サラリーマンからインドネシアの農家へ「おいしいもの」を食べる豊かさ探し

インドネシアの基幹産業は農業であり、主食であるお米の消費量は日本の6倍にものぼるといわれています。

こんにちは!

公子(こうこ)です。

私は、インドネシアの首都ジャカルタから東へ100km離れた、西ジャワの田んぼからお届けしています。

29歳の時に、米作りをしにインドネシアへやってきました。

▶農家のみなさんと一緒に

農業大国、インドネシア

ここインドネシアの人口は2億5000万人、国土は日本の5倍です。

毎年、シンガポールの総人口とほぼ同じ500万人の子どもが生まれています。

インドネシアの基幹産業は農業。

稲作が中心です。

この国の主食であるお米の消費量は日本の6倍にものぼるのです。

▶日本人にとっても懐かしい光景が広がるインドネシア

インドネシアは赤道直下で日照時間が12時間、年間の気候も雨期と乾期だけで二期作が可能です。

地域を変えればサイクルもずらせるので、365日田植えができるのです。

国内各地を回って毎日植え付けする超人も生まれる可能性がある!(そんな人を育ててみたいですね)。

「豊かさ」を考えたのがきっかけ

さて、実は私、日本で農業をしたことがありません。もともとは広告会社に勤めるサラリーマンでした。

広告営業でホテルや旅館を回ったり、広告代理店で商業施設の販促をしたり、イベントを企画運営したりしていました。

地域がより良くなるように、と感性や生活を豊かにする「プラスアルファ」をする仕事です。

しかし、東日本大震災が発生した同日にヘルニアを発症。

福岡の病院で手術をしました。

その後、仕事もやめて丁寧に生きることを心がけていた時、「豊かさって何?」ということを考えるワークショップに参加したのです。

▶「豊かさ」。考えたこと、ありますか

モノがあることや幸せなこと、人のつながりがあること。

さまざまな意見が出る中、私は「寝て、食べて、歩いて。人間がちゃんと生きられることじゃないか」と、自分なりに豊かさに気づきました。

「農業をしたい!」

27歳の時、私は長野・小布施町という人口1万人の町に住んでいました。

それまで暮らしていた福岡、東京、名古屋という大都市での暮らしには虚無感があったのですが、ここでは農業が生活の中にあり、作物に合わせて四季を感じることができました。

農家さんたちが作った桃やりんごの収穫を手伝い、それを町外で出張販売をすると、作り手の声や想いが買い手に伝わって、驚くように売れることも体験しました。

少しずつ「私も農業をしたい」という想いが強くなりました。

▶インドネシアで米事業をする仲間たちとともに

しかし、供給が足りている日本での就農が腑に落ちず、なかなか一歩を踏み出せなかった時、インドネシアでお米の栽培・調査をしている長野県の米農家さんと元サラリーマンのにんにく農家さんに出会い、同行したのが、初めてのインドネシア訪問でした。

作っても作っても需要があるインドネシア

インドネシアのお米は、細長い「長粒米」が主流なのですが、短粒米の日本米も旨味や甘味があって人気が出始めています。

さらに日本では余るほどの日本米も、インドネシアでは作っても作っても足りない状態。

追加オーダーが常に発生しています。

▶実り豊かな水田

しかし、この国では生産管理がとても大変。

見ていないとすぐにお金がなくなったり、スタッフが仕事に来なかったり、栽培方法が安定しなかったり。

生産・販売管理のためにまずは数カ月の滞在を、と思ったのがいつの間にか2年半になってしまいました。

日本だと年1回の生産もインドネシアでは倍速なので、経験値も早くアップします。

田舎生活にも慣れ、食を支えているという自負も生まれ、「四歩進んで三歩下がり」ながらも、努力が少しずつ実を結びつつあると感じます。

そして間もなく、インドネシアで農業経営を行う「農業法人」が立ち上がろうとしています。

▶二期作で農業体験も倍速!

引き続き、インドネシアでの農業や暮らしをお届けしていきたいと思います。

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ライター

公子(こうこ)/Koko

1985年福岡生まれ。 大学在学中にイギリスへ交換留学。 海外就労に憧れていた私に、ハウスメイトのガーナ人から「日本で出来ることもたくさんある」と言われ、リクルート「九州じゃらん」やキャナルシティ博多で地域活性に従事。 26歳で地元を離れ、移り住んだ長野・小布施町での農業との出会いが人生を変える。日本米の生産でインドネシアへ来て2年半。日本の外から「食」を支えるべく奮闘中。

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