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IT企業のエンジニアが育児休暇をとって気づいたこと

グリーのエンジニアとして働く森田想平さんは、半年間の育休を昨年取得した。どのように休暇を過ごしたのだろうか?
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半年間の育児休暇を取得した グリー データエンジニアリンググループのシニアマネージャー 森田さんへインタビュー。男性エンジニアとして同社初の取得だったという森田さん。休暇中はどのように過ごし、復帰後も活躍されているのでしょうか。

半年間の育児休暇を取得したエンジニアマネジャー

年末の恒例イベント(!?)となっているエンジニアアドベントカレンダー。昨年とあるブログエントリーがエンジニア界隈に留まらず、大きな反響を集めました。

お話を伺ったのは、昨年半年間の育児休暇を取得し、このエントリーを書かれたグリー データエンジニアリンググループ・シニアマネージャーの森田想平さん。

「自分はいわゆるイクメンなんかではないけれど、エンジニアならばそんなに仕事やキャリアの心配はせずに人生設計ができるのではないかと思いはじめた」と語る森田さん。育児休暇を取ろうと思ったきっかけから、気づけたこと、学びなどを伺いました。

エンジニアが育児休暇を意識したきっかけ

― 育児休暇を取得しようと思ったきっかけは?

ひとつは育休をとっている友人や、子育てを体験した友人たちからのアドバイスです。

彼らから「子育てはすごく大変、可能な限りお母さんとお父さん、2人でのほうがいいよ」という話を聞いていて。

また、悩んだ末に育児休暇をとったというよりは、前向きに取得しようと思った感じです。僕自身、小さな子どもが好きで、子育てにも積極的でいたいと思っていました。色々大変な中でも、どちらかと言うと、楽しんでできるんじゃないかと。ですので、奥さんの妊娠がわかった段階で育児休暇の取得を意識しました。

― 育児休暇を取得すると会社側に伝えた時はどんな反応でしたか?

グリーも急成長を遂げる過程で、会社として社員の家族をサポートしていく制度がきちんと整えられていきました。でも、開発側にいる男性社員による育児休暇の取得実績はなく、さすがに最初は緊張しましたね(笑)

ただ、上司には快諾いただき、チームメンバーにも気持ちよく送り出してもらえました。結果として復帰しても変わらず仕事ができていますし、彼らの理解とサポートには本当に感謝しています。

― 長期休暇を取る際に一番気をつけた点は?

やっぱりスムーズに引き継ぎをすること、メンバーに過度な負荷を残さないことですね。グリーでは社内の組織変更や、数ヶ月だけ別のプロジェクトに異動するといったことも少なくないので、以前から誰がいつ抜けても、致命的な問題とならないような体制を作っていました。

― 例えばどんな施策を?

ブログでも言及したように、外部サービスの積極的な活用によるシステムの非属人化などでしょうか。マネジメントする立場としては、一緒に仕事をする関連部署やブラックボックス化しがちな社内外のステークホルダーとの関係性を、日頃からメンバーに対し、オープンなコミュニケーションを取って示すことを意識していました。

休暇から復帰したら、仕事がより楽しくなった

― 休暇中のお話も伺わせてください。ポジティブな姿勢でスタートした育児はいかがでしたか?

産まれて3カ月ぐらいは、育児家事しかやっていなかったですね。やっぱりすごく大変で。まぁ、だからこそ家族で一緒に過ごす時間をきちんと取れたのは本当に貴重でした。

少し落ち着いて、余裕ができてからは、育児と家事を役割分担で決めて、お互いに無理のない形で子育てしていました。時間を作って、普段読めない技術的な論文を読んだり、勉強を始めたり、地域のイベントに積極的に参加してみたりしました。

― 仕事に復帰されてからは、働き方などにも変化がありましたか?

復帰する際は、会社に行くのが楽しみでしたね。新鮮な気持ちでした。仕事をはじめると、やっぱり半年間の進歩みたいなのもが社内にたくさんあるんです。それらを吸収していくことは、エンジニアとしてすごく楽しいなと。

いまは、できるだけ早く帰るようにしていますが、自宅が少し遠く、定時で帰っても、子どもは寝付いている時間なんです。だから休日しかまともに子育てできず、イクメンになりきれてません(笑)

エンジニアが育児休暇をとって気づいたこと

― 森田さん自身のキャリアにもフォーカスを当てさせてください。半年間の休暇を取ることに対して危機感みたいなものはありましたか?

正直なところ、仕事面におけるキャリアに対する不安はそこまでありませんでした。家族との時間や子育ても大事にしたいと思っていましたし。

グリーには2009年から在籍しているので、半年後に復職した時の組織のイメージも何となくついていて。多少乗り遅れてもキャッチアップできる自信がありました。

― お話を伺っていると、森田さんにとっては、育児休暇は何かそこまで大した話じゃないと言うか...。そんな印象がします。

そうですね。一つはエンジニアという職種も関係しているのかもしれません。半年間、育児休暇を取ったとしても、これまでの経験や蓄積してきたスキルがあればその間のブランクは取り戻せるだろうなという気がしたんです。

そう考えると今の時代、エンジニアは「人生を設計しやすい職業」なのかもしれません。リモートワークなど実践されている方も多いですし、フリーランスとして働かれている方も多いですよね。

― なるほど。個人や会社、パートナーが置かれている状況にもよりますが、エンジニアの森田さんが長期の育児休暇を取られた事例は、今後同じような状況になるかもしれない読者の方にも非常に参考になったのではないかと思います。貴重なお話、ありがとうございました!

[取材・文] 松尾彰大

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