プロのスノーボーダーから、Webデザイナーへ転身
−−フィリピンに来たきっかけを教えて下さい。
ITエンジニア育成事業を行うギークスという会社が、「英語も話せてプログラミングもできるグローバルエンジニアを育てよう」という名目で企画運営する「ギークスキャンプ」に参加したのがきっかけです。
フィリピンに来たのも、東南アジアに来たのもこの時が初めて。
半年間の研修期間を終えて帰国してもよかったのですが、日本で働くよりも、英語を使える環境にいたかった、そして、もっとフィリピンのことを知りたいと思ったので、代表にお願いをしてギークスのフィリピン拠点であるネクシードに入社させてもらうことになりました。
−−フィリピンに来る前は何をされていたのでしょうか?
実は、元々プロスノーボーダーとして活動をしていました。
始めたのは20歳で、デビューは23歳。
一年中スノーボードをやりたいと考えていたので、冬は日本のスキー場付近にアパートを借りて毎日雪山にくり出し、春が訪れる頃にアメリカやカナダに移動、夏はニュージーランドに移動し、一年を通してスノーボード三昧の生活を約5年続ける。
そんな生活を25歳で引退するまで続けていました。
ある時、遠征で行ったカナダで日本人のフリーランスWebデザイナーの方に出会ったんです。
どこでも働ける彼のスタイルを見て、「そういう働き方もあるんだ」と衝撃を受けました。
スノーボードの遠征費用はかなりかかるため、活動資金を稼ぐために私もWebデザイナーになろうと思い、22歳からその人に弟子入り。
スノーボーダーの活動と平行してフリーランスWebデザイナーとして活動を始めました。
そして、引退後は生命保険で独立開業をし、月100万円ほど売り上げるように。
Webデザイナーとしての活動もしていたのですが、Webデザインを改めて勉強するために28歳でデザイン会社に入社しました。
そして、プログラミングを学ぶために29歳で退職して「ギークスキャンプ」に参加し、今に至ります。
現在ネクシードでは営業とマーケティング担当をしています。
いつか、カリフォルニアで叶えたい夢
−−鈴木さんの夢を教えて下さい。
私の夢は、アメリカのカリフォルニアで暮らして、自分のスケートパークを作ること。
家を建てて家族を持ち、子供もそこで育てたい。
カリフォルニアは気候があったかくてサーフィンができるし、車で2時間くらい走れば山でスケートボードやスノーボードもできる。
ヒッピー文化やロック文化もあって、私の好きなものがすべて詰まっている場所なんです。
初めてカリフォルニアに行ったのは小学校6年生の時。
当時、兄がニューヨーク近郊のニュージャージー州に住んでいて、ふたりで旅行しました。
サンフランシスコの街を見て、小学生ながらに「俺は絶対ここに住むぞ」と決めたんです。
そして、18歳の時に46歳までに移住することを決意。
40代くらいが体を元気に動かしてスノーボードができる限界かなというのと、私の好きなイタリア人バイクレーサーのヘルメットに書かれている数字が46だからです(笑)。
どん底を経験したからこそ、前進できる
−−働くうえで大切にしていることはなんですか?
一番大事にしていることは、自分の夢や目標に紐づいているかどうか。
それがあるから仕事へのモチベーションを保てるし、しんどい時も乗り越えられます。
私は、18歳の時にバイク事故に遭って2ヶ月間意識不明になりました。
目が覚めたら両膝も折れていて、もう歩けないかもしれないと言われたほど。
その時のどん底に落ちて這い上がるまでの経験が、今の自分を支えていますね。
限られた人生を悔いないように生きる、そして夢を叶えるために前進し続けると決めています。
−−海外で働く際にどんなマインドが必要だと思いますか?
自分で決めたことに対して愚直に頑張れるか、自分に負けずにいられるかだと思います。
海外に出るということは、実は色んなものを日本に置いてくることになります。
それは家族や友人との繋がりや日本社会との繋がりかもしれません。
見知らぬ土地で孤独を感じることもあるでしょう。
それでも、自分がやりたいことに向き合って、諦めないこと。
誰かに認めてもらうよりは、自分でやりきったぞという納得感を持てるように活動していきたいですね。
鈴木 勇樹さんの一日のスケジュール
07:00 起床
08:30 出社、朝礼参加
09:00 業務開始
12:00 あえて孤独にランチ(たまに寂しい)
13:00 業務再開、マーケティングミーティング等
19:00 夕食
20:00 カフェで作業
22:00 帰宅
24:00 映画を見てから就寝
プロフィール
鈴木 勇樹/Yuki Suzuki
NexSeed Inc/デザイナー・セールスマーケティング マネージャー
23歳でプロスノーボーダーデビューをし、その後25歳でスノーボードから離れ生命保険で独立開業。2年後、事業はうまくいっていたが本当にやりたいことと夢の実現のため、Webデザイナーに転職。その後、ギークスキャンプへ参加しプログラミングも始める。現在はフィリピンのベンチャー企業NexSeedで奮闘しながら、地元のフィリピン人とスケートライフを楽しむ日々を送っている。夢はカリフォルニアに移住し、家族とスケートボード・スノーボードと共に人生を楽しむこと。
<取材・ライタープロフィール>
ABROADERS 代表 濱田 真里/Mari Hamada
海外で働く日本人に特化した取材・インタビューサイトの運営を4年間以上続けている。その経験から、もっと若い人たちに海外に興味を持って一歩を踏み出してもらうためには、現地のワクワクする情報が必要だ!と感じて『週刊アブローダーズ』を立ち上げる。好きな国はマレーシアとカンボジア。
週刊ABROADERSは、アジアで働きたい日本人のためのリアル情報サイトです。海外でいつか働いてみたいけど、現地の暮らしは一体どうなるのだろう?」という疑問に対し、現地情報や住んでいる人の声を発信します。そのことによって、アジアで働きたい日本人の背中を押し、「アジアで働く」という生き方の選択肢を増やすことを目指しています。
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