セブ島では1年で一番大きなお祭り、「Sinulog(シヌログ)」が今年も盛り上がりました!
▲セブ最大のお祭り「シヌログ」でのダンスの様子
今回は、アジアに出て感じた、「日本人って特殊だなー」と感じたことについてお話します!
1. 日本人の好かれっぷり
2. 羨ましい! アジアの英語教育
3. 日本が進んでいるわけじゃない
4. 大学も仕事も、始める時期は「決めたとき」
1.日本人の好かれっぷり
▲フィリピン国内旅行中に居合わせたメンバー
当然のことと思ってしまっていますが、海外で出会う外国人で「Japan」「Japanese」という単語を知らない人に会ったことがありません。
「日本ってどこ?」と聞かれたことも、私はありません。
でも、私たちは意外と海外の国名を英語で言えなかったりします。
私も恥ずかしながら、学生時代にアジアに興味をもち始めるまで、「タイ」を英語で「タイランド」と言うことも知りませんでした。
日本は、世界大戦時にアジア諸国のほとんどを支配していた時期があるにもかかわらず、みんなが日本について知ってくれているのは、非常にありがたいことに、ポジティブな事柄が多いです。
実際に私が会った人に言われた言葉はこんな感じです。
・ フィリピン・セブ:「日本人なら貸すよ」
家を探していて、不動産屋さんがすぐにOKをくれた。
・ インド・バラナシ:「日本人なら後からでいいよ」
ATMが壊れてお金がおろせなかったとき、
近所のローカルコンビニで「ツケ」で購入できた。
・ インド・アーグラー:「日本人は約束を守るから好きだ」
リキシャー(現地の乗り物)のおじさんに。
翌日もお世話になりたくて頼んだらちゃんと来てくれた。
他にも「フレンドリーだ」と言われることもしばしばあったのですが、
それは意見や主張がなくニコニコして騙されやすいという意味の
裏返しでもあるのかなとも思います。
自分は何もしていないのに、初対面の外国人にすでに好かれているのです。
日本人でいて損をしたと外国で思ったことは今までありません。
過去にその人たちと触れ合った日本人や海外への情報を発信している方々が、残していってくれた良い印象のおかげだと思います。
2.羨ましい!アジアの英語教育
日本人の弱みと思えるところもありました。
よく言われていることですが、アジア各国を見て、日本の英語教育・留学生受け入れは完全に置いていかれているなと感じました。
以前、記事で「語学力より人間力」とは書きましたが、やはりコミュニケーションがとれる程度の語学は必要です。
また、それ以上も、できるにこしたことはありません。
▲カンボジアの小学校の子どもたち
・ フィリピン・セブ:
フィリピン人は小学生の頃から授業を英語で受けています。
歴史と母国語の授業以外が小学校から英語で学び、映画も字幕無しが当たり前。
また、今でこそセブに留学に来る日本人も増えましたが、私がセブに来た3年前は、ギャップイヤーを利用して留学に来る韓国人の多さにも圧倒されました。
・カンボジア・バッタンバン:
後発開発途上国と言われるカンボジアの農村部でさえ、たいていの子どもたちに英語が通じ、学校では発音の授業もしっかりありました。
無料で英語塾に行ける環境があり、英語で中学生に日本の教育についてプレゼンをしたら理解してもらえて、たくさん質問をくれました。
・ ベトナム・ホーチミン:
ボランティアに一緒に参加したメンバーからの印象ですが、海外大学院への留学意識が高いです。
TOEFLスコア100点がないと低いと感じて必死に勉強しており、大学の授業は基本的に英語です。
日本では英語ができると選択肢が広がりますが、東南アジアでは英語ができないと選択肢がぐっと狭まるため、
英語力が職業に直結するのです。
東南アジアではしばしば「日本の教育は素晴らしくていいね」と言われますが、みんなの置かれている英語教育環境を目の当たりにして、羨ましくも思うと同時に、危機感も覚えました。
3.日本が進んでいるわけじゃない
日本人が特殊ということについて書いていますが、逆に、「日本人はすごい」と思い過ぎている部分もあったなと思いました。
自分は何ができるわけでもなかったのですが、アジアを出るまでは少なからず「日本は先進国だから、何かを教えてあげなきゃ」という気持ちがあったと思います。
ただ、それは驕りだということに気付き、反省しました。
「Made in Japan」の少なさ
▲街で見かけるわずかな「Made in Japan」である、自動車
私が機械工学科だったこともあり、昨今メーカーは大変だと言いつつも、日本製品がすでにこんなに中国製や韓国製に取って代わられている現実は衝撃でした。
「日本製は良い」とは言ってくれるのですが、見かけるのは車とバイクとカメラくらいです。
価値観や学習スピード
ボランティアなどに参加すると、アジアだけでなくヨーロッパの学生も含め、いろんな国の学生と話す機会があったのですが、みんなの問題意識の高さに驚きました。
アジアでしっかり教育を受けられている人々は、日本人と変わらない、むしろ、それ以上の感覚をもっています。
例えば、食べ物や着るものへのこだわりが強かったり、新しいものを取り入れる意識も高く、iPhoneやタブレット、そのアプリなども使いこなします。
また、世の中の負の面もいっぱい知っているので、政治や教育に対する意識が高く、日常会話の話題にあがることが多い(初対面のタクシードライバーでさえ)......などなど。
アジアを見ていると、インフラなどまだ発展の余地があるところも多くありますが、そんな中に、急に最先端のものが入ったりしていて、昔の日本とは違う時代を生きているんだなと感じます。
逆に、アジアから日本へ輸入するリバースイノベーションも少しずつ出てきていて興味深いです。
4.大学も仕事も、始める時期は「決めたとき」
▲高校卒業後、ヨーロッパからアジアにボランティアに来ていたメンバーも
日本にいると、「高校を卒業したら大学へ行って、大学を卒業したら就職する」というのが当たり前だと思ってしまい、その中でやりたいことが決まらずに悩んだりもします。
ただ、一歩外へ出て見ると、「仕事が決まったときが働くとき」くらいの感覚の人も多いことに気づかされます。
一度仕事をして、お金をためてから大学院に入る人もたくさんいます。
大学生も企業も一斉に始める就活に関しては、やはり日本のやり方は特殊だと思います。
私はフィリピンで人事を担当しているため、フィリピン人の経歴をしばしば見ますが、家族を支えるための収入を得るために働こうとしながらも、卒業したあとや転職のタイミングで、1年家族とゆっくり過ごすということも珍しくないように感じます。
もちろん、その期間は裕福な生活はできませんが、自分の価値観や考えをゆっくり定める時間をもつことを日本ほどプレッシャーを感じずに選べるんだろうなと思います。
以上、アジアに出て、いち日本人である私が感じた、「日本人が特殊だなー」と思ったことについてでした!
日本人が普通でないことを理解したうえで、強みや弱みを生かしながら日本人として恥ずかしくないようにしていきたいと思います。
次回、フィリピンで働いていて感じる、フィリピン人のポテンシャルについてお伝えします!
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ごく普通の大学生だった私が、フィリピンでの事業立ち上げインターンで学んだこと
ライター
高寺 優子/Yuko Takadera
東大機械工学科卒、東大院を半年で中退。南米・アジアを半年かけてバックパックし、「ガンジス川でバタフライ」を文字通り実行。強靭な体とタフさが武器。休学中にインターンとしてNexSeedの立ち上げ最初期から参画し、中退後は社員としてジョイン。現在は、経理、法務、労務、人事などバックオフィス全般を幅広く担当している。今後は、ものづくりとBOPを絡めた事業で地域の人々にも笑顔を広げたい。
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