9月3日 日曜日 天気:晴れのち曇り 肌:パックにより潤っている
女子校時代の同級生と会うことになった。
6年ぶりの再会となった子もいた。
ちょっとした同窓会にも私はもちろんすっぴんで臨むつもりだ。
しかし、今日はせめてリップだけでもしたかった。ニキビ跡だけでもコンシーラーで消したかった。
「〜したかった」の感情が溢れ出す前に、急いで髪の毛をセットし、家を出た。
「メイクしたい」という積極的な気持ちになるシチュエーションは、たくさんある。
その中の一つがきっと同窓会だ。
同窓会で久しぶりに会う友達。私の過去をよく知っている友達。
彼女たちに「きれいになったね」「かわいくなったね」と言われたい気持ちは誰にでもあるのではないだろうか。
少しダサめだった自分から脱却して、私こんなに輝いています、と少し背伸びしたくなるのが同窓会だと思う。
そんな時、女性は多くの場合メイクに頼る。
私の場合、学校が厳しくてメイクは一切禁止だったから、余計にそのギャップは生まれる。
自分に合ったメイクをしていることは、ある意味成長している証なのだ。
過去の自分とはもう違うよってさりげなくアピールするのにとても便利なアイテムだった。
便利なアイテムを封じられた私は、久しぶりに会う友達に、いつもより少し高いヒールを履いて会った。
ただ、化粧は最初の印象にしか影響を与えない。
話し始めると、一気に昔の自分たちに戻る。
制服を着て、すっぴんで、他人の目を一切気にしなかったあの頃の自分たちがそこにはいた。
化粧で表面的な「成長」を装うとしても、会話の楽しさで一気にそれは意味がなくなる。
化粧をしていないことを忘れるのではなく、途中からどうでもよくなったのだ。
メイクをしていても、していなくても、紛れもなく私たちの中には、高校の時のままの自分たちがいた。
そして、高校の時の自分たちはそんなことどうでもいいと思っていたのだ。
◇◇◇
ハフポスト日本版でエディターとして働く私(27歳)は、2017年9月いっぱいを「ノーメイク」で過ごしました。仕事も、プライベートも、あえてメイクを塗らないことで見えてきた世界を、1カ月間少しずつ書き留めていきました。これから原則朝7時ごろ、順次公開していきます。
第1話:「1カ月間メイクしません」仕事にプライベートにすっぴんで過ごすことを決めた女27歳
第2話:「すっぴんで会社に来る人なんて、会ったことないかも」旧友の言葉で、考えた。
第4話:世界に誰もいなくなったとしたら、あなたはそれでもメイクをし続けますか
第5話:雑誌でよくみる「NGメイク」特集。いったい誰目線なんだろう
第6話:女が「女装」することの快感。
第8話:なんで学校で、化粧してはいけないの?この質問に答えられる人っている?
第9話:初デートで彼女がすっぴんで来たら、どう思う? 7人の男性に聞いてみた
第10話:今日はなんだかメイクする気にならない。だったら、こんなことしようよ
第12話:「メイク」にまつわる7つの数字を、私なりに読み解いてみた
第13話:すっぴんの広告があってもいいじゃん。矛盾だらけのお願いを会社の先輩に頼んだ。
第14話:毎週欠かさずメイクをする男性上司に、ビジネスのための「メイク」について聞いてみた
第15話:「就活するときに、メイクを始める友だちに違和感」女子大生が化粧をやめられないのはなぜ?
第16話:インスタ見て、こんなメイクに挑戦してみませんか。右も左も同じ顔しかないと嘆くあなたへ。
第18話:化粧の薄さが世の中に認められるとき。「ちーがーうーだーろー!」前衆院議員の豊田真由子さんの謝罪動画を見て
第19話:ある女性アーティストのノーメイク宣言は、なんで炎上したのか
第20話:初デートで彼女がすっぴんで来たら、どう思う? 7カ国の男性に聞いてみた
第21話:午前1時、「化粧を落とせ」という呪いをマンガにしてみた
第22話:「ありのままの君がいい」という言葉、実は別のプレッシャーになっています。
第23話:ワンデーすっぴんにチャレンジした3人の働きウーマン。結果は...?
第24話:「企業には世界を良くする力がある」メイクでビジネスと社会を変えてしまった3人
第25話:渡辺直美のVOGUEメイク動画は全く参考にならない。なのに何度も見てしまうのはなぜ?
第26話:1カ月間ノーメイクを決めた私の「メイクしたい」欲求を同僚(男性)にぶつけてみた
第27話:仕事の日もすっぴんでいることは、まるでワンルームアパートに住んでいるみたい
第28話:「ねぇ、みんな気づいてた?」1カ月間のノーメイク企画を会社の人についに告白。
第29話:メイクを毎日するのが、面倒。長年落ちない化粧品があったら、あなたは使いますか?
ハフポストでは、「女性のカラダについてもっとオープンに話せる社会になって欲しい」という思いから、『Ladies Be Open』を立ち上げました。
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