若狭湾を見渡せる棚田に「海のステージ」 5月12、13日にライブ、白崎映美さんのバンドも出演予定 ネットで資金の一部募る

地域経済の起爆剤にしたいとの思いがあるという。

福井県小浜市の内外海(うちとみ)地区の棚田に、若狭湾を見渡せる「海のステージ」を作る取り組みが進んでいる。5月12、13日にはライブを予定し、その資金の一部をクラウドファンディングで募っている。

映像の企画演出を手がける杉本信昭さん(61)が発案。新潟県出身で東京都在住の「ヨソモノ」だが、撮影で訪れた内外海地区にほれた。

「純朴な形で残っている集落、文化度の高い住人に魅力を感じた」

2017年9月に実行委員会を設立。地元の有志や若手経営者、若狭高校の教諭や生徒、市職員ら約10人が集まった。実行委のメンバーには、今回の「海のステージ」で地域の魅力を伝えるとともに、地域経済の起爆剤にしたいとの思いがあるという。

計画では、地区内に14ある集落の一つの田烏に、幅約5.5メートル、奥行き約16.5メートルの屋外ステージを設ける。場所は海を見下ろせる棚田の農道で、240人分の客席も置く。

完成後の「海のステージ」と客席のイメージ図
完成後の「海のステージ」と客席のイメージ図
小浜市商工観光課提供

5月11日までに組み立て作業を終え、12、13日に開くライブでは、上々颱風(シャンシャンタイフーン)の白崎映美さんがボーカルを務める音楽バンド「白崎映美&東北6県ろ~るショー!!」が出演する。ライブ終了後、ステージは解体される。

蔵シアターやマルシェ開催

ライブ当日は田烏の集落全体で、「レトロ村Project」も同時に開催。「インスタ映え」する地点をまとめた地図が配られるほか、地場産品を使った飲食店による「マルシェ」が開かれる。この企画は「集落全体を素朴なテーマパークに」と、実行委の女子高生が発案した。昭和時代の蔵を使った「蔵シアター」では、影絵アート劇の上映もある。

今回は総製作費260万円のうち50万円を、朝日新聞のクラウドファンディングサイト「A-port」(https://a-port.asahi.com/projects/Uchitomi/)で募る。5月11日まで受け付け、返礼品として、ライブ招待券や地元民宿の宿泊券などを用意している。

「海のステージ」について紹介するポスター
「海のステージ」について紹介するポスター
小浜市商工観光課提供

19年の同時期にもステージを組んで、演劇を開催する予定だ。また、田烏の棚田以外にも、ステージを設ける構想がある。

杉本さんは「地域にノウハウが確立すれば」と期待する。

(朝日新聞福井総局・平野尚紀)

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