テスラ、太陽光パネルと蓄電池で島全体に電力を供給

南太平洋に浮かぶ米領サモアのタウ島で。

最近、テスラモーターズが買収した米国の太陽光発電ベンチャーであるソーラーシティは、イーロン・マスク氏の従兄弟リンドン・ライブ氏とピーター・ライブ氏(同社のCEOとCTO)が共同創業し、マスク氏本人が会長を務める企業だ。この買収により両社は、南太平洋に浮かぶ米領サモアのタウ島という、ハワイから約4,200km、アメリカ西海岸からは約7,700km、オーストラリアからでも約4,000kmも離れた島で、電気の供給能力を披露しようとしている。

タウ島の電力は現在、ディーゼル発電機でまかなわれており、1本の道路が走る約45k㎡の火山島の住民約600人に十分な電力を供給するにはかなりの問題があった。この状況を改善するため、タウ島にマイクログリッドを導入するプロジェクトが立ち上がり、テスラとソーラーシティが参加。ソーラーシティのソーラーパネル5,328枚により1.4メガワットを出力する太陽光発電機に加え、6メガワットの電力供給が可能なテスラのリチウムイオン蓄電池「パワーパック」60基が導入され、設置は1年以下で完了するという。パワーパックも併せて導入することにより、1年中24時間体制で電力を供給でき、停電や電力不足が解消されるという。ソーラーシティによれば、本プロジェクトは、米国環境保護局(EPA)と米国内務省、米領サモア経済開発局によって発足されたそうだ。

しかしながらテスラには、ソーラーシティの買収による資金面の課題がのしかかるだろう。報道によれば、ソーラーシティは2015年に11万枚という業界トップのソーラーパネルの設置数を誇り、業界をリードする企業であるものの、売り上げ1ドルに対して6ドル近いコストが掛かっているという。テスラは現在、総力を挙げて太陽光発電や蓄電のアピールに取り組んでおり、テスラ社の製品にもいくつか導入している。例えば、通常の屋根と比べて見分けが付かない太陽光発電パネルの「ソーラー・ルーフ」や、リチウムイオン蓄電池システム「パワーウォール」などが、一般家庭向けにも販売されている。

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

【関連記事】

注目記事