サイボウズ式:「就活で肩書きを利用するため」だけにインターンを選ぶのはもったいない──就活が終わった後もインターンを続ける理由

「とりあえず」でも、インターンってはじめた方がいいのでしょうか──?
サイボウズ式

就活生のあいだで話題になる、「とりあえずインターンシップに応募しなきゃ」という声。「とりあえず」でも、インターンってはじめた方がいいのでしょうか──?

サイボウズ式編集部では2018年2月時点で、4人の学生がインターンをしていました。その内3人は4月からサイボウズではない会社で働いています。そんなメンバーで、インターンをしてみてわかったこと、インターン先を選ぶ基準などを話してみました。

バイトにせよインターンにせよ自分の時間を使うことになるのは同じ

木村:みなさんはどうしてサイボウズ式のインターンに応募したんですか?

松下:大学3年生の時に留学から帰ってきて、アルバイトかインターンを探していたんです。どうせ時間を使うなら、やりたい仕事につながるものがいいじゃないですか? 当時は「企画」に興味や憧れを抱いていたので、その軸でWantedlyを使って検索して、サイボウズ式のインターンを見つけました。

松下美季(まつした・みき)インターン歴1年4ヶ月。担当記事:働くことに前向きな大学生が少ないのは、働いている大人が我慢しているように見えるから──働き方研究家・西村佳哲さんインターンで印象に残っていることは、「社内では標準語の藤村編集長が、飲み会ではバリバリの関西弁を話すこと。」
松下美季(まつした・みき)インターン歴1年4ヶ月。担当記事:働くことに前向きな大学生が少ないのは、働いている大人が我慢しているように見えるから──働き方研究家・西村佳哲さんインターンで印象に残っていることは、「社内では標準語の藤村編集長が、飲み会ではバリバリの関西弁を話すこと。」
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木村:もともとサイボウズのことを知っていましたか?

松下:所属していた大学のダンスサークルで「サイボウズLive」*を使っていて、身近な存在ではありました。

*サイボウズLive:サイボウズが提供している無料のグループウェア。スケジュールやタスク管理、データなどの情報を共有をすることができるアプリ。

眞木:私の場合は、大学1年生のときに取っていた授業の先生がサイボウズ式に登場しているのを知って、それ以来よく読んでいたんです。それに「いかにもいい会社だぞ」という雰囲気を醸し出しているので、裏側を見てみようと思って(笑)。

眞木唯衣(まき・ゆい)インターン歴1年7ヶ月。担当記事:自己分析をしても、本当の自分なんてみつからない──小説家・平野啓一郎さん。インターンで印象に残っていることは、「インターン開始2日目、出社したら周りのデスクに誰もいなかった。」
眞木唯衣(まき・ゆい)インターン歴1年7ヶ月。担当記事:自己分析をしても、本当の自分なんてみつからない──小説家・平野啓一郎さん。インターンで印象に残っていることは、「インターン開始2日目、出社したら周りのデスクに誰もいなかった。」
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柳下:私は大学に通いながら子育てをしているので、「生活費を稼ぐ」という理由が大きかったですね。バイトにせよインターンにせよ自分の時間を使うことになるのは同じなので、どうせやるなら自分が勉強していることを生かせる場所がいいなと。

柳下桃子(やぎした・ももこ) インターン歴10ヶ月。担当記事:ゲイ、学生ママ、エリート──肩書きで判断されやすい私たちが、ラベリングについて話してみた。インターンで印象に残っていることは、「見ず知らずの社員さんにグループウェア上で突然メッセージを送っても優しく返してくれる。」
柳下桃子(やぎした・ももこ) インターン歴10ヶ月。担当記事:ゲイ、学生ママ、エリート──肩書きで判断されやすい私たちが、ラベリングについて話してみた。インターンで印象に残っていることは、「見ず知らずの社員さんにグループウェア上で突然メッセージを送っても優しく返してくれる。」
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木村:なにを勉強していたんですか?

柳下:統計です。

木村:とうけい。

柳下:サイボウズの社員さんに知り合いがいたので相談してみたんです。そしたら「データを扱う統計の仕事はなさそうだけど、サイボウズ式編集部なら長期インターンを募集してるよ」とアドバイスをもらって、応募しました。

眞木:統計を使うわけではないけど、知り合いの社員さんのアドバイスをきっかけに興味を持ったんですね。木村さんは?

