PRESENTED BY AQUA SOCIAL FES!!

ゴミ拾いはスポーツだ! 山形県民が誇る最上川を、未来に引き継ぐ「スポGOMI」ってなに?

山形県を流れる最上川では、市民が中心となり一風変わった環境保全活動が行われている。

山形県を流れる最上川。米沢市の吾妻山付近を水源とし、県内4地域を潤して日本海に注ぐ、全長229kmの一級河川だ。

この川は、農業・生活用水の供給源として、また舟運による物流ルートとして、古くから人々に愛されてきた。山形県の「母なる川」といわれるゆえんも、歴史も生活文化も異なる4つの地域が「山形県」として一体感を保っている最大の理由が「最上川によって結ばれていること」だからである。

県民の共有財産と位置付ける最上川をシンボルに、「美しい山形づくり運動」を展開している団体が「美しい山形・最上川フォーラム」(会長・柴田洋雄山形大学名誉教授)である。

「美しい山形・最上川フォーラム」は県民、企業・団体、行政機関など、4300を超す個人・団体が会員となっている。最上川と、最上川に流れ込む県内の河川や水辺のクリーンアップ・キャンペーン、河川を汚す原因にもなるごみの発生源対策に取り組む。このほか、シンポジウムの開催などによる最上川舟運文化の掘り起こしや、経済活性化、木質資源の活用など、活動は多岐にわたっている。

「美しい山形・最上川フォーラム」事務局を担当する安部明子さんは、「最上川はあまりに身近で、あるのが当たり前の存在。活動に携わるようになって初めて、山形県にとっての貢献度が大きく、かつ重層的なことを意識するようになりました」と語る。

活動記録を手に思いを語る「美しい山形・最上川フォーラム」事務局の安部明子さん

安部さんは、子育て支援や、東日本大震災で山形県に避難してきた人たちの支援などに携わった後、フォーラムの事務局を担当して3年目。「あらためて気付かされること、新たな発見の連続です」と目を輝かせる。

美しさを感じる「母なる川」といえども、本当に「全国~世界に誇ることができる」最上川であるためには、現状ではさまざまな問題が存在する。環境に関することに限っても、水質や生態系をどう保全するか、漂流するごみをいかに少なくするか、などの課題が挙げられる。

さらにその中で、ごみの問題ひとつを取ってみても、海岸に漂着するごみの7~8割が内陸部から川を流れてやってくるといわれ、流域全体で考えていかなければ改善は難しい。

とはいえ、海沿いの地域の住民、河川の流域でも下流部と上流部の住民とでは、問題意識の持ち方に温度差があるのが現実だ。「こうした問題意識を県全体で共有しなければ、美しい最上川、美しい山形はつくれない。どのような形を取れば、ひとりでも多くの意識を変えることができるだろうか」。フォーラム全体、そして安部さん自身が常に問い続けていることだ。

解決策のひとつとして、フォーラムが取り入れているのが、クリーンアップ・キャンペーンの際に行っている「ごみ調査」。拾い集めたごみを分別し、どこにどのようなごみが散乱していたか調査・集計する。集計結果はフォーラムで管理し、統計として公表している。

「調査を通して必ず、何らかの"気づき"があり、『ポイ捨てはやめよう』といった意識を持つことにつながる。そうした意識を持ち、『ごみを出さない工夫』をする人が増えることで、少しずつ良い方向に向かっていくはずだと思います」と安部さんは言う。

子どもたちが一生懸命に取り組む、スポーツGOMI拾い

ごみ問題という大きな課題には、さまざまな工夫を凝らしているのだという。たとえば、決まったルールのもと、競技のように順位を決める「スポーツGOMI拾い」という手法を取り入れた。スポーツGOMI拾いは、同じ目標を持ち、チームで力を合わせてごみを拾い、ポイントを競い合う日本発祥のスポーツ。達成感や爽快感、負けたときの悔しさといった、スポーツがもつ特性を生かした手法だ。

開催場所は、河川敷や水辺空間だけに限らず、市街地や大型商業施設などでも実施している。また、サッカーJ1・モンテディオ山形との連携など、企業や団体からの協力もあり、その輪はどんどん広がっているという。

2012~14年度に実施された、トヨタのハイブリッドカー「AQUA」が全国各地で展開する環境保全活動「AQUA SOCIAL FES」にも美しい山形・最上川フォーラムが協力し、「ごみ調査」や「スポーツGOMI拾い」の運営手法を生かして実施された。

いも煮会会場で行われた清掃活動の様子

4月のある日。河川敷に植樹した桜の開花状況を調べる安部さんの姿があった。協力してくれる方々に成果を知らせるため、さまざまな活動内容をブログにアップしているのだと話してくれた。

時には事務局を飛び出し、県内各地の現場を駆け回る安部さんの今の思いは「山、川、海。県土のさまざまな要素と人々を"つなげる"ことで、トータルで美しい山形に一歩一歩近づけていくこと」だ。

「美しい山形・最上川フォーラム」のご協力をいただき、9月5日(土)に村山市・むらやまフットパスで「AQUA SOCIAL FES 2015」を実施します。当日は「エコウォーキング」と「水質調査」を行います。詳細は公式サイトをご覧ください。

(取材・執筆:山形新聞社 戸村 篤)

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