三菱自動車、アメリカにある唯一の工場閉鎖へ 売却先見つからず

三菱のビジネス戦略の一環とみられる。

三菱自動車は、米国イリノイ州ノーマルにある工場を今年後半にも閉鎖する可能性が非常に高いようだ。同社はこの米国にある唯一の工場とその従業員を引き継いでくれる他の自動車会社を見付けることができなかったようで、三菱のスポークスマンは「工場の売却先となる他の自動車メーカーを模索していたが、断念した。だが、他の産業で売却先を探している」とロイターにコメントした。

三菱は昨年、ビジネス戦略をアジアにシフトするため、同工場を引き上げることを発表。1988年にクライスラーと合弁で建設されたこの工場は、日本の自動車メーカーで全従業員が全米自動車労働組合に所属している唯一の米国工場だ。他の自動車メーカーは組合に所属している従業員の採用には消極的であるため、これが工場の買い手がつかない理由だと言われている。

同工場は2015年11月にアウトランダースポーツ(日本名:RVR)の組み立てを終了。三菱は1,000人の従業員を同時期に解雇した。今年の5月末までは同工場で自動車部品の生産を続け、それから残りの250人の従業員を解雇する。工場閉鎖にかかる費用は300億円にも上ると見られているが、同スポークスマンはロイターの取材に対し金額に関するコメントは差し控えた。

最近では、三菱の米国における業績は上向きになると見られている。2015年の売り上げは、前年比22.8%増となる9万5,342台を販売。また、2014年度は北米事業で7年ぶりに営業利益が黒字に回復していた。

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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