50代で「おひとり様」を選んだ元専業主婦の楽しみ

おひとり様を謳歌するには、「自分の足で立てるようになる」と決めること。

はじめまして。私は、アラフィフの主婦、中道あんです。

関西在住のごく普通の50代、「おひとり様」生活を謳歌しています。

50代からのおひとり様とは、伴侶と死別したり、離婚したり、別居したり、もしくは結婚という形を取らなかった方もいるでしょう。みな様々な理由があるはずです。もしかしたら、おひとり様になることが怖くて、悩んでいる方もいらっしゃるかもしれませんね。

50代は夫婦のこと、老親との関わり、子どもの自立、自自身の体調の変化など、実はまだまだ悩みや迷いが多い年頃です。

私も今後の生き方の参考にと、様々なブログをネットで閲覧し、参考とする記事や人を探す日々でしたが、残念ながら、私が求めていたものは、ネットの世界にありませんでした。

それならば「私自身で」と、一念発起し、「おひとり様」について、私自身が発信することにしたのです。

いまや女性の平均寿命は男性よりも長く、たとえ既婚者でもいつかは「おひとり様」になる可能性がとても高いのです。

おひとり様、気になりませんか?

自宅でひとり晩酌

レストランやバーでのひとり飲みも楽しいですが、まだ大学生の子どもがいるし、家計の問題もあって、私はしょっちゅう外食できません。それでも「ちょっと飲みたい気分」のときや、子どもたちの帰りが遅いときは、自宅でひとり晩酌を楽しんでいます。

ひとり晩酌のおつまみは、冷蔵庫にあるものでちょっと作る程度で手間をかけませんが、こだわりは「一点豪華主義」です。自分が食べたいもの、一品をきちんと作るようにしています。ひとりでも、できるだけおいしくお酒を飲みたいですからね。

「ひとり=寂しい」ではない!

ある日のメニューは、「新ゴボウのさくさく揚げ」。スティック状にした新ゴボウに、天ぷら粉・水・氷・少しマヨネーズを混ぜて作った衣をつけてカリッと揚げ、塩コショウで味つけした料理です。旬の野菜を使った料理は安くておいしいので、できるだけ献立に入れるようにしています。たまには、焼いたお肉、お浸し、前日の余りものなどをテーブルに並べて乾杯!それでも十分に、幸せな気分が味わえます。

素材の風味を損なわずカラッと天ぷらにして冷やした日本酒で一杯やると、より一層旨さが増します。手に持つガラスのぐい呑は地元の女性ガラス作家のもの。ちょっと、器にもこだわれるようになったのも大人になったから、大人のお酒の楽しみ方です。

とっておきの秘密もあります!ひとり晩酌の雰囲気を盛り上げる工夫がもうひとつ。食事をする場所です。

いつものダイニングテーブルではなく、リビングのテーブルに料理を並べてソファに座って飲むとか、春や秋なら、ベランダで飲むのも気持ちいいかもしれません。自宅にいながら、非日常な気分を味わえるから、より一層リフレッシュできます。

そんな母の姿を見た息子からは、「何をしてんのん? 寂しそうやで」なんて言われてしまうことも......。私はひとり晩酌を寂しいと思ったことはありません。楽しみ方は人それぞれ。「ひとり=寂しい」ということにはならないはず。

どうせなら、「ひとり上手」と言ってもらいたい!

「食べることが大好きだから」というのもありますが、家族や友だちとの食事だけでなく、ひとりの食卓も楽しめる人でありたいなと思っています。

神様からのおかげでリ・スタート

実は、私は「夫と別居」しています。

若き20代、30 代のころの独身生活とは違う、50代から、大人の女性のおひとり様を始めようと心に誓いました。誰かと比べたり、しがみついたりするのではなく、自分にブレない軸をもって生きる。

