見栄えと本当。流行に左右されながら消耗していく自分はもうやめた。

アパレル店員と考える満足のいく買い物 #1
宇都宮胡桃

たまには本音を語ってみよう。

そう思ったのは、つい最近のことだった。

私はこれまで人からどう見えるかを常に気にしてきた。

それは、自分を取り繕うと言う意味ではなくて、客観的にどう見えているのか、どうすれば自分の本当の姿を理解してもらえるかといった、他者の目を意識していたからだった。

でも大学のミスコン出場後あたりから、自分のことを誤解する人が増えてきて、「こう見えたい」って理想が強くなりすぎた。

自分のSNSや、自分の発言が、だんだん大衆ウケを意識しはじめていたことに気づく。大人達は、若くて今っぽい女子大生だけど、社会や政治の問題に関心がある珍しい若者像を要求してくる。つい求められているような答えばかりを発言してしまう自分に嫌気がさした。自分らしさがなくなってきたから。

私は今アパレル店員をしている。地元の川崎を活性化するための「街づくり活動」は相変わらず続けているけれど、それと同時に大学で環境の勉強をすることで、サスティナビリティーについて深く考えるようになった。

ファッション業界とは、アンエシカルで、まだまだ多くの課題を抱えている業界にも関わらず、人を惹きつける力や、気分を向上させたり魅了たりする力がある。私は、その力に以前から興味を持っていて、もっとPRの視点からファションについて学んでみたいと、街のこととは別に、0からこの世界に飛び込んだ。

正直、大学に行きながら、店頭に立ち、私のコアでもある地域のことをするのは、思った以上に大変だった。でも、全部自分が選んだ時間の使い方だし、同時に両立させることで、服を買う、特に若い人たちの消費行動や、選択することの重要性と将来性、また今だからこそ自分にできることは何か、自分なりに考えるようになった。

そう思うのも、流行に左右されながら消耗していく自分の姿とファッション業界を、つい照らし合わせてしまう自分がいるからだった。

私は自分らしく生きたい。

持続可能な社会とは何か、これからジレンマをかかえている世界の様々な事象を、自分自身のこととして、考えていきたいと思う。

宇都宮胡桃

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