木村:働き方が柔軟で、融通がきく会社を探していて、サイボウズの「100人100通りの働き方」を知りました。それで新卒採用にエントリーして、サイボウズのことを調べていたらインターンも募集していることを知って、インターンも応募しました。

木村和博(きむら・かずひろ)インターン歴9ヶ月。担当記事:その場にいる人が間違いを受け入れてしまえば、それは「間違い」じゃなくなる──菅原直樹×小国士朗。インターンで印象に残っていることは、「藤村編集長のサウナへの愛。」
木村和博(きむら・かずひろ)インターン歴9ヶ月。担当記事:その場にいる人が間違いを受け入れてしまえば、それは「間違い」じゃなくなる──菅原直樹×小国士朗。インターンで印象に残っていることは、「藤村編集長のサウナへの愛。」
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眞木:インターンをしたら内定がもらえるかもっていう下心はありましたか?

木村:はい。結果として、内定はもらえなかったんですけど(笑)。

「長時間出社している」よりも、「出社時間にどれだけアウトプットできるか」が大事

木村:学生は、学校に通ったり、サークルや部活、バイトに行ったりと、同時並行で複数のことをやる「複業」をしていると思います。みなさんはインターンと他のことの両立はどうしてますか?

松下:そこまで苦労はしていないです。サイボウズ式のインターンって、そもそも拘束時間が長くないじゃないですか。

木村:たしかに。平日週2日から、週16時間出勤すればいいですもんね。テスト期間も休めますし、バイトに行くのと同じくらいか、人によってはそれよりも拘束時間は少ないかもしれません。

松下:そうなんです。ただ出社頻度が低いぶん「どうすれば業務を無理なく進めていけるか」は考えてました。

大学の課題が忙しいときは、前もって社員さんに相談して、いつまでに何をやるべきかの優先順位を確認しながらスケジュールを立てて。

松下さんの業務スケジュール。自身が立案したサイボウズ式の企画進行スケジュールをkintone上に書き込むことで、社員も松下さんがどのようなスケジュールで業務を進行しているかを把握できるようになっている。
松下さんの業務スケジュール。自身が立案したサイボウズ式の企画進行スケジュールをkintone上に書き込むことで、社員も松下さんがどのようなスケジュールで業務を進行しているかを把握できるようになっている。
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木村:インターン当初からうまくスケジュールの管理はできましたか?

松下:あまり時間の管理が上手じゃない人間だったので、最初は苦労しました......(笑)。でも、少しずつ慣れていきました。

眞木:私も就職活動の時期やテスト期間は、出社頻度を変えさせてもらっていました。

木村:出社頻度が低いことに不安を感じたりしませんでした?

眞木:最初は不安に感じたこともありました。でも社内で言われている「自分の現状と理想から目標値を下げてもいい」という言葉を聞いて、なくなりました。出社できるときに頑張ろうと思うようになって。

松下: 私も「長時間出社している」よりも、「出社時間にどれだけアウトプットできるか」のほうが大事なんだ、という発見がありました。

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一つの会社にしがみつくだけじゃない生き方もある

木村:実は僕、もともと「社会人は大変だ」というイメージを持っていたんですけど。でもインターンをはじめてみると、編集部の人たちがプライベートも大切にしている姿を見て、そのイメージが変わったんです。

サイボウズ式編集長のTwitter。つぶやきを意図的に抜粋。プライベート(サウナの時間)をとても大切にしているようだ。
サイボウズ式編集長のTwitter。つぶやきを意図的に抜粋。プライベート(サウナの時間)をとても大切にしているようだ。
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木村:インターンをしてみてよかったことはなんですか?

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眞木:同世代の人たちと一緒に働くことで、自分の特徴がわかったこと、かなあ。

私は究極の「普通人間」だと思っていたんです。でも企画会議でみんなに意見を言ってもらって、自分の考え方の癖に気づきました。それが結果的に自己分析になっていた気がします。

柳下:私はサイボウズ式のインターン以外に、2社インターンを経験したことがあります。サイボウズ式の場合は、個人作業ではなく「チーム」で企画を作る部分が他とは違う気がして、いいなと思います。

眞木:サイボウズ式は「おたがいのアイデアや企画を一緒にいいものにしていこう」というスタンスがありますよね。

木村:たしかに僕も、「チームで働くこと」を強く意識するようになりました。前は「チームで働くのは面倒くさい」と思っていたんです。

松下:意外すぎる......(笑)。

木村:でも、「誰に」「何と言ってもらえれば成功か」という企画のコンセプトが共有されていれば、チームで動いたほうがおもしろいものが作れる。そのことを実感しました。

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眞木:もうひとつよかったことがあって。

木村: おっ。

眞木:サイボウズの社員さんって複業している人も多いじゃないですか。

木村:編集部だと竹内さんとか、編集長の藤村さんとか、インターンチームをみてくれている明石さんも。

眞木:実際に複業している人が側にいて、一つの会社にしがみつくだけじゃない生き方もあるんだと知りました。

木村:たしかに、複業という考え方が身近になった気がします。

一度就職したら、その会社の方針を「あたりまえ」だと思うようになるかもしれない

柳下:みなさんはサイボウズ以外の会社に就職しますよね。なぜ今もインターンを続けているんですか?

