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「週4勤務+副業で、それぞれからチャンスが巡ってくる」ロフトワーク・石川真弓の常識を覆す働き方

週4勤務とフリーでの活動という新しいワークスタイルを実践する一人がロフトワークの石川真弓さん。彼女はいかにしてそのワークスタイルを手にしたか?
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正社員、週5日勤務は当たり前? そんな常識を覆すような働き方がどんどん生まれている。週4勤務とフリーでの活動という新しいワークスタイルを実践する一人がロフトワークの石川真弓さん。彼女はいかにしてそのワークスタイルを手にしたか? それを許容するロフトワークの狙いとは?

「正社員・週5勤務」が当たり前の時代じゃない

「週4日は会社員として働き、残りは人気ブロガー&ライターとして活動する」

そんな働き方を実践しているのが石川真弓さんだ。月火木金の週4日はロフトワークの広報PR兼プランナーとして勤務しながら、彼女はプライベートプロジェクトとして、ギズモード・ジャパンをはじめとしたWEBメディアのライター業を営む。

副業やプライベートプロジェクトなど、会社に依存しない働き方が注目を集めるいま、彼女はいかにして正社員とプライベートプロジェクトの両立するワークスタイルを実現したのか? そして、そんな働き方を許容するロフトワークの意図とは一体なんなのだろう。

【プロフィール】

ロフトワーク 広報PR・プランナー/ブロガー

石川真弓 Mayumi Ishikawa

WEB制作会社勤務を経て、シックス・アパートに入社。広報及びマーケティングに携わる。2013年7月よりロフトワークに入社し、週4勤務のワークスタイルを実践。10年以上続ける個人ブログをはじめ、ギズモード・ジャパンなどでのライター活動や日本初のHDR写真をテーマにした書籍『HDR写真 魔法のかけ方レシピ』(技術評論社)を刊行するなど、プライベートプロジェクトも積極的に行なっている。

週4勤務で広報・プランナー、残りはフリーライターという働き方

― 石川さんのいまの働き方ってどんなものなんでしょう?

本業といいますか、正社員の広報PR・プランナーとしてロフトワークに週4日勤務しながら、それ以外の日はフリーのライターとして自分のブログやいくつかのWEBメディアで執筆活動を行なっています。

― 「週4勤務+フリーライター」というワークスタイルを実践するきっかけは?

いまの働き方はロフトワーク側から提案されたんです。「石川さんはライター、ブロガーとしても活動されてるので、週4勤務とかどう?」って。転職するときは考えてもみなかったんですが、ぜひ実践してみたいと思いこの働き方をスタートしました。

― 会社側からの提案だったんですね! ロフトワークはどうしてそんなオファーを?

ダイバーシティの視点でしょうか。私は名前や所属する会社を隠さないで、個人としても発信するし、会社のオウンドメディアにもそれを隠さないみたいなスタイルを続けてきました。Movable Typeを開発するシックス・アパート時代にできたインターネット関係、ブロガー界隈の人たちとの人脈もありましたし、そんな人材をロフトワークが求めてくれたというか、期待してくれたというのが大きいと思います。

組織に多様性をもたらす手段の一つとして、私のようなちょっと変わった働き方、キャリアの人間を採用しようとしたんじゃないかと。フリーライターをやっている人間がWEBディレクター集団に入ることで、仕事やメンバーにどんな影響を与えるのか、化学反応をおこせるのかって。

副業はキャリアのリスクヘッジにつながる

― ロフトワークはどうしてダイバーシティを求めるんでしょうか?

