こんにちは、Toru Yagiです。 今回は、世界一物価が高いと言われるシンガポールの生活費の実態を現地で「留学」「主夫」「現地採用」を経験した身として、日本と比較しながらレポートしたいと思います。
【衣】
冬がないので圧倒的に安く済み、楽です。
私服は年間を通してTシャツ・短パンでOK。ビジネスの場でも、ワイシャツこそ着るもののネクタイをしめるシチュエーションはほとんどありません。ジャケットは月に一度着るか着ないか、です。
そのため私の場合、お洒落に全く気を使わなくなり、衣類費はほとんどかからなくなりました。
【食】
ピンキリです。
留学中は、大学内で寮生活をしていました。キャンパスには10個以上の食堂があったので、毎日三食そこで済ませていました。
料金は一食あたり300円前後と安いのですが、半年くらいしてから体が食堂の料理を受けつけなくなり、同じキャンパス内にあるマック、サブウェイを毎日、食べるハメになりました。
働き始めてからは市内で食事をすることも増え、おいしい食事をとる機会も増えましたが、総じて価格が高いです。
▶オフィスの食堂風景
特に酒税が高いという理由もあり、アルコールが高め。居酒屋でビール一杯1000円は当たり前です。日本の感覚で飲み食いしていたら、客単価は日本の1.5~2倍くらいになります。
ただ、市内にも「ホーカーズ」と呼ばれる屋台の集合施設が数多くあり、そこでは300円前後で食事ができるので、メリハリをつけて食費をコントロールしている方が多いと思います。
▶ホーカーズのメニューは一般的に300~400円程度と、財布にも優しい
【住】
一軒家、コンドミニアムと呼ばれるマンション(以下、コンドー)、HDBと呼ばれる国営住宅に大別されます。我々日本人が一軒家に住むことは稀なので割愛します。
コンドーはいわゆる駐在員やリッチ層が住んでおり、HDBには国民の8割以上が住んでいて、比較的、低価格で住むことができます。
市内のコンドーの家賃は30万円以上は当たり前で、HDBはその半額くらいのイメージです。
どちらも2ベッドルーム以上の大きな間取りが多いので、独り身の人はよくコンドーでシェアハウスをして家賃を抑えるケースが多いと思います。
▶HDB(国営住宅)
私はコンドーとHDBどちらも経験しましたが、どちらも不満はありません。ただ、コンドーでもよくクーラーが壊れたり、メンテナンスが行き届いていないことが多いです。
【遊】
食と同じく、ピンキリです。
お金をかけずに川沿いでビールを楽しむもよし、レストランでシャンパンを楽しむもよし。ランニングを楽しむもよし、カジノや競馬を楽しむもよし。
コンドーにはジムやプールが併設されており、市内にも多くのジムがあるので、体を動かす環境は整っています。
【移】(交通機関)
電車、バス、タクシー、どれも安いです。
ただ、車の購入費は非常に高く、日本の2倍近くします。その大きな理由が、運転する権利を買わなくてはならないためです。
今は約400万円でその権利が販売されており、シンガポール政府が車の量や税収を見ながらその価格をコントロールしています。
▶タクシーの初乗りは300円前後
【子】
シンガポール国民ではなく、永住権がないと教育費は高いです。
医療もそうですが、シンガポール国民→永住権保持者→在住外国人の順で優遇されます。
シンガポールでは共働きが当たり前なので、首が座る前の赤ちゃんをデイケアセンターに入れてしまうことも多いのですが、私のように労働ビザで滞在している身分では、月に15万円ほどかかります。ちなみにローカルは半額以下です。
子育てできるメイドを雇えば、税金含めて月に7~8万円くらいに抑えることはできます。
【まとめ】
我が家のここ数ヶ月の支出割合は、こんな感じです。
住宅費と教育費で半分近くを占めていますが、住宅費はコンドー住まいのため、教育費は共働きで日中子どもを預ける必要があるため、構成比が高くなっています。医療費は、保険に入っていなかったので高くなりました。メイドは構成比6%で、家事全般及び一部育児をサポートしてくれるので、効率的なシステムだと感じています。
シンガポールには、億万長者から出稼ぎ労働者まで、さまざまな生活レベルの人々が東京都とほぼ同じ面積の小さな国土で生活しているため、どの層の方々も生活できる(しやすい)環境が整っています。
シンガポールの生活費は高い高いと言われますが、生活費を抑える工夫はできますし、税金も安いので、日本から移住したとしても、意外と生活水準を落とさずに生活できると思います。
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ライター
ToruYagi
1981年東京都出身。慶應義塾大学卒業後、日系大手メーカーで営業&企画を経験後、シンガポールでMBA社費留学。留学後は、同社にて国内のマーケティング職に従事するも、留学中の同級生だったイギリス人女性(イギリスとタイのハーフ)との結婚&妻の妊娠を機に、約12年間勤めた会社を退職して、シンガポールに移住。夢は、日本を再び世界で輝かせること。そのためには、「日本企業の異文化コミュニケーション能力を上げて、外国企業とのあいだでシナジーを生み出す必要がある」というのが信条。