フォルクスワーゲン新CEO、排出ガス不正問題で「今後の対処費用は巨額に」

スイスの金融大手クレディ・スイスによれば、本不正問題に関してVWが負担するコストは、最低でも230億ユーロ(約3兆500億円)、最悪の場合780億ユーロ(約10兆3,500億円)に上るという。

フォルクスワーゲン(VW)排出ガス不正問題が発覚したのが9月18日、そのわずか4日後にVWは65億ユーロ(およそ8,650億円)をこの問題に対応するための費用として計上すると発表した。同社によれば対象となるのは全世界で販売された1,100万台とのことだが、仮に改修が必要なのはその半分だとしても、単純計算で1台当たりの費用は1,182ユーロ(約15万7,000円)となる。果たしてこれがそれぞれの車両の改修を行い、オーナーをなだめることまで熟考した上ではじき出された数字なのかといえば、見通しが甘いと言わざるを得まい。ましてや、多くの訴訟や各政府からの罰金に対処する費用は含まれていないのである。

あれからひと月、当初の予算は少なすぎると誰もが公言している。その筆頭はVWグループのマティアス・ミューラー新CEOだ。同氏は先週行われた工場ツアーで報道陣に対し、65億ユーロはリコールへの予算であり、"今後の対処費用"について具体的な数字は現時点では手元にないと述べた。

スイスの金融大手クレディ・スイスが投資家に送った通知によれば、本不正問題に関してVWが負担するコストは、最低でも230億ユーロ(約3兆500億円)、最悪の場合780億ユーロ(約10兆3,500億円)に上るという。クレディ・スイスは最終的な費用は「不明確」であるとしながらも、解決策が未だ不明なソフトとハードの改修を行い、オーナーを納得させるために必要な経費は、この間になると確信しているようだ。中でも予算の大きな部分を占めるのはオーナーへの賠償金で、330億ユーロ(約4兆4,000億円)に上ると推定している。米国の経済情報サイト『ビジネスインサイダー』が引用した情報によれば、2005年から2012年の間に世界の企業が起こした事故・不正など様々な問題に対処するそれぞれの拠出金総額を見ると、BPがメキシコ湾原油流出事故に対して支払った538億ドル(約6兆5,000億円)が最高額で、VWが当初発表した65億ユーロはこれには遥かに及ばないものの、BP以外のケースを上回るものとなるだろう。これに対しVWの広報担当者はクレディ・スイスの見積額を「ナンセンス」と一蹴している。

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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(2015年10月30日「Autoblog日本版」より転載)

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