ノルウェーの「失敗してもいい」文化、新しい北欧デザインとは?

北欧ノルウェーの首都オスロで欧州最大のイノベーション会議が開催されました。このイベントは「オスロ・イノベーション・ウィーク」と呼ばれ、2005年にスタートして今回で9回目を迎えます。

北欧ノルウェーの首都オスロで欧州最大のイノベーション会議が開催されました。このイベントは「オスロ・イノベーション・ウィーク」と呼ばれ、2005年にスタートして今回で9回目を迎えます。オスロ市や産業革新活動をサポートするイノベーション・ノルウェーの支援のもと、10月13~17日の開催中に約6千人の来場者が訪れ、40以上のトークショーやワークショップなどのイベントが行われました。

会場にはノルウェー企業のほかに、欧州を中心とした企業家、投資家、デザイナーなどが集合。「我が社でも革命を起こしていきたい」、「新しいビジネスをスタートしたい」と活気に燃える各界の関係者が集まり、互いにインスピレーションを与え合い、人脈を広げる場所としても好評を集めています。

「ノルウェーはつまらない。革新的なことをするには物足りない。だからスウェーデンに負ける」

「これはメディアがノルウェーについて頻繁に使用する記事タイトルです。私たちはこの誤解に満ちた見出しをなくしたいと思っています」と語るのは、イノベーション・ノルウェー代表のアニータ・クローン・トローセット氏。

■夢を持つ、失敗してもいい文化を広める

「イノーべーションとは、何か新しいことをゼロから創り出すこと。パッションと勇気とミッションをもって、物事を改善して、前進させていくこと。周囲の意見は気にせず、何度も挑戦して、何度も失敗してほしい」と、トローセット氏は「失敗してもいいんだよ」という文化をもっと浸透させていきたいと語る。

■デザイン業界で大きな革新を

今年度のイベントの大きなテーマのひとつが「デザイン」。ノルウェーではかつては日曜日の教会のミサでコーヒーやワッフルを近所の人と楽しむという交流の時間がありましたが、今ではその文化は廃退しつつあります。市民が再び集まり交流できるような新しいデザイン・建築開発、そして健常者だけではなく幅広い人々のニーズに応えることのできるデザインが今強く求められているのでしょう。

■北欧デザインに変化?

「北欧デザインといえば、外見美が賞賛されるプロダクトデザインがこれまで注目を集めていましたが、今はユーザーフォーカスのデザイン分野がノルウェーでは延びてきています。想像しにくいかもしれませんが、医療分野ではデザイナーが中心となることで、乳がんと診断されるまでの結果が届くまでの待ち時間を12週間から48時間に減少させることができた例もあります」。ノルウェーのデザイン業界でも大きなイノベーションが起きていると語るのはノルウェーデザイン建築センターDogA代表のパトリック・テプフェルス氏です。

日本で北欧デザインというと名作家具やインテリアが注目されがちですが、「ユーザーフォーカス重視の目にはみえにくい北欧デザイン」は今後も調べていくと面白そうな発見がありそうだと感じました。

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