フィアット、お前もか。排出ガス試験で不正疑惑浮上、ディーゼル車で

フィアット製ディーゼル車の排出ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)が基準値を上回っているとの疑惑が、新たに持ち上がっている。

Et tu, Fiat?(フィアット、お前もか?)

フィアット製ディーゼル車の排出ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)が基準値を上回っているとの疑惑が、新たに持ち上がっている。ただし、複数の国で起こったフォルクスワーゲン(VW)の不正問題とは違い、フィアットの問題は、現段階ではドイツ内にとどまっている。

VWの方法は排出ガス試験の時だけ制御装置が機能するソフトウェアを車にインストールするというものだったが、フィアットが取ったのは試験時間中だけをやり過ごす方法だ。

ドイツの排出ガス試験は約20分で終わるため、フィアットはNOxの排出制御システムを車のエンジンが始動してから最初の22分間だけ作動するようにしていたと非難されているのだ。

今回の新たな衝撃の種は、ドイツの『Bild am Sonntag』紙が最初に報じた。同紙は「500X」の検査でこの時間ベースの方法が発覚したため、現在フィアットはドイツ当局による調査を受けていると伝えている。

さらに同紙は、世界最大の自動車部品サプライヤー、ボッシュ社がフィアットの方法についてドイツ当局に密告したとも報じている。ドイツのアレクサンダー・ドブリント運輸相は、53台のディーゼル車の最新検査報告書を発表し、フィアットの数字を強調して、「我々はフィアットのモデルに関してさらなる検査を実施する必要がある」と述べている。

2月に環境ロビー団体のDUHは、しばらく走行してエンジンが暖まった状態の500Xは、エンジンが冷えていた時に比べて、より多くのNOxを排出していることを突き止めた。これが発覚した当時、フィアットは内部調査を実施し、自社のディーゼル・エンジンは法を順守していると発表している

昨年の秋に起こったVWのディーゼル排出ガス不正問題をきっかけに、当然ながら世界中の監視機関から乗用車の仕様にまつわる疑惑が相次いで持ち出されている。

三菱は最近、日本で燃費データの不正行為が取り沙汰された。また、米国の最近の訴訟では、メルセデス・ベンツ不正装置を使用したと告訴されている。そして国際環境保護団体グリーンピースは、ドイツ当局が採用しているディーゼル車の検査方法について問題を提起している。他の自動車メーカーにも問題は波及している。

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

(2016年04月27日 Autoblog日本版「フィアットにもディーゼル車の排出ガス試験で不正疑惑」より転載)

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