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2018年03月16日 12時19分 JST | 更新 2018年03月16日 12時19分 JST

絶対に裏切らない義理堅さが武器!就活の3つの格差を乗り越え活躍する元ヤンキーたち

"元ヤンキー"の就職支援プログラム「ヤンキーインターン」を経て、上場企業に就職するケースも。

 「学歴もなくて資格も持っていないので、辞めたら行くところがない。今の会社できちんと成果を残して頑張らないと、という思いがある」。

 複雑な家庭環境が原因で家を飛び出し、"夜の街"すすきので働く日々を送っていたAさん(北海道出身、20歳)。「スカウトの方にすすきのの交差点で声をかけられて。一番稼いでいた時期は、月300万円くらい」と振り返る。そんな彼女は去年11月、研修などを通して"元ヤンキー"の就職支援プログラム「ヤンキーインターン」を経て、上場企業に就職した。「ヤンキーインターンで積んだ経験があったからこそ、大卒の方とも一緒に肩を並べて働けるようになってきたかなと思う」。

■「"自分は変わるぞ"という気持ちが普通の人より強い」

 株式会社ハッシャダイ(東京・渋谷)が運営する「ヤンキーインターン」の参加者は、その名の通り16〜22歳の中高卒者で、いずれも地方出身の"元ヤン"たちが多い。指導するメンターも元ヤンキーだ。研修カリキュラム等を担当する同社の小林誠司氏は「"自分は変わるぞ"という気持ちが普通の人より強い」と話す。

 研修内容は、営業などで役立つビジネスマナーを学ぶコースと、エンジニアなどを目指すプログラミングコースに分かれる。また、参加者にはルールを守ることの大切さを認識させ、多くの人と出会うことで価値観を広げさせることを目的に、生活費をハッシャダイが負担し共同生活をさせる。

 中には"ふんどし姿でのゴミ拾い"という研修もある。参加者は「ゴミを拾っているうちにアドレナリンが出てきて寒さを感じない」「これ今からどこかに捨てたいんやろなみたいな人たちが話しかけてくる。そういう連鎖反応ができるのがうれしい。(今まで)誰かに迷惑かけたし、もしかしたら今もかけているかも。その裏側で掃除してくれている人、協力してくれる人がいるということわかった」と話す。

 同社取締役の橋本茂人氏は、ヤンキーインターンが地方在住者を対象にしている理由について「一応(東京在住者も)大丈夫だが、弊社のビジョンは選択格差を埋めるということ。東京の方は元々機会に恵まれているという仮説もあり、地方出身者を対象にしている」と話す。橋本氏「16〜22歳で中高卒、かつ地方出身者が参加条件で、ヤンキーといっても"不良"という定義では捉えていない」と話すとおり、「社会の障壁にぶつかるすべての若者」と都内の企業とをつなぐ役割を果たしている。

■大卒者よりも高い高卒者の離職率、背景に「3つの格差」

 背景には、大卒者よりも高い高卒者の離職率の問題がある。とくに地方の高卒者の場合、都心部よりも再就職の受け皿が少なく、就職活動をしようにも交通費などのコストがかさんでしまう現状がある。また、彼らの就職活動には、3つの課題が横たわっているという。

 (1)紳士協定による"ひとり1社制"

 (2)地方ゆえの経済格差

 (3)親の学歴で変わる進路

 橋本氏は(1)の格差について「よく中卒、高卒、大卒で離職率が7:5:3と言われているが、高卒には、在学中1社しか同時に受けられないという高度経済成長期の名残のような規制がある。そのせいでマッチングがうまくいっていないのが原因だ」と指摘。また、(2)、(3)の格差については「移動のための費用はもちろん、地方と都会では情報の格差もかなりあって、地方の若者の相談相手の大人が昔の常識のままアドバイスをしてしまう」、「親が高卒の子どもは高卒になりやすい傾向がある」と話す。

 そのような格差をなくすためスタートした「ヤンキーインターン」では、ネガティブな印象になってしまいがちな「中卒」「高卒」を「第0新卒」と言い換え、社会進出しやすいように配慮。卒業生には北関東の暴走族から上場手前のIT企業でマーケティングを担当している人や、大手人材会社で営業を担当している人など、大活躍する者も増えてきた。

 橋本氏は卒業生たちのことを振り返り「入ってきたときは有名な暴走族にいらっしゃった方だったが、最初の1か月でガラッと雰囲気が変わった」と話す。ある広告会社の社長は「普通の学歴=大学ではなく、違う生き方をしてきた子たちには、反骨心なのかハートが強い人材が多く、熱量が高いという印象がある」、またIT関連会社の採用担当は「5年前から高校生を採用したいと思っていた。なかなか高校生にアプローチする方法がなく、学歴も年齢も性別も一切問わず、多様性のある人材を採用するということをポリシーとして明確にした」と高い評価を示す。

■バッドボーイズ佐田「人並み外れた根性、絶対に裏切らない義理堅さ、バカだから深く考えず何でもやる」

 参加者たちに英語を教えているというREINAも「渋谷の真ん中で"英語を勉強しています。話しかけてください"と外国人に話しかけるトレーニングをやっても余裕だった。コミュ力が高すぎて、ジェスチャーですぐに友達になれる」と、元ヤンキーたちのコミュニケーション力の高さに驚いたという。

 総勢200人を束ねる暴走族の総長だったことでも知られる、お笑い芸人・バッドボーイズの佐田正樹は「意外に寂しがりやが多くて、だから暴走族に入ってつるむ。僕は16歳の頃、母親が鑑別所に面会に来ようとしたのを、恥ずかしくて突っぱねちゃった。その時に、"あの子と私を代わってください"と泣いている声が聞こえた。これだけ俺のことを好いてくれている人を泣かせて、俺は誰に対して突っぱっとんのやろ、泣かすくらいなら笑かそうと、芸人の道に進んだ」と話す。

 また、先輩から敬語や上下関係について指導されることも含め、一般的な大卒社会人と比較して「基本的にまっすぐだし、"こんな選択肢があるんだよ"と教えてあげると、そこに向かって突っ走っていく。人並み外れた根性、絶対に裏切らない義理堅さ、バカだから深く考えず何でもやる、の3つが元ヤンキーの強さ」と、ヤンキーの強みをアピールしていた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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