木村:内定先がオウンドメディアの企画・編集をするところなんです。サイボウズ式での学びは就職後も生かせるはずだと思って、続けてます。

眞木:私は就職先がぜんぜん違う業界なんですけど。でもサイボウズという会社を知ることで、次の会社との比較材料が得られると思っていて。

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眞木:一度就職したら、その会社の方針を「あたりまえ」だと思うようになるかもしれないですよね。「みんな残業しているから、自分も残業するのが当然」とか。

私はインターンをして自分の働き方を考えるようになったので、比較対象としてもっとサイボウズを知ってから卒業したいんです。

松下:私の場合は、毎回仕事をしていくたびに新しい発見や反省が生まれるのがおもしろくて。「次はもっといい企画を立てたい」とか、「もっとうまくディレクションしたい」という気持ちが生まれて、続けてます。

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木村:それって終わりが見えなくないですか?

松下:そうなんです。だから、就職直前まで続けてます(笑)。

インターン先は発信している内容が魅力的な会社を選べばいい

木村:僕は、結構いきおいで応募しちゃったんですけど、インターン先って何を基準に選べばいいんですかね?

眞木 松下 柳下:......。

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木村:自分で考えておきながら、この質問難しいですよね。

眞木:うーん。発信している内容が魅力的な会社を選べばいいと思います。

たとえば社長が発信している理念や事業目的になんとなくでも共感できる会社なら、同じように考える他のインターン生が集まっている可能性が高いし、刺激を受けられそうじゃないですか。

柳下:ふと思ったんですけど、インターンでも自分が働くことによって、その会社のためになっていくじゃないですか。だとすると嫌いな会社のために貢献はしたくないですよね(笑)。

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眞木:そうですね。あとは自分で勤務日を決められるところがいいです。仕事以外のことを大事にしてくれるところで働くのがいい

松下:私が感じているのは、「○○でインターンをした」という、就活用の肩書きのためだけにインターン先を選ぶのはやめた方がいいかもしれない、ということかなあ......。

木村:というと?

松下:「サイボウズでインターンをした」というのは、たしかに就活で強みになったこともありました。

でも、その目先の利益以上に、糧になったことがたくさんあって。

サイボウズ式の企画を立てるなかで学んだことや、社員さんたちの生き方を見ていて考えたことが、「自分は将来どうやって生きていきたいのかな」と考えるうえで、とても役に立ったんです。

木村:「就活で肩書きを利用するため」だけにインターンを選ぶのは、もったいないってことですかね?

松下:うん。4年間しかない大学生としての時間を使うんだから、肩書き以外に得るものがないと、もったいないなあと思います(笑)。

社会に出るかどうかを考える手段としてインターンはいい機会

木村:インターンって必ずしたほうがいいと思いますか?

柳下:私はやってみた結果、会社に勤めるのはやめて、大学でもっと勉強したいと思ったので、社会に出るかどうかを考える手段としてインターンはいい機会だと思います。

インターンをしてみて、やっぱり他の道を選ぼうって思う人もいるかもしれないし。

松下:私はインターンを経験したことで、就活では「なぜ自分がこの仕事をしたいのか」を具体的な言葉にできるようになったんです。

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松下:たとえインターン先がしっくりこなかったとしても、「なぜ違ったのか?」を自分の言葉にできれば、次に生かせると思うんですよね。

もっと別のことをして自分の生き方や働き方を考える人もいるから、絶対にインターンをしたほうがいいというわけではない。でも、将来の働き方を考えるための判断軸が自分の中でできたので、私はよかったと思います。

木村:インターンを通して、何を学んで、考えるかが大事なんですね。

松下:そうですね。

木村:松下さん、眞木さんと僕は、4月からは新卒の社会人としてどうしていくか考えていくことになります。

松下:はい。

眞木: 寂しいですね。

柳下:寂しいです。

木村:どうしても寂しいときは藤村さんのTwitterを眺めて元気だしましょうね。

眞木 松下 柳下:はい。

編集長はインターン生のこんな対談とは裏腹に、今日もサウナに思いを馳せているようだ
編集長はインターン生のこんな対談とは裏腹に、今日もサウナに思いを馳せているようだ
サイボウズ式

執筆・多田慎介/撮影・尾木司/企画編集・眞木唯衣・木村和博

」は、サイボウズ株式会社が運営する「新しい価値を生み出すチーム」のための、コラボレーションとITの情報サイトです。本記事は、2018年4月11日のサイボウズ式掲載記事
より転載しました。

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