サイボウズ式:「ママであり、女優」―西田尚美さんが語る「仕事」と「育児」

「育休6年」など様々な人事制度改革を通じて「ワークスタイル変革」に挑戦するサイボウズは、より多くの方々に「新しい働き方」を考えてもらうきっかけをつくりたいと、働くママのリアルを描くストーリーを描くことにチャレンジ。

西田尚美さん。1970年生まれ。広島県出身。モデルを経て女優へ。近作にドラマ「3匹のおっさん」「紙の月」「ダンダリン」「LIFE」。舞台「現代能楽集Ⅶ」。映画「WOOD JOB!」「銀の匙」など。現在NHK朝の連続TV小説「マッサン」に出演中。

「育休6年」など様々な人事制度改革を通じて「ワークスタイル変革」に挑戦するサイボウズは、より多くの方々に「新しい働き方」を考えてもらうきっかけをつくりたいと、働くママのリアルを描くストーリーを描くことにチャレンジ。仕事と育児との両立で悩む主人公を西田さんに演じていただきました。撮影終了直後の西田さんに編集長の大槻がお話を伺いました。

LINEでママ友と悩み相談も

大槻:4日間に渡る撮影おつかれさまでした。今回のムービーの中で主人公が「自分がきちんと仕事ができているだろうか、子供を愛せているだろうか?」と悩む様子を描きました。

ご自身も同じ働くママとして悩まれることはありますか?

西田:自分のテンションによって子供に理不尽な思いをさせてしまっているんじゃないかという思いはあります。色々なことが切羽詰ってしまうと、時間がとても24時間じゃ足りないくらいなんです。そういう時に子供に何か頼まれたりすると「ちょっと待ってて」と冷静に言えないことがあって。ああ、なんであの時もっと落ち着いて言えなかったんだろうって、ママ友に相談することがあります。

大槻:ママ友の存在は大きいんですね。

ちなみに、やり取りはやはりLINEとかでされるのですか?

西田:LINEでやりとりしていますね

大槻:今回の映像制作をプロデュース頂いた井上さんと監督の川島さんが、西田さんと同じく働くママということですが、お仕事をされる中で共感される部分はありましたか?

西田:ちょうど川島監督のお子さんが保育園だと聞いて、働いていると子供の送り迎えが大変だなと思います。でもそれが一瞬の楽しいことに変えられる時が来るので、頑張って欲しいなと思います。

大槻:西田さんのお子様は?

西田:うちの子は来年の春卒業なんです。幼稚園の行事にも関わっているので、働きながらの子育てですが園長先生もすごく協力してくださっています。

子供も我慢しているだろうけど、「きっとお母さんのがんばりを感じてくれているよ」と先生もおっしゃってくれるので、そのことを励みにしています。

大槻:ちなみに今回の撮影のことをお子様はご存じなんでしょうか?

西田:たぶん内容は理解していないんですけど、昨日こういうシーンがあったって話すと、焼きもちを焼いたみたいですね。共演したお子さんたちに(笑)。

私をほったらかして何しているのよって。最初はうんうんと頷いて聞いてくれていたんですけど、途中で感極まって泣いてしまって。

大槻:かわいいですね(笑)。

西田:でも、自分は小さい頃に何をしてたかを聞いてきたんです。それを話してあげると嬉しそうにしていました。特殊な職種ですけど自分の姿を見せられるので、何かわからない仕事をしているよりはいいのかなって思いますね。

女優とママの両立で悩むことは?

大槻:仕事の成果が見せられるというのはいいですね。普段は旦那様や周囲の方にはご協力いただいているのですか?

西田:男性は自分の仕事もあるのでなかなか難しいですね。イクメンと呼ばれる人が羨ましいです(笑)。

大槻:イクメンといえば、サイボウズの社長は東証一部上場企業で初めて社長で育休をとったイクメン社長なんです。

西田:素晴らしいですね! お子さんが2人いらっしゃると聞きました。

大槻:それまでは仕事の鬼だっただったんですけどね。

西田:子供ができてから変わったっていうことですか?

大槻:そうなんです。

西田:へぇ! それを私生活だけでなく、会社の方にも反映できるというのはすごいですね。でもそれをできる立場の人だから、どんどん広めていけたらいいですね。

大槻:西田さんはお仕事が女優ということで、企業で働く女性と色々と勝手が違うと思うのですが、何か悩みを感じたことはありますか?

西田:うーん、いつも決まった時間に出て、決まった時間に帰る仕事じゃないので、子供に悲しい思いをさせてしまっていることですかね。

パパに手伝ってもらって私が居ない分の愛情をかけるように役割分担をしています。そういう思いをしないように努力しているんですけど、たぶん子供には我慢をさせてしまっていますね。

大槻:家で練習をされたりすることもあるんですか?

西田:昔はしていました。今はもうしてないですね。

忙しくてどうしても時間を取れないときは、子供をチャイルドシートに乗せて車の中でやることもあるんですけど、そういうときは「ごめんね、ママ今から変なこと言うけど気にしないで」って言って一人でぶつぶつ練習しています(笑)。だからいろんな言葉を覚えているかもしれないですね。

大槻:来年公開する、今回の動画の続編では大人計画の近藤公園さんと共演いただきました。近藤さんは同じく一児の父でいらっしゃいますが、撮影中お話はされましたか?

ムービー制作のメイキング映像

西田:今年一緒に舞台で共演させていただいたときに、娘さんのお話を伺いました。娘さんが小さいので風邪を引いたとき大変だったという話をされていました。子供が大きくなってからも病気のお話を聞いたりしていました。

今日は撮影が終わったらディズニーランドに行くんだと家族サービスについても話していて、羨ましかったですね(笑)。私はまだ撮影がたんまり残っているのにって。

大槻:すいません(笑)。

西田:お話していて、ちゃんと家族サービスしているんだろうなって感じました。

みんな同じことで悩んでいると知ってほしい

大槻:最後に、この動画をご覧になる、働きながら子育てをするママに向けてメッセージをお願いします。

西田:すごく共感できる作品になっているので、それを見て少しでも救われたり、子供や旦那さんに優しくできるようになったらいいですね。自分の身近な環境を良くしていけたらいいなと思います。そうすれば、会社のように自分が身を置いている環境ももっと良くなっていくはずなので。そういう風に気持ちを切り替えられたらいいなと思います。この動画を見て自分と同じ境遇の人がいると知って、気持ちを楽にしてほしいですね。

大槻:先ほどのママ友と同じですね。

西田:そうですね。やっぱり自分一人で貯めこんでしまうとがんじがらめになってしまうので、時には吐き出すことが大切です。でもそれを誰かに言えない人もいるので、そういうときにこの動画を見て気持ちが楽になってくれたらと思います。

大槻:ありがとうございました。

(サイボウズ式 2014年12月 1日の掲載記事「「ママであり、女優。」―西田尚美さんが語る「仕事」と「育児」」より転載しました)