マクラーレン・ホンダ、2017年用の新型F1マシン「MCL32」を公開

マクラーレン・ホンダとしては1992年最終戦以来となる勝利を挙げることができるだろうか!?

マクラーレン・ホンダは25日、2017年のFIAフォーミュラ・ワン(F1)世界選手権を戦う新型マシン「MCL32」を公開した。

マクラーレンの伝統的なオレンジ色にブラックを組み合わせたカラーリングをまとった車体は、今年から適用された新たなレギュレーションに合わせ、昨年型よりも前後ウイングやサイドポッドの幅が広く、リアウイングが大幅に低められた"ロー&ワイド"なプロポーションとなっている。

タイヤもフロントが245mmから305mmに、リアは325mmから405mmに太くなった。エンジンカバーには"シャークフィン"と呼ばれる整流板が備わる。

その下に搭載されたホンダの新型パワーユニット「Honda RA617H」は、従来よりも低重心化と軽量化が図られ、ICE(内燃機関、つまり1.6リッターV6エンジン)のさらなる出力向上を実現したという。

昨年はフェルナンド・アロンソの記録した2度の5位が最高順位で、コンストラクターズ・ランキング6位で終わったマクラーレン・ホンダ。

今年はストフェル・バンドーンがレギュラー・ドライバーに昇格し、全レースに参戦する予定だ。1981年から昨年まで使い続けてきた「MP4」の名称に決別し、新たなネーミングとカラーリングを得たMCL32で、今年は念願の表彰台、そしてマクラーレン・ホンダとしては1992年最終戦以来となる勝利を挙げることができるだろうか!?

・フェルナンド・アロンソ選手のコメント

「昨年は、マクラーレン・ホンダにとって輝かしいシーズンではありませんでしたが、そのような苦しい時期をチーム一丸で乗り切り、確かな進歩を遂げることができた一年でした。アグレッシブなデザインのMCL32にとても期待が高まっています。厳しいオフシーズンのトレーニングを終えた今、早くドライブしたいという思いでいっぱいです」

・ストフェル・バンドーン選手のコメント

「これまで待ち焦がれてきたF1のフルシーズン参戦をいよいよ迎えます。MCL32のカラーリングをとても気に入りましたし、空力特性を追求したマシンは素晴らしい仕上がりです。冬の間のトレーニングで体を鍛え上げてきているので、私自身も準備はしっかりとできています」

・マクラーレン・ホンダ レーシング・ディレクター エリック・ブーリエ氏のコメント

「マクラーレン・ホンダはまさに大きな進化を迎えようとしています。新規定に合わせた素晴らしいパッケージングのマシンを用意することができたので、我々にとって上位陣との差を詰める良いチャンスにできればと思います。過去数年間、苦楽を共にしてきた"戦友"であるホンダと一緒に、今年どんなことを成し遂げられるのか楽しみにしています」

・株式会社本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者 長谷川 祐介氏のコメント

「過去2シーズンで得た経験を基に、2017年シーズンはパワーユニットのコンセプトを大きく変更しました。新型のRA617Hは、すべての主要コンポーネントの見直しを図り、低重心化と軽量化、ICEのパワー向上を実現しています。また、レギュレーション変更に伴い刷新されたシャシーとのマッチングを図るため、オフシーズンを通してマクラーレンと一体になり開発を進めてきました。マシン全体での変更点が多いため、パワーユニットを初めてシャシーに載せて走るバルセロナテストは、パッケージ全体がどう機能できるかを検証する場として非常に重要になります。まだ上位陣との差はあると思っていますが、ここ2年間、我々は目覚ましいスピードで成長を遂げてきました。3年目に入るマクラーレンとのパートナーシップも、日々強固なものになってきていると実感しています。これからも進化のスピードを緩めることなく、目標に向けてマクラーレンとともに前進していきます」

マクラーレン・ホンダ 公式サイト

ホンダ 公式サイト

(2017年2月25日「Autoblog 日本版」より転載)

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