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2018年02月16日 23時20分 JST | 更新 2018年02月18日 11時50分 JST

熱中症防ぐ防災グッズ、大学院生が考案 経口補水液が作れる水筒「SUI+」 量産化めざしてクラウドファンディング挑戦中

防災グッズだが、普通の水筒のように普段から持ち歩いてもらえる製品にしたいという。

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経口補水液を作れる水筒「SUI+(スイト)」を考案した梅村隼多さん

 夏場の災害時に注意が必要な熱中症。その予防に役立つ経口補水液が手軽に作れる水筒を大学院生が考案した。防災グッズだが、普通の水筒のように普段から持ち歩いてもらえる製品にしたいという。量産化に向けて支援企業を探すとともに、2月26日までクラウドファンディングで資金調達に挑戦している。

 災害時、特に夏場は、水分補給が大事なことは多くの人が知っているはずだ。大規模な災害が起きると、日本各地から支援物資が送られ、その中には飲料水も含まれている。しかし、"水"だけでは熱中症を防ぐことはできない。熱中症予防に効果的なのが、食塩とブドウ糖を混合し、水に溶かした経口補水液だ。主に脱水症状による下痢、嘔吐、発熱などの治療に用いられる。

経口補水液を作れる水筒

 その経口補水液を簡単に作れる水筒である「SUI+(スイト)」を開発したのが、京都工芸繊維大学大学院1年生の梅村隼多さん(23)。名前の由来は、「水筒に+(プラス)経口補水液」からきている。「+(プラス)」を並列助詞の"と"と読み、すいとうとかけて SUI+(スイト)と名付けた。災害時、塩と砂糖が確保できれば、計量カップや計量スプーンがなくても経口補水液を作ることができ、体に優しく水分補給や熱中症予防、脱水症状を抑える効果がある。

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経口補水液を作れる水筒の「SUI+(スイト)」。底を利用して塩と砂糖の量が測れるようになっている

 SUI+(スイト)には塩と砂糖の量が目視で計測しやすくできるようにするための工夫がなされている。SUI+(スイト)の底は取り外し可能になっており、くぼみには塩と砂糖の量を測ることができるように作られている。まず先端の小さなくぼみに塩を入れるとちょうど1.5gになり、底が満タンになるように砂糖を入れるとちょうど20gになる。その後に水を500mℓ入れて混ぜると経口補水液が完成する。

コンテストをきっかけに発明

 梅村さんがこの製品を考えたのは昨年9月、全日空(ANA)が「日常に防災をプラスする。」というテーマで実施したCreative awardがきっかけだった。以前からデザイン思考に興味を持っていた梅村さんは学部4年生から大学院1年生の間にかけてスタンフォード大学主催のME310というプロジェクトに参加。ノルウェー科学技術大学と協力し、自動運転車とシェアリングエコノミーの未来におけるインテリアの提案というテーマで研究を行った。ME310が昨夏に終了し、何か新たに挑戦できるテーマはないかと考えていた時にANA creative awardの存在を知り、エントリーを志した。

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梅村さんが作成したチャート。徹底したリサーチで「prize winner」を勝ち取った

 挑戦にあたって梅村さんは日常と防災の視点から徹底的に調査を重ねた。そこから災害時の問題として脱水症状という点に着目。近年では経口補水液が市販で販売されているが、水と塩と砂糖があれば自作できることを知った。それに加えて日常に使える防災グッズとして「マイボトルを持つ」というトレンドが日本にあることから、水筒を媒体にすることに決めた。これらのリサーチが功を制し、優秀な8作品のみに贈られる「prize winner」に見事輝いた。

SUI+の今後

 今後の展望としてはSUI+(スイト)が個人の生活に合うように様々なアクセサリーが生み出され、防災に役立つ商品でありながらも日常に溶け込むことを目指している。梅村さんは「災害の時にそういえばこれ使えるよねといった感じで溶け込めればいいなと思っています」と今後の希望を抱く。SUI+(スイト)は経口補水液の水筒というだけでなく、普通の水筒のように水やお茶を入れて持ち歩くことができる。防災グッズにとどまらず、普段から使用してもらえるようにするのが今後の目標だ。

 今回のプロジェクトは個人で行ってきた。SUI+(スイト)の商品化、大量生産を実現するためには周囲の協力が不可欠だ。梅村さんはSUI+(スイト)の今後に関して「一緒に作り上げてくれる企業があったら助けてほしいので絶賛募集中です」と制作・量産のアドバイスや支援をしてくれる企業を探している。今後の大量生産・商品化はあるだろうか。

支援の受付は2月26日まで。詳細は、https://a-port.asahi.com/projects/keikouhosuieki_suito/ 。

(馬場遼)

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 「あなたの日常に防災をプラスする」をテーマに、A-portとWonderFLYが協力してアイデア防災グッズ8件のクラウドファンディングを実施中。A-portの特設ページは、https://a-port.asahi.com/partners/wonderfly/