災害時に活躍してくれる三種の神器、「ポリ袋・新聞紙・ラップ」の活用法

普段から用意ができる3種類の防災必需品、まさに災害時の三種の神器とも言えそうです。

熊本地震から2ヶ月

2ヶ月前のさる4月14日。熊本県、大分県で震度6〜7の大規模な地震発生しました。東日本大震災から5年あまり。忘れていた記憶が蘇り、この地震をきっかけに防災対策の大切さを改めて実感した人も多かったのではないでしょうか。

いざというときのために、必ず準備しておくべきグッズとはいったいどんなものなのでしょうか。そして、災害時にそれらはどんな風に使えばいいのでしょうか。

防災に関する講演や講座を数多く手掛ける永田宏和さんはこう言います。「災害時にとても便利なグッズは、ポリ袋・新聞紙・ラップの3つです。場所もお金もかからないので、手軽に常備できるのもポイントです」。普段から用意ができる3種類の防災必需品、まさに災害時の三種の神器とも言えそうです。

そこで、この3つのグッズの活用について詳しく話を伺いました。

グッズ1:ポリ袋

普段からゴミなどをまとめて捨てるために使うポリ袋。食品のように腐るなど消費期限がなく、たためる形状のため、普段から家に多めの常備が可能です。

◆どんな風に活用するの?

・運搬に

水が不足した際、清潔に運ぶためにバケツや段ボールにポリ袋をかぶせて台車で運ぶことができます。首都圏に多い2階以上のマンション居住者でも、リュックの中にポリ袋を敷いて水を入れれば、階段でも比較的楽に水を運ぶことができます。この場合、ポリ袋は破れることを想定して二重に被せるようにしましょう。

・調理や食器に

小さいサイズのポリ袋なら、袋の中で和えるなど調理に使えます。また新聞紙で作った容器に小さめのポリ袋を被せれば、汁物なども入れられる器になります。

・応急手当に

出血した際に、手当する側はポリ袋を手袋代わりにし、患部にハンカチやタオルなどの布を直接当てて圧迫すれば感染防止をしながら止血の応急手当ができます。

・簡易トイレに

市販の携帯トイレがなくても、ポリ袋に新聞紙を入れて用を足し、消臭効果のある物を上からかければ携帯トイレ代わりにも。2〜3回使用したらポリ袋の中の空気を抜いて口を結んでくくって、一旦ふたのついたコンテナなどの第容器に保管しましょう。

・ポンチョ代わりに

天候が悪い時にレインコートがなくても、大きなポリ袋に穴をあけるなどの加工を施し、身にまとえばポンチョ代わりになります。

◆用意すべき量は?(4人家族の場合)

大中小サイズ、それぞれ50〜100枚はいったものを2〜3パックずつ

グッズ2:新聞紙

実は大事なアイテムだと永田さんがおすすめするのが「新聞紙」。この時代、もしかしたら購読していないという家庭も多いかもしれません。しかし、いざというときのためにも、コンビニエンスストアや駅の売店などで購入し読んだ後、保管しておきましょう。新聞をとっている近所の友人から分けてもらうのも一つの方法です。代替えのきかない古紙再生の吸収性や大きめのサイズが震災時に大活躍してくれます。

◆どんな風に活用するの?

・食器に

折り紙のように折れば、紙食器が出来上がります。普段の皿や紙皿がなくても、家族で食事を分け合うことができます。汁物の場合や汚れが心配な時には、これに小さいポリ袋を重ねて使いましょう。

・携帯トイレに

吸収性の高い紙質を活かし、用を足す際に水分を染み込ませ吸収剤として活用することができます。大きいサイズのポリ袋をセットで使います。

・防寒グッズに

震災時に寒い時はくしゃっと丸めて洋服と身体の間に入れることで保温性が高まり、寒さを和らげることができます。また全紙2〜3枚を広げて縦に折って身体に巻き、その上からラップを巻けばさらに保温性は高まります。身体に巻く以外にも、寝袋や布団に敷いて使うこともできます。

・骨折時の添え木に

骨折の応急処置で折れた手を固定する際、添え木やギプスの吊り手の代用として、折り畳んだ新聞紙とレジ袋で固定させることが可能です。

◆用意すべき量は?(4人家族の場合)

約7日分。 あればあるだけ便利なのは事実。廃品回収などに出す際は7日分だけ残して出すなど、常に家にストックがある状態にするのがおすすめです。

グッズ3:ラップ

普段の調理時でも活躍してくれるラップ。1本数百円程度で購入できるアイテムも、震災時に威力を発揮してくれます。

◆どんな風に活用するの?

・食事に

紙皿や食器にラップを敷いて食事をすれば、後ははがして捨てるだけ。水を使って食器を洗う必要がないので、洗浄水を節約することができます。

・応急手当に

出血したら傷口に巻き付けて止血が可能に。

◆用意すべき量は?(4人家族の場合)

ロングサイズを3本。 安いラップだと熱い物を乗せると溶けてしまうこともあるので、なるべくメーカー品を用意するのがおすすめです。

「災害時、いわゆる防災グッズの機能性が活躍してくれる場面もありますが、大切なのはその活用法。震災時こそ、日常品を知恵や工夫をこらして使い、臨機応変に対応していく力が大切です」(永田宏和さん)

ポリ袋、新聞紙、ラップ。まずはこの三種の神器を準備してみません か?

取材協力

NPO法人プラスアーツ 理事長 永田宏和さん

企画・プロデューサーとして国内外での防災教育普及に取り組み、防災イベントや防災に関する講演、講座の企画・運営を行う。また企業の防災アドバイザーを数多く務める。主な企画・プロデュースの仕事に、楽しみながら学ぶ新しい形の防災訓練プログラム「イザ!カエルキャラバン!」(2005年~)などがある。『第6回21世紀のまちづくり賞・社会活動賞』受賞。『第1回まちづくり法人国土交通大臣賞【まちの安全・快適化部門】』受賞。今年8月ポプラ社より新刊が発売予定。

NPO法人プラスアーツHP:http://www.plus-arts.net/

クックパッド編集部

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