろうか。

 近藤氏は「中国側は本当に北朝鮮が非核化するつもりがあるのか確認し、北朝鮮は中国側に経済制裁の解除を求めたと思う。全国人民代表大会が20日に終わり、これまでの5年間の習近平政権とこれからの習近平政権は全く別の政権になると思う。経済的にも軍事的にも政治的にも外交的にももう耐えられない北朝鮮としては、対外的にも国内的にも強硬になっていく中国とここで仲直りしておこうという意図もあっただろう。そもそも1961年に作った軍事同盟はまだ生きている。同じ社会主義体制として、一緒にやっていこうとしているのでは」と推測した。

 今後について近藤氏は、「正恩氏は米朝首脳会談について悩んでいると思う。そのことも中国と話し合っただろう。トランプ大統領との会談が怖くてしょうがないので、文在寅大統領に同席してもらうことも考えていくと思う。5月実施の可能性は半分、もしくはそれより少ないかもしれない。また、日本は取り残されている。安倍総理はあれだけ欧米と対立しているプーチン政権と堂々と会うわけだから、ここは北朝鮮とも正面きってやっていくべきだと思う。外に出なかった金正恩が敵対していた韓国とも会うし、トランプ大統領とも会う。こういう中で日本が取り残されてはいけない」と指摘した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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