1人で食事をしたり旅に出たりするのは「寂しい」ことじゃありません

行きたい場所があるけど「一緒に行く人がいない」?それなら...。

(HERO IMAGES VIA GETTY IMAGES)

先日、行きたい旅先について友達と話していた時に、1人がこう言った。「フランスのリヨンに行きたいけれど、誰か一緒に行ってくれる人をみつけなくちゃ。1人では行けないから。1人で旅行したいなんて人いないよね」

その日の午後、友人とカフェにランチに行くと、1人で食事をしている知り合いをみつけた。その人を見て友人はこう言った「彼、1人で食事しているのね。声をかけようか。1人で食事するなんて悲しすぎる」

この2つの出来事を目にして、これまでもずっと考えてきたある考えが、頭に浮かんだ。

どうして「単独行動」は、未だに社会的に受け入れられないんだろう? どうして「1人で何かしたい人なんていない」と考えるんだろう。

理由は理解できる。人間は社会的な生き物だ。生まれつき誰かと一緒にいたい、コミュニティに属していたいと考える。誰かと経験を共有したいと感じるのは、人間にとって自然なこと。私たちは交流や会話を通して友情を築き、お互いの成長を手助けする。

だけど、「1人で何かしたいなんて変」という考えは、理解し難い。外食や映画館に出かけるというのは、普通は他の人と一緒に楽しむものなのかもしれない。だけど「1人で出かけて何かする=その人が孤独で友達がいない」ではない(もちろん、何かしている時に寂しいと感じる時もあるし、一緒に出かける友達が見つけられない時もある。だけど、それは誰かに気の毒に思ってもらうことではない)。

それに時には、誰かを楽しませなきゃいけないと感じずに過ごすのもいい。

それにしても、1人で夜に外食するのは、そんなにおかしなことだろうか。先進国で暮らしていると、毎日たくさんのことに気を取られる。パソコンやスマホからは、多くの情報が発信され、いつも刺激にさらされる。それに加えて、周りの人たちと実際に交流しながら生きている。そんな生活を続けていると、内向的な性格か外向的な性格かに関わらず、段々疲れてきて自分だけの時間が必要になってくる。

「1人で過ごす時、私は自分の心と向き合う」

なんで、ひとり自宅で好きな格好をして、ピザを食べながらNetflixを見るのは普通で、外で1人で何かを楽しむのは寂しい人のすること、と思われるんだろう。私は、1人で過ごす時間は、自分の心と向き合う時間だと思っている。普段、自分の心に集中する時間はなかなか取れないけれど、1人になると、自分が大切にしていることについてゆっくり考えられる。それに何も考えなかったり、今この瞬間を楽しんだりする。それは私にとってとても貴重な時間だ。

単独行動は恥ずかしい、と考える人たちにとって、もしかしたらこの考えは理解しにくいものなのかもしれない。私たちは、自分の基準で他の人を見る傾向がある。特に、何かをネガティブに捉える時はそうだ。単独行動するなんて考えられない、という人たちは、自分の心に1人で向き合おうとは考えないんじゃないだろうか。もちろんこの考え方は正しくないかもしれない。だけど、単独行動は恥ずかしいと考える人たちは、次から次へとやることがあり、スマホやパソコンからの刺激がある生活を好んでいるような気がする。

だけど私にとって、自分の心と向き合う行為は素晴らしい楽しみの1つだ。もう一つ、単独行動のいいところを挙げるとすれば、それは自分の好きなように行動できること。誰かを待たせることなくゆっくり服を試着したり、面白くない歴史博物館を早足で観賞したり、さっきいた場所に戻って写真を撮り直したり、好きな場所で好きな時間を過ごしたり......。時間を全て自分の好きなように使える。

だけど1人旅は? 1人で旅をするってやっぱり寂しいこと?

寂しい時もある。旅の楽しみの一つは、その場所の歴史やアートを、誰かと一緒に発見することだ。これまで旅をした時にも「ここに友達が一緒にいたら」と思う場面が幾度もあった。素晴らしい景色や食事、会話、経験を誰かと共有したい思う瞬間は何度もある。旅先での貴重な一瞬を誰かと一緒に味わえるのは本当に素晴らしい経験だ。

だからといって、私は自分のやりたいこと、自分にとって大切なことを諦めたりはしない。諦めちゃいけないと思う。したいことがあるのに、どうして「一緒にする人がいないから」という理由で諦めなきゃいけないんだろう?一番大切なのは、やりたいことをやり、そしてそこから何を得られるかなんだから。

「したいことがあるのに、どうして『一緒にやる人がいないから』という理由で諦めなきゃいけないんだろう?」

私は、単独行動が嫌いな人を非難しているわけでも、彼らを中身がない人だと言っているわけでもない。人の好みはそれぞれ違う。

だけど、満足できる人生を送るかどうかは、自分が何をするかで決まる。もし本当にやりたいことがあれば、ぜったいにやった方がいい。

リヨンに行く、友達が興味を持っていないアングラ音楽イベントに行く、食べたいディナーを食べる。1人で行動するあなたを見て、陰口を言う人もいるかもしれない。だけど、自分のやりたいことをすることに比べたら、それは大したことじゃない。

単独行動を続けていると、段々自意識は消えていき、自己認識が芽生えてくる。少しの自信を持ち、1人で何かをしようとする気持ちを誇りに感じよう。そうすれば、単独行動は恥ずかしいという気持ちはなくなる。1人でデザートを食べていると、友達がいない寂しい人と見られるだろうけど、それはそれでいい。

ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。

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ロンリープラネットが選んだ究極の旅先15


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