「世界市民として日本に貢献したい」大企業のバッジを外しインドに転職|ベルテクノ責任者田村さん

自分の付加価値は何か? 世界で働く上で必要とされる考え方とは…

インドで働く人にインタビューシリーズ!!今回は、大手証券会社で7年間、営業職として従事した後、貯水タンクメーカーのインド拠点の責任者に転職するという驚きの経歴を持つ田村さんにインタビューさせていただきました!!!今までの方と少し視点を変えて経営者視点のインドをお聞きします!インドで、世界で働く上で重要な日本人が今必要とされる考え方とは!?

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◆まずは、田村さんの経歴を教えてください。

2008年に明治大学を卒業し、野村證券株式会社に新卒で入社後、新宿支店と名古屋支店に計7年勤務。名古屋支店で勤務をしていた時に、当時担当させていただいたお客様からお声かけ頂き、今の株式会社ベルテクノに転職しました。2015年にインド拠点の責任者を任され、今年でインド二年目となります。

BELTECNO INDIA

ベルテクノは、愛知県名古屋市中区に本社を置く水回りの建築設備などを扱う建材メーカー。従来のプラスチックタイプの貯水タンクの場合、中に光が差し込んでできた藻類により、水質の悪化が懸念されていたが、ベルテクノは水質を良質のまま保全するステンレスタイプの貯水タンクを製造販売。水質汚染が危ぶまれるインドに最も必要な企業。

◆大手企業を辞めて、インド拠点の責任者へ転職された時のことを教えて下さい。

転職したきっかけは、野村證券時代のお客様(現オーナー)にお声かけ頂いたことが最大の要因です。当時、証券マンとして8年目をむかえ役職も上がり、自分なりにやりがいを感じながら仕事をしておりました。私の野村証券勤務時代の仕事は、最初から最後まで「新規開拓」でした。新規開拓はとても大変ですが、その分やりがいもあり、お客様と共有する大切な時間はかけがえのないものでした。そんな中で、名古屋支店時代にお取引させて頂いたお客様(現オーナー)より、インドに行って欲しいとお声かけを頂きました。私は、そのお客様を心から尊敬しておりましたし、お声かけ頂いた事を何よりも嬉しく思いました。

◆お話を頂いてからどれくらいの期間転職を考えられましたか?

その半面で、大手企業のバッジを外すことに躊躇いがなかったかと言われれば、それは嘘になります。そのため、初めてお声かけ頂いてからお返事するまでに約3年のお時間を頂戴致しました。「天の時」、「地の利」、「人の和」と言いますが、私が転職を決めたのは、それらの複数要素が絡み合い、最終的な決断をしたのだと思います。「天の時」という意味では、ちょうど30歳になる年だったこと、「地の利」という意味では、「インド」という国にポテンシャルを感じていたこと、「人の和」という意味では、大恩あるお客様と一緒にお仕事をさせて頂き、一つでも恩返しをしたかったということです。

◆最終的な決断をするまでに葛藤はありましたか?

また、仕事柄「市場価値」と言うものが常に心の中にありました。「株価」というのはとても不思議で、実態は何も変わっていなくても様々なことが要因で、日々価格が変動します。もちろんポジティブなニュースがでれば市場は大きく反応しますし、逆もまた然です。そういった中で、自分自身の市場価格は一体今どうなっているのだろう?と常に自問自答をしておりました。自分の「付加価値」は何なのか?野村證券という大企業で働いていること?10年間学生時代にハンドボールをやっていたことで得られた、気力・体力・精神力?金融の知識があること?新規開拓の仕事が好きなこと?他の人には無い付加価値を身につけたいと考えたことも、転職を後押ししてくれた要因だと思います。一方で、これまでのキャリアがあったからこそ、今インドでお仕事をさせて頂いているのは事実で、全てのことに感謝をしております。

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◆初めてのインド拠点責任者ポジションで、事業展開をする中で苦労されたことは?

特に社員の採用活動の点で苦労しました。私が責任者としてインドに来る前は、日本語の話せるインド人が経営を担当しておりました。赴任後、当時の負の遺産が顕在化致しました。特に、お金周りの問題が多くこれではいけないと思い、ほとんどのスタッフを入れ替えました。その時に注意した点が、役割分担です。採用活動には適材適所になるよう注意して人選しております。

◆一番の失敗とそこから学んだことは何ですか?

毎日失敗の連続ですが、強いて言わせていただくならインド人のマネジメントです。日本人は責任感があり、頼んだ仕事を最後まで成し遂げてくれます。しかし、インド人の場合、信頼して仕事を頼んだとしても、最後まで成し遂げてくれないことがあります。この時私は、仕事ができなかったのをインド人の責任にしてしまいました。しかしこれは、成し遂げられなかったインド人が悪いのではなく、責任まで離してしまった私にあると気付いたのです。この時学んだことは、「信頼して仕事を任すこと」とは、「仕事を任せた相手が失敗したときも自分が責任を持つ」ということです。これがインドに来て責任者として動き、学んだ点だと思います。

◆今後の展望は?

インドから世界へ、特に西の国々に対して事業展開をしていきたいと思っております。というのも、私は新規開拓することに惹かれていて、0を1にできるパイオニアになりたいからです。野村證券時代と比べて、インドで新規開拓をすることは違った意味で、とても難しいです。しかし、このインドの地より、アフリカなどの発展途上国への新規開拓に挑戦していきたいです。

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◆インドで働くことに向いている人はどのような人ですか?

日本人、国という概念に捉われないことが必要だと思います。日本人は高品質のものを重要視しますが、インド人は品質にこだわりがなく、コストの面を気にします。では、そこでどのように考えるのか。インド人は高品質のものだとしても買わないなら、諦めるのか。それともインドのマーケットプライスにどこまで歩み寄れるかを考えるのか。日本人の考え方を押し付けるのでなく、現地の考え方に寄り添うことが必要だと思います。

◆田村さんが大事にしているインドで働く上で必要な考え方はありますか?

私は、Become a World citizen(世界市民)という言葉が大好きです。インドは個人としても、企業としてもそれを実現してくれる国だと思っております。インドで生きていくこと、仕事をしていくことは、とてもタフです。日本での当たり前が通用しません。日本とインドの間には、数多くの大きな「GAP」が存在します。しかし、それらから目をそらさず、理解に努め、少しでもそのGAPを埋めることができたならば、大きな価値が生まれると感じております。人口ボーナス、政治の変化、インフラの発展等、様々な期待がインドに寄せられています。そういった観点からインドが魅力的であることは周知の事実ですが、インドとのGAPに向き合うことで、サムライスピリッツを持った世界市民・企業になれると思っております。最終的には日本に貢献する、恩返しすることが目標です。

◆最後に、インド転職を考えている方に一言お願いします!

インドに来ることは、あなたの大きな付加価値になると思います。是非、インドに挑戦しに来て下さい。

有難う御座いました!

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田村さんにインタビューさせて頂いて、初めて経営者視点のインドを捉えることができました。個人的な質問、悩みにも親身にお応えして下さり、また、その言葉一つ一つが熱く、トップに立つ人の懐の深さを感じました。私も田村さんのようなリーダーになりたいと心から思います。みなさんの中でも、日本で田村さんと同じように企業で5年以上勤務している方がおられるのではないでしょうか?この機会に責任者のポジションに挑戦してみませんか?

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