種子島宇宙芸術祭、「総選挙」で公認アートを決定 クラウドファンディングを活用

今年の夏に開かれる「種子島宇宙芸術祭2017」を前に、クラウドファンディングの仕組みを活用して作品の公認を決める「宇宙のタネ」が実施されている。

今年の夏に開かれる「種子島宇宙芸術祭2017」を前に、クラウドファンディングの仕組みを活用して作品の公認を決める「宇宙のタネ」が実施されている。芸術祭への参加を希望するアーティストらが、宇宙や種子島をテーマにした企画を提案し、クラウドファンディングサイトで支援を募集。

目標金額を達成した企画が芸術祭の公認プロジェクトとなる。いわばアートの「総選挙」を行うことによって、資金集めとともに芸術祭への関心を高めるのが狙いだ。

種子島宇宙芸術祭は8月5日~11月12日に開催される。会場となるのはJAXAの「種子島宇宙センター」がある鹿児島県の種子島。

「世界で最も美しいロケット発射場」として知られる島の全域で、「自然と科学と芸術の融合」をテーマに、様々なイベントやアート作品の展示が行われる。

「宇宙のタネ」は、この芸術祭の一環で、5月1日に朝日新聞のクラウドファンディングサイト「A-port」内に特設ページを開設した。支援の受け付けは7月19日まで。目標金額を達成した企画は公認プロジェクトとなり、実行委員会のバックアップをうけて芸術祭に参加する。

5月17日現在、6組のアーティストが公認を目指してエントリーしている。

大地の芸術祭や瀬戸内国際芸術祭にも出展した豊福亮さんの企画は、「島でつながる星」。ワークショップの参加者とともに貝殻などを使った黄金の惑星で「宇宙空間」を作り上げる(写真左)。

「トコナツ歩兵団」は「日本一宇宙に近い島で、日本一旨い生ビールを」と、満天の星空を観ながら美味しい生ビールを楽しめる1日限定の「星空ビールスタンド」をオープンする(写真右)。

Rezzyこと関根麗子さんは「JAXA認定宇宙日本食」に申請中という種子島産島バナナを使ったカレーにアレンジを加えて販売する企画を立てている(写真左)。

浅見泰則さんと田村尚土さんのチームは、風船で作った「雲」をみんなで持ち寄り、大きな屋根のように浮かべる「雲づくり」を種子島から全国に広げていこうという企画だ(写真右)。

光州ビエンナーレなどに出展した飯島浩二さんは種子島に現れる海亀と宇宙がモチーフ。プロジェクションマッピングされた彫刻が縦横無尽に廻転する大型作品を構想している(写真左)。

XUSSI XUSSI KITCHEN(クシクシキッチン)のneneさんは「ヨーガ×島バナナ」のキャラクターを開発。マスコットなどを制作し、お土産として販売する計画を考えている(写真右)。

現在審査中の企画もあり、エントリーは今後も増える予定だ。実行委員会事務局は芸術祭のホームページなどで、

「種子島宇宙芸術祭は、『みんなでつくる芸術祭』になることを目標にしています。それはアーティストだけではなく、地域民が参加し、また芸術祭を訪れた観光客も参加することで成り立つものです。種子島でこれから始まる『宇宙のタネ』プロジェクトをぜひご支援いただき、そして南国ののんびりした雰囲気の島で行われるプロジェクトの素敵な成果を見に来ていただきたいと思います」

と呼びかけている。

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