夫との別居に踏み切ったのは、家であるものを見つけたことが大きなきっかけでした。その日のことを思い出すと、今でも不思議な気持ちになります。

今から約8年前のゴールデンウィーク。夫婦の寝室でクローゼットを整理しようと、脚立に乗って中の荷物をゴソゴソと探っていると、突然耳元で声がして「カバンを見てみて!」と空耳ではなく、ハッキリと聞こえたのです。驚いて、なんとなく振り向くと、真っ先に目に留まったのが夫のビジネスバッグ。

私は今まで一度たりとも夫のカバンの中身を探ったり、内緒で携帯電話をのぞき見たりしたことはありません。言い換えると、そもそもそんなことに興味がなかったのです。

けれども、その声に導かれるように夫のカバンを開けてみました。すると、通帳や送金明細、夫が浮気相手に使っていたお金の記録が出てきたのです。

人生を見つめ直すターニングポイント

安心してください。不思議と悲しさは感じませんでした。単身赴任の期間が長く、子育ても私に任せっきりだった夫とは、長い時間で徐々に、関係が希薄になっていたのだと思います。もしかしたら、そういう中途半端な夫婦関係に踏ん切りをつけなくてはいけないという気持ちがあったのかもしれませんね。

そんな私の背中を押してくれたのが、あの不思議な「神様の声」でした。神様は「人に幸せをくれる」とは限らないと私は思っています。私に、人生を見つめ直すターニングポイントを与えてくれたのです。

それをどう感じて、どう使うかは自分次第です。

私は、あの声のおかげで「絶対に自立してみせるぞ!」と覚悟が決まり、新しい目標に向かって歩き出せました。

自分の足で立とう!

昔は私も「妻は家庭を守り、家事と育児に専念すべし」と考えていました。

「夫婦共稼ぎなんて、子どもの教育上よくない」「女性が働くなんてお小遣い稼ぎにしかならない」と信じて疑わなかったのです。

でも出会いは人を変えます。40歳のころからパートを始めて、働く女性のカッコよさに気づくようになったのです。

今まで知らなくて残念......。そんな女性たちは、自立してキラキラ輝いています。私は外で働いたことで世界が広がりました。

「こんなふうになりたいな」と思えるステキな女性たちには共通点があります。彼女たちは、何事もすべて「自分」で決めていました。まずは「自分で決めること」から、スタートします。

おひとり様を謳歌するには、「自分の足で立てるようになる」と決めること。おひとり様ではなくても、自分の足で立つことは素晴らしいことです!自分の足で立つことは自立の第一歩ですから。

何かを始めたいと思ったら、まずは自分で決めましょう。何事もそこがスタートです。私のおひとり様生活もまだまだ始まったばかりです。たいした蓄えもない私は、これからも自分で働いて生活していかなければなりません。おひとり様とは、「生涯現役」でいることです!仕事もプライベートも一緒に謳歌していきましょう。

ハワイに住む妹が50歳の誕生日を迎えるにあたり、妹には内緒でアラモアナのティファニーの担当者とメールでやりとし流行りのバイザヤードネックレスをオーダーしておきました。妹にはハワイへ社員旅行に行くと嘘をつきティファニーでサプライズのバースデープレゼント。ネックレスを妹の首につけた所で「おめでとう!」とネタばらし。そんな事が目的のたった5日間のハワイひとり旅です

中道あんさんの著作



ハフポスト日本版は、自立した個人の生きかたを特集する企画『#だからひとりが好き』を始めました。

学校や職場などでみんなと一緒でなければいけないという同調圧力に悩んだり、過度にみんなとつながろうとして疲弊したり...。繋がることが奨励され、ひとりで過ごす人は「ぼっち」「非リア」などという言葉とともに、否定的なイメージで語られる風潮もあります。

企画ではみんなと過ごすことと同様に、ひとりで過ごす大切さ(と楽しさ)を伝えていきます。

読者との双方向コミュニケーションを通して「ひとりを肯定する社会」について、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

『だからひとりが好き』Facebookページも開設しました。最新記事や動画をお知らせします。

ハッシュタグ #だからひとりが好き も用意しました。みなさんの体験や思いを聞かせてください。

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