VW排ガス不正問題は「ドイツ製」のブランド・イメージを傷つけた、とダイムラー会長が発言

自動車業界では「メイド・イン・○○国」が与えるブランド・イメージは、製品の質に必ずしも直結するものではなくなっており、確かに物議を醸している。

「メイド・イン・○○国」「○○国の製品」「誇り高き○○国製」など、多くの国は自国の製品にこうした表示をつけ、その価値を高めようとするものだ。スイス製の時計は中国製の時計よりも精巧で、イタリア製のスーツはベトナム製のものより高品質なイメージだ。しかし、自動車業界では「メイド・イン・○○」が与えるブランド・イメージは、製品の質に必ずしも直結するものではなくなっており、確かに物議を醸している。これは国家の威信に大いにかかわる問題だ。

フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車排出ガス不正問題で、ヴォルフスブルクに本社を構えるVWが「ドイツ製」ブランド・イメージに深刻なダメージをもたらしたと強い懸念を抱くドイツ人がいる。ダイムラーAG取締役会会長のディーター・ツェッチェ博士だ。彼はVWが排ガスを無効化する「ディフィート・デバイス」を搭載していたことを「我らが自動車業界にとって大打撃」だと非難した。

『デトロイト・ニュース』によると、ツェッチェ会長はワシントン経済クラブの会議で、「ドイツ製品およびドイツ自動車業界が強いのは、堅実なブランド・イメージとドイツ製品は信頼できるという人々の認識があるからだ」と語り、「我々ダイムラーは不正を働いていない。したがって、再び信用を取り戻せるかどうかは我々にかかっている」と述べたという。

ツェッチェ会長は、会議の場で「メルセデス・ベンツはディフィート・デバイスをこれまで使用したこともないし、今後も決して使用することはない」と再び宣言し、「VWの不祥事による影響を受け、メルセデス・ベンツの売上が下がったとは思わない」と語った。

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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(2015年11月10日「Autoblog 日本版」より転載」

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