田舎の患者さんは我慢強い!?

診療所の近所に住んでいる人たち96人にアンケートをとって、救急車の要請が適切に行われているかどうかを調べてみました。

本来は必要のない症状であるにもかかわらず、救急車を要請するケースが問題になっています。実際のところ、救急車の要請はどの程度適切に行われているのでしょうか。農村地域のアンケート結果では......。

最近、軽傷患者の救急搬送が増えているってよくニュースで報道しているけど、僕のクリニックがある栃木県益子町(益子焼きとイチゴが有名ですよ!)の住民の方たちはとっても律義で慎み深く、みだりに救急車を呼んだりしなさそうな方ばかりです。

そこで、実際に診療所の近所に住んでいる人たち96人にアンケートをとって、救急車の要請が適切に行われているかどうかを調べてみました。

過去3年以内に誰かの症状で救急車を要請したのは20人で、そのうちの11人に「その時の症状」「どのタイミングで救急車を呼んだか」「その後の経過」などを詳細に聞きました。

その結果、なんと11人中10人(91%)が「適切に救急車を要請」もしくは「むしろ症状を我慢」していたことが判明。

もちろん、都会で同じ調査をしているわけではないから一概にはいえないし、都会の人は独居や高齢者の二人暮らしも多いから、我慢とかの問題だけじゃないとは思うけど、田舎の人は我慢強いという言い伝えは真実な予感がします。

いつか、都会でもアンケートしてみたいと思っているので、ご期待ください。

※適切な救急要請であったかの判断は、「東京版救急受診ガイド」を使って判断しました。

○東京版救急受診ガイド

東京消防庁が作った自己判断webサービス。救急車を呼ぶべきかどうかを教えてくれます。

※文中の研究は、平成25年度 一般財団法人 救急振興財団調査研究助成事業として行い、第112回日本内科学会総会にて発表予定です。

◆おすすめ記事

医師プロフィール

池ノ谷 紘平 

どこでもクリニック益子 院長(日本内科学会認定医、日本リウマチ学会専門医、日本医師会認定産業医)1980年生まれ。2005年香川大学医学部卒業。自治医科大学アレルギー膠原病学部門、多摩総合医療センター救急診療科、自治医科大学大学院地域医療学系を経て、2012年一般社団法人医療振興会設立し、巡回医療「どこでもクリニック」開催に向けて活動中。