運転中の携帯電話などの使用は米国全土で禁止されており、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は公共安全キャンペーンを展開し、若者たちは親が思うよりも運転中に注意力散漫になっているという研究結果がいくつも発表されている。このような忠告にも関わらず、米国では不注意運転の危険性がきちんと認められていないようだ。新たな調査で、10代の若者のうち48%が1人でクルマを運転している時により頻繁に携帯電話でテキスト・メッセージの読み書きをしていることが判明した。興味深いことに、その一因は親子関係にあるという。
今回の調査は、米保険会社Liberty Mutual Insurance社と、学生の飲酒運転などに反対する学生団体SADD(Students Against Destructive Decisions)が行ったもの。調査対象はアメリカの1,622人の11年生と12年生(16~18歳)、そして10代のクルマを運転する子どもを持つ1,000人の親たちだ。子どもたちの55%は運転中に母親や父親と連絡を取るためにメールやメッセージのテキストを打っていると回答し、親からのメールにすぐに返信することが模範的だと考えているという。そのうちの19%は親からのメールに対し1分以内に、25%は5分以内に返信しようとするそうだ。しかし、返信の早さを気にかけているのは子どもたちの方で、58%の親は返信にかかる時間は特に気にしていないという。
10代の若者の不注意運転に対する全責任が、必ずしも母親と父親にあるとは言えない。人生経験が浅く、そこから生じる過剰な自信も不注意運転をしてしまう要因のひとつだ。というのも、88%の子どもたちが、運転中にスマートフォンのアプリを使っていても「安全だ」と思っているというのだ。子どもたちの34%が、運転中にスマートフォンの通知音が鳴るとチェックすると回答している。
今回の調査は、不注意運転は10代の若者たちの大きな問題であると明示した、今年始めのアメリカ自動車協会の調査結果と大きく共通している。前の調査では、若者が引き起こした自動車事故の58%は不注意運転によるものだということが分かった。だが、不注意運転をする原因として最も多いのは同乗者がいることで、携帯電話の使用は2番目だった。10代の若者にとって同乗者を伴って運転することは、さらに危険なドライブとなってしまうらしい。
By Chris Bruce
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
(2015年8月14日 Autoblog日本版「米国では10代の若者の半数以上が、運転中でも親のメールに返信」より転載)
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