会社ごとに風土や文化が異なるので一概にいうことはできませんが、ダイバーシティがないコミュニティやビジネスモデルって、どんどんシュリンクしていくんじゃないのかなと思うんです。

ロフトワークもそんな意識があったから、WEB制作に留まらず、空間やコミュニティ設計、FabCafeまで、一言では言い表せない多種多様な仕事をやっているんだと思います(笑)。

ロフトワークには私のような週4勤務や時短など、一般的な正社員とは異なる働き方をしている人が10%ほどいます。最近中途採用で入社するWEBディレクターは、未経験でも多様なバックグラウンドをもった人が多いんです。すると、メンバー同士でお互いを刺激し合える環境が生まれてきたり、会社として受けられる仕事の幅も広がってきているんです。

また週4勤務という働き方は、いち社員として考えると、一種のキャリアに対するリスクヘッジみたいな捉え方ができるのではないかと思います。

私の場合、本業として広報・プランナーのキャリアをきちんと積みつつ、何かあっても個人で稼いでいく能力を、自分で開発していこうという考え方を持っています。

例えば女性の場合だと、出産や育児で一定期間、会社を休まなければいけない時、収入がゼロになるかもしれません。けれど、ライターとして稼ぐ能力があればそれをなんとかカバーできるかもしれない。

会社がいつまでもあるわけではないし、今の働き方が10年、20年続くわけではないと思っているんです。時代と状況、自分の経験に合わせて変わっていく。柔軟に自分自身を変えていくイメージは持って働けています。

― 石川さんのお話を伺っていると、週4勤務というスタイルが個人・企業双方にいい影響を与えていると感じます。

そうですね。私も多様なバックグラウンドを持っている同僚にいつも刺激をもらっていますし、ライターとしての経験が自分の引き出しを増やしてくれて本業でのアウトプットにつながっているケースもあります。

ダイバーシティに本気で取り組めば、お互いにWin-Winになる可能性がグンと高まるのではないでしょうか。

週4だからって楽じゃない! セルフマネジメントなくして成功なし。

― 一方で、週4勤務ってとても大変なんじゃないかと思うんです。一見するとお休みが多くて、憧れを持たれることも多いと思うのですが。そんなに楽なもんじゃないですよね...?

ホントにそうですね(笑)。正社員としてのお給料は何割か少なくなりますし、その分自分で仕事をとって稼がなきゃいけないので。

さすがに最初の数ヶ月間はバランスを保つのが大変でしたが、自分と同じ働き方をしているメンバーもいるので、同僚もすぐ慣れてくれました。そういった雰囲気で働けているのはとてもありがたいことです。

― 本業と副業を両立させるキーワードってなんなんでしょう?

1年ちょっとこの働き方を続けてみて、改めてセルフマネジメントの重要性に気付かされました。週4だと働いてないように見えて、退社してからも、土日もずっと仕事脳だったりするんです。まぁ飲んでる時は飲んでるんですけど(笑)。

会社員とフリーライターを両立していくために、仕事を自分でコントロールできるようになるのは大前提。週単位でToDoと優先順位をきちんと決めて、タスクをこなしつつ、かつインプットとアウトプットのバランスみたいなものを考えられるかがとても大事だなと思います。それができるようになると、本業と副業のいいサイクルが生まれてくるのではないかと。

ちょうど先日、個人のライターとしてAdobe Systemsが主催するクリエイティビティカンファレンス『Adobe MAX』にプレスとして招待いただいた際、ロフトワークには有給をいただいてロサンゼルスまで行ったんですね。その模様を復数のWEBメディアに寄稿しつつ、生の情報をロフトワークに還元することができたんです。そして、イベントでは「次の何か」につながるかもしれない新しい人脈やアイデアも得ることが出来ました。

会社員とフリーライター、両立は大変ですがうまくサイクルを回せるようになると、どちらもそれぞれでしか体験できないチャンスが巡ってきます。そういう働き方ができるのは、週4勤務プラスαのワークスタイルの一番魅力的なところですね。

― それはすごい。個人のキャリアだけでなく、所属する企業にもいい影響を与えられる。石川さんの働き方やロフトワークの考え方はWEB・IT業界だけでなく多くの企業が参考にすべきだと思いました。ありがとうございました!

[取材・文] 松尾彰大

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