早いうちから始めたい、グローバル人材になるための自己育成力

インターンを採用の手段にしている限り、企業のPR戦略にのせられて、いつのまにか遣われるだけの社会人になってしまう可能性もあるかもしれません。

今回は「インターンシップ、やってみる?」学生・企業にとってのメリット&デメリットまとめに続き、私の新卒・海外就活においてコアとなったインターン実体験についてご紹介します。

なぜ、インターンをしようと思ったのか

若いうちから海外で仕事・生活することに価値を置いていたのと、自分が一番イキイキしていられる選択だと思い、私は大学卒業と同時にアジアに出ることに興味をもちました。

ただ、日本の大学、それも社会学部という国際的要素が強くない環境にいた私にとって、海外就職の実例や情報、機会は身近にありませんでした。むしろ大学4年次に黒いスーツを着ていない私はだいぶ浮いていました(笑)。

「働いたこともないのに、海外就職なんて無理。数年は日本で経験したほうがいいよ」というのが一番多くいただいたご意見でした。

そこで「働いた経験があれば、海外就職はできるのか!」。であれば、「大学生活の残り1年で、数年日本で働いたくらいの経験ができるように目指そう」という考えに至ったのが、インターンを活用し始めたきっかけです。

大学4年時に行ったインターンは、計3社。

すべて実質的なスキルと経験を身につけるため、裁量権が比較的大きく、長期でできる機会の多いベンチャー企業でした。

新卒で海外就職を実現させるための、戦略的インターンの活用法

海外でも、日本人を相手にしたビジネス・コミュニケーションは不可避だと思っていたので、基本的なマナーやカルチャー理解、スキルを得るために、メディア系ベンチャーの営業インターンを、数ヶ月経験。

4年時に単位がまだまだ残っていた私にとって、唯一海外に身を置けることのできる夏休みは、アジアでインターンを決めていました。異なる国籍の人と共に仕事をするスキルを得るとともに、海外での就活や採用ポイントも把握したいと思ったので、人材会社でのインターンで一石二鳥を狙うことに。

しかし、ネットで見つけられるインターン・プログラムにはお金の余裕もなかったので、マレーシアにある人材会社に順に国際電話をかけ、その中の一社で働かせていただきました。

そこでは、周りに日本人がいない環境で働くことで、必死に英語で伝え理解しようとする自分が自然といました。仕事に必要なハード・スキル以外にも、異文化理解、柔軟性、違いに対する寛容性、物事を多角的にみることなどのソフト・スキルを磨く機会が多くありました。

また、海外就職を目標にするうえで、ベンチャー企業のスピード感は、自分が成長に必要とする要素のひとつでした。

日本にある国際的なITベンチャーでのインターンでは、優秀なキャリアを積んだ方の仕事術に触れ、複数のタスクを追いながら仕事の効率性と生産性を高めることを学び、社会人になった今でもそれは基礎筋力として残っています。

インターン経験で培った「セルフ人材育成力」

3社でのインターンを通して癖としてついた「教えられなくても自分から学び、工夫し、アイディアを出そうとする姿勢」は、社員教育の概念の薄い海外では非常に役に立ちました。

日本の企業のような手厚い新人教育は、海外ではあまり期待できません。

私は、できるだけ若いうちに海外に身を置くことを重視していたため、手厚い新人教育は受けられません。だからこそ、そのリスクを補うことに注意を払うことで、「セルフ人材育成力」を高めていきました。

インターン経験があったから、履歴書をポイ捨てされずに済んだ!

履歴書に、インターンシップで得たスキルや経験を盛り込んで、シンガポールの人材会社7~9社ほどに出したところ、予想以上に求人情報を紹介していただくことができました。

そこで評価されたフィードバックは、まさに「インターンシップで得た経験・スキルが紹介するに値する」という実質的なものでした。

提示された給与も、日本の新卒の一般初任給よりも高かったです。

インターンシップを採用優待券としてではなく......

日本でもインターンシップを推進する動きが高まっているように感じますが、学生にとっては採用優待券、企業にとっては宣伝と採用確保のためという印象が依然強くあります。

そうではなく、インターンシップを実質的な学びやスキルを得るための手段として考えることが、納得のいく就職に繋げる上で大事だと、私は思います。

インターンを採用の手段にしている限り、企業のPR戦略にのせられて、いつのまにか遣われるだけの社会人になってしまう可能性もあるかもしれません。

積極的にインターンという機会を利用して、スキルや経験を獲得していくことが、満足度の高い将来の仕事に繋がるのではないでしょうか。

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ライター

Erisa

平成元年生まれ。都内の大学を単位ギリで卒業後シンガポールに渡り、米リサーチ企業入社。2015年秋より米大手IT企業に転職し、新な成長痛に奮闘中。仕事も生活も、シンガポールでのいろんな人と文化に囲まれカラフルな日々。好きなものは、人・食べること・飲むこと・旅。

カフェとか可愛い要素皆無の海外就職の仕方、グローバルとキャリアについてのブログ『新卒海外就職啓蒙プロジェクト』

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