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2015年06月08日 00時24分 JST | 更新 2016年06月07日 18時12分 JST

就活生のホンネを、就活生がインタビューした。

私は就職活動をしている。いわゆる「就活生」である。今年から採用活動の時期の後ろ倒しで、就活解禁は3月1日となった。最近は、電車や街中でリクルートスーツに身を包んだ学生をよく見かける。企業の説明会、面接......。彼らは一体どこへ向かっているのだろう。

正式には、3月に企業の採用活動に関する情報が解禁され、8月から面接が始まるというルールだ。しかし、外資系企業の採用活動は既にほぼ終わっているし、経団連に入っていない中小企業の中には、既に内々定を出していたりする。

採用活動時期の後ろ倒しにより、今年、インターンシップを実施した企業は例年に比べ大幅に増加したという。できるだけ早い時期に学生と接点を持っておきたい企業にとって、一部ではインターンシップが一種の企業宣伝のような立ち位置となっていた。企業側は「とりあえず」インターンシップを開催し、学生側は「とりあえず」応募するといったシステムが出来上がっていたように感じる。

「今年の就職活動」について様々な意見が飛び交う。ネット上でも、新聞上でも、専門家を含む様々な年代の人々が見解を述べている。しかし、実際に就職活動を行っている当の本人たちは何を感じているのだろう。そこを知る必要がある。同じく就職活動の真っ只中にいる2016年卒の学生に、就活への思いをインタビューした。

福岡の大学に通う、テレビ局志望の女子大生。彼女は私の高校時代の同級生である。福岡に住みながら、関東・関西の企業も受けている。

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----就活はいつ頃から始めましたか?

テレビ局に就職することは中学生からの夢。夏休みにはセミナーやインターンに行きました。福岡では、去年の4月からテレビ局就活生向けのスクールに通っていました。9月には東京での短期スクールにも。自分のライバルがどういう状況にいるのかを知りたかったんです。

東京・名古屋・長崎・鹿児島のテレビ局の面接に行くこともあります。 説明会だけのために大阪・東京に行く人も多い。毎週行く人もいる。交通費・宿泊費を含めると半端でないお金がかかっています。友達はマイルが貯まりすぎたと言っています。

----解禁が3月になったこと、どう思いますか?

先輩たちのアドバイスがあまり参考にならないんです。「エントリーが遅くなった分、そこの時間を使ってOB訪問をするべき」と聞き、秋にOB・OG訪問をしました。

ほかの業界に比べ、採用時期が早いメディア業界では「今年が初めての開催です」という説明会もあります。選考も視野に入れた説明会が多い印象です。

また、選考時期が長引き、モチベーションを保ち続けることが難しい。先輩たちは、去年の今頃なら内定が決まっていたが、自分たちはまだまだ今からなので。

同じテレビ局を目指していた友人で、先月ブライダル業界に内定をもらった人は、「もう就活をしたくないから」と、早くも就活を終えてしまいました。

でも、私は2年生の夏から半年間アメリカに留学していたので、解禁が遅れたことは丁度よかったのかもしれないですね。しかし、1年間留学し、今年の5月に帰ってきた友人たちは、結局1年遅らせて来年就活するという人も多いです。

----就活の後ろ倒しは「大学生の留学促進のため」とも言われています。留学を通じて変わったことは?

留学して、自分の夢を見直しました。実は私、大学に入ってから、中学生の時から抱いてた夢がぼやけ始めていたんです。でもアメリカで生活して、やりたいことがハッキリしました。

----留学したことが就活に直結したんですね。

一番影響を受けたのは、アメリカで単身で暮らしていた日本人。彼は、世界各地で様々な経験をし、全てを考えた末でそこにいたんです。彼から言われた言葉は、就活で迷ったときにいつも思い出します。

「答えなんて誰も知らない。知ってると思っている人はうぬ惚れ。大切なのは、自分の決断を信じられる強さがあるかどうか。大切なのはどれだけ信じられるかじゃないかな」

そして「決断のタイミングが大切」だということを実感しました。

----アメリカでの就活と比べて、思うところはありますか?

アメリカでは、大学入学時に自分のキャリアプランに直結する学部に入学することが殆どなのに対し、日本では「自分が将来どんな職業に就きたいか」を決める前に大学に行ってしまいます。

先日行った集団面接で、「大学では何をやってきたの?」という問いに、隣の学生がこう答えていました。「大学の授業では特に何も学んでいません」それならば、じゃあなんで大学に行ったんだろう、となってしまいますよね。結局は、誰にも譲れないものがある、やりたいことがある人が強い。

もう一つ、日本では「新卒の就職で人生が決まる」という風潮があります。一回しかチャンスがない。私が履修した授業のイギリス人の教授は、「ジョブチェンジしていけば良い。日本は年功序列賃金であり、そこに居座る人が一番偉いが、それは理解できない」と言っている。

欧米は、仕事をやめる・転職することに関しても寛容です。

----将来を見据えて、どんなキャリアを描いていますか?

私たちの世代は70歳くらいからしか年金を貰えない。それならば、「新卒」で年金を納め続けることにこだわらなくてもいいかもしれません。 今後何十年先も続くかわからない企業に入るよりも、自分の好きなことをやるのも一つの手です。

----6月の今、どんな心境ですか?

「自分の決断を信じる」と決めて、とりあえずはまっすぐに就活に取り組みます。

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「ザ・ゆとり世代」と言われる私たち。就活生に向けたアンケートでは今年、「仕事よりもプライベートの時間を大切にしたい」人の割合が「仕事をバリバリしたい」人を、初めて上回ったとも言われている。

学生のあり方や考え方も変わり、重ねて就活の制度も変容している。留学を推進するための採用活動時期の後ろ倒しは、果たして学生のためになっているのだろうか。

2017年卒向けのインターンシップ募集も始まり、企業は2世代の就活生の採用活動を同時に行うことになる。2016年卒の面接が始まる8月にちょうど重なる形で、2017年卒のインターンシップが開催されるという、なんとも複雑な図である。

今日も電車に溢れる、リクルートスーツの学生たちに、行くべき場所を示してほしい。