仕事が楽しい!と言い切れる理由〜かものはしプロジェクト・カンボジア駐在スタッフ座談会【前編】

今の環境だと、自分の意思決定やアイディアが事業の方向性や成果に直接影響するので、大変だと感じる反面、仕事がグッと自分事になって楽しいんです!

工房でスタッフの皆と、代表・青木 (最前列中央)

私は現在、駐在員としてカンボジア・シェムリアップにいるのですが、

私たちの仲間たちもそれぞれ全く違う背景でカンボジアに来ています。

そこで、これを記事にしたら面白いのではないかと思い、

今回は座談会形式で記事をお届けします。

海外で働くことをテーマに、

私たちが普段感じていることをセキララに語ります!

かものはしプロジェクトとは?

当団体は「子どもが売られない世界をつくる」ことをミッションとし、

活動している団体です。

2002年に当時大学生だった現代表・村田早耶香がこの問題と出会い、

青木健太・本木恵介と共に活動を開始しました。

カンボジアでは、子どもを売らせない活動として

カンボジアの特産である、い草を使って生活雑貨をつくる工房を運営し、

貧しい家庭の女性たち(現在は80名ほど)に就業の場を提供することで、

子どもが騙されて売られてしまうことを未然に防いでいます。

また、子どもを買わせないために、

警察が加害者を逮捕するようカンボジア政府と協力し、

警察官への訓練の支援をしています。

状況が改善してきているカンボジアでの活動を進めながらも、

現在はインドにも活動のフィールドを広げています。

座談会参加の3人(左より、亀山菜々子、横山優里、青木健太)

登場人物

青木 健太(以下、青木)

大学2年のときに「子どもが売られない世界をつくる」ために、かものはしプロジェクトを立ち上げる。

IT事業部にて資金調達を担当した後、2008年よりカンボジア駐在。

かものはしプロジェクト理事、コミュニティファクトリー事業代表。

4歳の娘と仲良くカンボジア・シェムリアップで単身赴任中。

横山 優里(以下、横山)

大学卒業後、素材メーカーに就職し、工場の生産管理として3年間勤務。

2013年よりファンドレイジング担当の社会人インターンとしてかものはしに参画。現在は職員としてカンボジア駐在。

現地で生産・販売するい草商品の販売・商品開発を担当。

亀山 菜々子(以下、亀山)

2008年、大学3年時にかものはしプロジェクト日本事業部インターンとして参画。

会員事業、法人開拓等経験した後、調査事業部リサーチインターンとして勤務。

大学院へ進学しながらカンボジア現地調査等を担当。2012年より現地駐在。

工房で働く女性たちのケア・トレーニングを担うソーシャルエンパワメント部門担当。

大企業からNPOで働き始めて変わったこと

それでは、早速座談会スタート!!

青木:横山さんはカンボジアで働いてみて、

メーカー勤務していた前職の時との一番大きな違いは何だと思う?

横山:仕事に対する主体性が、まるで違います。

だから、今の仕事の方が何倍も楽しいですね。

もちろん前の会社でもそれなりに満足していたし、

環境にも恵まれていたと思うんですけど、今の楽しさとは比較になりません。

青木:なるほど。その「楽しい」っていうのを噛み砕くと?

横山:今の環境だと、自分の意思決定やアイディアが

事業の方向性や成果に直接影響するので、

大変だと感じる反面、仕事がグッと自分事になって楽しいんです!

もちろん前職でもその要素はあったんですけど、

大きな組織だったこともあってその実感が湧きづらかったし、

自分では変えられないことが多くて。

決められたルールの中で、与えられた役割をすることを求められていたので、

何かを変えようという強い意思もあまり沸いてきませんでしたね。

そのまま働き続けることで成長できる部分もあったと思いますが、

この会社の中でしか通用しないような、一辺倒の成長しか想像できませんでした。

亀山:大企業で学べることもいっぱいあるし、

特に日系企業の人材育成システムは本当に素晴らしいけれど、

決められたことに疑問を持って改善したり、

ゼロからイチを生み出す能力を必要とされる場面は多くないですね。

かものはしは、自分で作ったり決めたりしなくてはならないことばかり。

それは組織が発展途上だというのもあるし、

失敗を許容し、アイディアを歓迎する体質が組織の中にあるからだと思います。

工房で女性たちが働く様子

日本の当たり前は、海外では「なぜ?」から始まる

青木:横山さんがカンボジアでの仕事にやりがいを感じる理由には、

組織の規模とカルチャーの違いが大きいとのことだったけれど、

「海外」という環境による働き方の変化はあるかな?

亀山:物事を考える時の深さが違いますね。

日本では当たり前のことが、

カンボジア人スタッフにとってはまったく理解できなかったりするんです。

だから、何か商品を作ろうとしても、

スタート地点は「なぜそんな物作るの?」という疑問から。

自分が必要だと思い込んでいるものは、本当に必要なのかを疑ってみたり、

スタッフたちが理解できるような伝え方を考えたりなど、

日本ではあまり視野に入っていなかったことも、考えるクセがつきました。

横山:日本だとすでに用意されていることを自分たちで作っていくので、

正直大変なことも多いですけど、成長も強く実感しますね。

青木:自分がどんな生き方をしたいかにもよるけれど、

そういう経験を若いうちに積むことは、絶対無駄にならないはず!

工房で働く女性

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