「F1界のドン」バーニー・エクレストン氏、女性ドライバーへの懐疑的な発言で物議

モータースポーツ界の大物によれば、女性にはF1グランプリで成功するだけの十分な強靱さがないというのだ。

"F1界のドン"と呼ばれるバーニー・エクレストン氏には、世間を騒がせるような発言をやめる気がないようだ。最近では、彼のF1における女性レーサーの展望について語った言葉が議論を呼んでいる。モータースポーツ界の大物によれば、女性にはF1グランプリで成功するだけの十分な強靱さがないというのだ。

米国のニュースサイト『The Daily Beast』が報じるところによると、エクレストン氏はロンドンで、「身体的に女性がF1マシンを十分な速さで走らせることができるのか、また、女性レーサーが真剣に受け止めてもらえるかどうか、私には分からない」と語ったという。同氏のこの発言は、スージー・ヴォルフ選手が名門ウィリアムズでテスト・ドライバーを務め上げたことを完全に無視していることになる。

エクレストン氏は過去にも、F1における女性の活躍について否定的意見を述べている。2009年には英国の新聞『The Times』のインタビューに対し、多様化がもたらす市場性について「優れた女性ドライバーをぜひ加えたいと思っている。黒人やユダヤ人であれば、なおいい。でも、彼女たちは産休を取るかもしれないね」という軽率なジョークを発したことがある。

女性ドライバーのF1参戦には明らかに否定的なエクレストン氏だが、モータースポーツ全般においてそう思っているわけではないようだ。同氏は2015年、女性ドライバーのみによる選手権の開催を提案し、「女性ドライバーはなぜか出てこないが、それは我々が望んでいないからではない。我々はもちろん、その登場を望んでいる。より多くの注目が集まって話題となるだろうし、恐らくスポンサーも増えるだろうからね」と述べている。しかし2005年には、「女性は家電と同じように、白い色をまとうべきだ」と発言したことがあり、ARCAレースにも参戦している女性レーサーで環境活動家のレイラーニ・ミュンター選手は、現在でも異議を唱えている。

2005年に『女性は家電と同じように、白い色をまとうべきだ』なんて発言をしたエクレストンが擁護されてる。あきれちゃうわ

さらに今回の発言に続けて、エクレストン氏は物議をかもす機会を見逃すまいとでもしているかのように、次期米国大統領にドナルド・トランプ氏が選ばれる可能性についても独自の意見を展開。『The Daily Beast』によれば、「トランプ氏なら素晴らしいと思うね」とし、「プーチンの指示を受けるだろう」とコメントしたそうだ。

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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