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2017年12月25日 12時26分 JST | 更新 2017年12月25日 12時26分 JST

【前編】学校運営で次々に起こる問題。それはバングラデシュの問題にも直結している

この国の問題のひとつ。それは...

K.Furusawa

前回の記事(リンク)では、開校と同時に「時間を守らない」という問題が出たことについて書きました。しかしこれは氷山の一角であり、その他にも多くの問題や課題が出てきます。

その国の問題は、その国の教育にも直結しているのだと深く考えさせられる状況にも遭遇しました。

文化や慣習も違う異国の地で学校運営を軌道に乗せるため、何を徹底してきたのか、2回に渡って書いていきます。

この国の問題のひとつ。それは......ゴミ!!

K.Furusawa

2012年、私が初めてバングラデシュを訪れた時、当時一緒に教育省について来てくださったJICAの方から、この国のゴミ問題についていろいろ話を聞く機会がありました。

道端に多くのゴミが捨てられています。この国ではゴミを捨てる場所が明確になっておらず、収集から焼却、そしてその後の処理などのインフラがまだ整っていないため、道端には多くのゴミが山積しているのです。

ある日、ダッカから郊外へ移動中、車の中まで異臭が漂ってきました。見ると普通の2車線道路ですが、その道路の両脇には大量のゴミが捨てられています。

もはやゴミの山というより、ゴミの埋立地です。なぜこの場所にこんなにもゴミが山積みになっているのか現地の人に聞いてみると、数少ないゴミ収集車が収集した後、ここに捨てるのだそうです。破棄場所がいっぱいになったら、また別の場所に変更し廃棄場所を転々と変えていく状況とのことでした。

そのような環境でも、私自身は日本人と同居していたこと、また幸いにも私たちの地域は現地の方がゴミ収集してくれる場所であるため、そんな問題も個人的にはさほど気にならなくなりました。

もちろん道端に捨てられた残骸は日々目につきますが、毎回気にしていたら外にも出ることもできません。少しずつですが、私も感覚がマヒしてきています(苦笑)。

えっ、うちの生徒も?先生も??

K.Furusawa

そうして私がゴミに対してそこまで気にならなくなってきた頃、本校は開校しました。

ある時、現地教員たちと外で話しながらスナック菓子を食べていたところ、ある教員が食べ終わった袋をポイッと投げ捨てました。それを見て、ふと、この国のゴミ問題のことが頭に浮かびました。

すぐに彼とはゴミのポイ捨てについて話をしましたが、彼はその行為に決して悪気があったわけではなく、幼い頃からそうする大人を見て育ってきたことで、当たり前だと思い込んでいたのです。

その後、生徒たちを見ていても同様に、あちらこちらに好き放題捨てています。

「そうか。これも教育か......」

日本では当たり前になされる躾教育の存在を感じました。

この異国では、違います。

この国のためにも、子どもたちの将来のためにも、ゴミ問題についてしっかり教えていかなければいけないと思い、開校してすぐ対応するようにしました。これについては、次回記事で......。

次は、挨拶でちょっとした違和感

K.Furusawa

この国では約90%の国民がイスラム教徒です。イスラム教徒の方と挨拶を交わす時は「アッサラームアライクム」という言葉から始まります。小さな子どもから大人まで、よくこの言葉を耳にします。

ある時、ふと気になったことがありました。

首都ダッカの子どもたちと接する機会が私には少ないので彼らについてはよく知りませんが、田舎の子どもたちと接していると、お礼や謝罪の意味合いでの「ありがとう」や「ごめんなさい」という言葉をあまり耳にしません。

子どもたちに日本のお菓子をあげても、何の言葉も発さずただ喜んで食べる姿、私の所有物を壊してしまった時に、所在無さげにじっと立っている姿を見て、なぜ言葉でそれを表現しないのか不思議で仕方がありませんでした。

街中でも、現地の方とぶつかった時やタクシー運転手が道を間違えた時も同様で、「すみません」や「ごめん」の一言はなかなか聞くことがありません。

はじめは「プライドが高いのかな」と思っていましたが、子どもまで同様な状況に違和感をもっていたため、現地教員たちにこの疑問をぶつけてみました。

彼らの回答は「確かにあまり言わないかもしれませんね(照笑)。でも御礼や謝罪の気持ちはもちろんあります。言葉にしないだけで、心ではみんなそう思っていますよ」とのこと。 

これも、この国の慣習のひとつかとは思いましたが、「でもそれを言葉にして伝えたら、みんなどんな気持ちになると思う?」と質問したところ、彼らは少し考えて、「確かに、言われたほうが良い」と答えました。

それだったら、気持ちを言葉で素直に表現にしよう。挨拶をすることに、デメリットなんか無い。学校生活を通じて子どもたちに挨拶の大切さを学んでもらい、いつか挨拶が飛び交う学校を作りたい、とその時みんなに話したことを覚えています。

嬉しいことに、その理想の実現はさほど難しくはありませんでした。

「子どもたちはできないのではなく、やらないのでもなく、『教えられてないから』しないだけ」

私たちの学校の子どもたちは、これらをとても素直にすぐ吸収してくれました。

前回記事を含め、これまで挙げた「時間の問題」「ゴミ問題」「挨拶の問題」。

これらはどれも大きな問題です。学校をスタートするにあたり、ある方の言葉を参考にして開校直後から徹底しました。

次回はその徹底方法や結果について、書いていきます。

Ambassadorのプロフィール

K.Furusawa

K.Furusawa

宮城県仙台市出身。大学在学中はプロキックボクサーとして活躍。卒業後は日本の私学教員をやりながらタイ、カンボジア、ネパール、ミャンマーなどアジアの教育支援に携わる。その後、とある公益財団法人の仕事としてバングラデシュでモデル校となる学校建設・運営を任される。現在は生徒数約800名の学校をバングラデシュで運営中。