子供、高齢者、ペット...家族構成別「防災グッズ」の揃え方

避難所に届く救援物資は大人サイズしか届きません。小さな子供のいる家庭では、マスクや靴下などの日用品で子供用のサイズを準備しておく必要があります。

熊本地震から来週で3ヶ月。この機会にできることは何か? これまでクックパッドでは災害時のために、今から実践できる防災アイデアについて記事を配信。まず何を揃えるべきなのか、また揃えたらどう家に収納しておくべきなのかなど、生活に沿ったアイデアを紹介してきました。

本来、防災用のグッズは家族構成や人数によって変化するもの。特に準備が必要なのは、乳幼児、高齢者、そしてペットがいる家庭。

「避難所に届く救援物資は大人サイズしか届きません。そのため小さな子供のいる家庭では、マスクや靴下などの日用品で子供用のサイズを準備しておく必要があります」と話すのは防災に関する講演や講座を数多く手掛ける永田宏和さん。そこで今回は、家族構成別に準備しておくべきグッズを永田さんに伺いました。

ケース1:乳幼児のいる家庭

◆【普段】いつもの子育てバッグに入れておくもの

普段から持ち歩く子育てバッグの中に入れておくと良いグッズがコチラ。グッズは1日分あるのが理想的です。

紙おむつ

非常時にないと困るもの。必ず1日に使う分は入れておきたい。

おしりふき

赤ちゃんのおしり以外の手や体を拭けるので便利です。

飲料水

飲料用やミルク用に携帯していると活躍してくれます。

ポリ袋・レジ袋

応急手当、水の運搬、調理など色々なシーンで活用できます。

救急セット・常備薬

子供のケガ、体調に合わせて絆創膏や常備薬の準備をしておきましょう。

おやつ

救援物資として幼児向けのおかしが配られるのはまれ。少し多めに持っておくと安心。

バスタオル

外出先で宿泊を強いられた時の防寒具として活躍してくれます。

母子手帳・お薬手帳

最適な薬をスムーズに出せます。保険証、診察券のコピーも。

◆【災害時】持ち出し用リュックサックに入れておくもの

災害時に背負って持ち運べるように2日分の荷物をリュックサックにまとめておきましょう。リュックサックなら両手が空くので動きがとりやすいですよね。

紙おむつ

無理せず持ち出せる範囲の量を準備をしておきましょう。

おもちゃ・絵本

避難先でも遊べるようにお気に入りのおもちゃをセレクト。

レインコート

家屋の転倒などで舞う粉塵から全身を守ることができます。また、防寒具にすることもできるので便利。

マスク

救援物資で子供サイズを入手するのは困難。大きすぎて使いづらいため、子供用もあると便利。

ヘッドライト

被災後の足下の悪い夜道を移動するための必需品。両手が空くので行動しやすい。

携帯ラジオ

被災直後の正確な情報収集ができます。

着替え

避難生活が長期化した場合に備えて。下着は特に不足しがちなので下着を多めに準備するのがおすすめ。

口腔ケア用ウェットティッシュ

元は介護ケア用品ですが、あると便利なグッズ。水がなくても口の中を清潔にして肺炎などの感染症を予防できます。

抱っこひも

両手を空けて安全に子供と避難できます。

生理用品・母乳パッド

避難所に留まることを想定して少し多めに。

携帯トイレ

断水で避難先のトイレも使えない可能性が高いため。

子供用の歩きやすい靴

子供の足にあった靴は特に入手困難のため、事前に準備しておきましょう。

ケース2:高齢者のいる家庭

子供に比べ、その人それぞれでカスタマイズが必要なのが高齢者。日常で必須な物をリスト化し、多めにストックしておくことが大事。ここでは、特にあるとよいと思われるグッズを紹介。

被災後、病院はしばらく混乱状況で薬が貰えない可能性が高いでしょう。そのため普段から担当医に相談して、ストックしておくと安心。

口腔ケアウェットティッシュ

口の不衛生から肺炎などの病気になるケースも。これさえあれば、水がなくても清潔に保てます。

老眼鏡

普段用とコンパクトなサイズの二種を持っておくと便利。

エマージェンシーブランケット

寒さ対策としてあると便利。重さがないため、力がなくても持ち運びができるのも特徴です。

非常食

固い物が苦手であれば粥などの柔らかい物を準備しておくとよいでしょう。

おむつ

普段の生活でおむつが必需品であれば準備をしておきましょう。失禁パットを使用している人はそちらの準備を。

耳栓・アイマスク

避難所に行った際、周りの騒音などが気になり眠れない高齢者も多いのが現状。そのためこれらがあると少しでも安眠に近づけます。

ケース3:ペットのいる家庭

過去の災害時ではペットと一緒に避難することは難しく、自宅に置き去りにせざるを得ない状況でした。最近ではペット受け入れ可能な避難所もありますが、まずは飼い主の準備が必要です。

エサと水

食事の日用品も普段から多めに備蓄しましょう。

簡易トイレ・ペットシーツ

ゲージ・リード

ペットOKの避難所であっても周りの人に迷惑をかけないよう、ゲージやリードは必須です。

キャンプ用のテント

ペット受け入れの避難所もあるが、鳴き声などの苦情から一緒に避難できない現状も。ペットと一緒に避難したいなら持っておくべきでしょう。

この3ケース以外にもアレルギーや持病がある人なども同様、日常で必須な物を改めて見直し、多めにストックしておくことが大事だといえそうです。味や使い心地の好みを知り、その傾向に合わせて準備することで、救援物資だけでは味わえない少しでも快適な避難生活を送りたいものですね。

永田さんが監修を手がけた、小さな子どものいる家庭向け防災マニュアル『「もしもの時も暮らしはつづく」手帳』のダウンロードはコチラ

取材協力

NPO法人プラスアーツ 理事長 永田宏和さん

企画・プロデューサーとして国内外での防災教育普及に取り組み、防災イベントや防災に関する講演、講座の企画・運営を行う。また企業の防災アドバイザーを数多く務める。主な企画・プロデュースの仕事に、楽しみながら学ぶ新しい形の防災訓練プログラム「イザ!カエルキャラバン!」(2005年~)などがある。『第6回21世紀のまちづくり賞・社会活動賞』受賞。『第1回まちづくり法人国土交通大臣賞【まちの安全・快適化部門】』受賞。今年8月ポプラ社より新刊が発売予定。

NPO法人プラスアーツHP:http://www.plus-arts.net/

クックパッド編集部

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