京大発のベンチャーがEVスーパーカーを発表へ 「GLM G4」

GLMの活動と発展は若くて情熱的なクルマ好きの人々を大いに刺激し、彼らの良き先達となるに違いない。

1990年代に少量生産されたスポーツカー「トミーカイラZZ」を電気自動車(EV)として復活させた京都のGLMが、9月29日にパリ・モーターショーで次世代EVスーパーカーのコンセプト車両「GLM G4」を発表するという。

今はまだティーザー・サイトで横から見たボディのラインがわずかに確認できるだけだが、現在販売されている小型ライトウェイト・スポーツのトミーカイラ ZZと異なり、GLM G4は"スーパーカー"と謳われているように、より大型で高性能なEVになると思われる。これまでGLMが築き上げたEVテクノロジーを最大限に活用し、「技術、デザインの観点からも画期的な車両開発」を目指すというこのコンセプトカーは、オランダのデザイン・ハウス「サヴェージ・リヴァーレ」社との業務提携によって開発が進められ、GLMは同社の株式も取得。また、「ドライブトレイン、エレクトロニクス、ソフトウェアシステム、パッケージング等を対象に、既存車両にはいまだ採用されていない最先端技術の実現」に向け、「大手自動車事業会社との提携」も進めているという。

GLMが主要モーターショーに出展するのは今回が初めてのことであり、これについて同社は「社内の意識と社外(世界)の注目度を上げ、開発に弾みをつける狙い」と説明する。パリで登壇が予定されているGLMの小間裕康社長は「誰も目にしたことのないオリジナリティのある車両で、世界中の人々をわくわくさせるような、技術面においても革新的なEVを目指したい」と語っている。

このGLM G4は既に量産化も視野に入れられており、それに向けて現在の10倍程度の広さとなる開発拠点を京都府宇治市に開設し、同時に4階建ての自社ビルを取得して本社も移転するという。2017年3月上旬に予定されている稼働までには組織体制も強化され、自動車設計エンジニアなど30人の経験者を新たに雇用する計画だそうだ。

2010年に当時京都大学の学生だった小間裕康氏が設立したベンチャーを母体するGLMは、第1弾モデルとなったEV、トミーカイラZZの本格的な量産を2015年10月に開始。それから約1年が経った今、いよいよ次のプロジェクトが明らかになる。それは消費税別価格800万円のトミーカイラZZよりさらに我々にとっては手の届き難いものになりそうだが、ユニークなクルマのみを造る少量生産メーカーが育ちにくい我が国において、GLMの活動と発展は若くて情熱的なクルマ好きの人々を大いに刺激し、彼らの良き先達となるに違いない。

GLM 公式サイト

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