サイボウズ式:プログラマーって何しているの? IT企業の中身はどうなっているの? 中学生が聞いてみた

サイボウズ社長の青野慶久さんとエンジニアの佐藤鉄平さんに中学生がインタビュー。

今回職業体験をした、東京学芸大学附属小金井中学校のみなさん。左からサイボウズ 代表取締役社長の青野慶久、鈴木陽大くん、小堀航聖くん、鎌田嘉仁くん、サイボウズ グローバル開発本部 副本部長の佐藤鉄平。今回の記事はすべて中学生の彼らが作成しました!

はじめまして。私たちは、IT関係、プログラマーの仕事を将来目指しています。今回、中学校の職業体験でサイボウズを選び、サイボウズ式の記事を書かせていただきました。取材したのは社長の青野慶久さんとエンジニアの佐藤鉄平さんです。聞いたことはかなり素朴な疑問。それでも意外と知らないことも多いのでは?

ITの仕事やプログラミングに興味のある人、読んでみてください。

まずは僕たちのプロフィール

小堀:妹か、妹キャラの女子が欲しいです。カロリーメイトのチョコ味が好きです。ネットサーフィンが趣味です。

鎌田:iPhoneが欲しいです。土日はのんびりしていますが平日はサッカー部で頑張っています。

鈴木:タイピングの速度が日本一になりたいです。部活はハンドボールをやっていて、バイオリンを小さいころから習っています。

職業体験の様子。何を質問するか決めたり、会議に参加したり、取材してみたり。しっかり編集部の仕事をしてくれました

自分が決めたゴールで社会をよりよくできるのが一番の喜び

小堀:青野さんは、この仕事をなぜ始めたのですか?

青野:子供のころにパソコンにはまったんです。今は子供のころからあったでしょうけど、僕らのころはありませんでした。小学4年生のころにパソコンが出てきました。そのパソコンでプログラムが組めて、何かが作れることに驚きました。手先が不器用な私でも、間違えても直せるし、いくら文字を打っても、お金がかからない。それで、一回パナソニックに間違えて入ったのですが(笑)。

やはり使ってもらえるソフト開発をしたいと思って、会社を立ち上げました。子供のころの感動が忘れられなくて。

小堀:佐藤さんはどうですか?

佐藤:大学時代にプログラミングをしていたわけではないけど、自分が書いたコードを他人に使ってもらい、役立ったので、楽しいと思った。だから、エンジニアになろうと思って会社を探していたら、サイボウズにたどり着きました。

小堀:お二人は、仕事をしていて、大変なことや辛いと思ったことはありますか?

佐藤:たくさんの人に使ってもらう製品を、一人の人に向けて作ってもほかの人は求めていない。使っている人たちが、みんなうれしくなるにはどうしたらいいか考えることが難しいけど、そこが逆に楽しかったりもします。

青野:辛いですよ、それはもう......。辛いって、外側にあるんじゃなくて、内側にあるんですよ。

何が言いたいかというと、山登りで辛そうに登る人と楽しそうに登る人がいるじゃないですか。あれを知っておくと、辛くなった時に『自分がどう受け止めるかだな』ということがわかるんですよ。辛くなったとき、周りを変えようとするんだけど、『すごい試練を与えてくれてありがとう』みたいな気持ちに立つと、辛い中にも楽しさもできて。でも基本辛いことばっかですよ。何やっても怒られるし(苦笑)。

小堀:では、逆にこの仕事に就いて良かったことや喜び。やりがいはありますか?

青野:そうだね。小さいことだとまぁ買ってくれたお客さんの会社がどんどん良くなっていくとかね。あと、まあなんでしょう、会社は小さいですけれども、もっといい社会を作れるというのが最近感じている大きな喜びですね。

佐藤:作ったソフトを使っている人からの反響があったりすることや、『役に立った』などの声が聞けることですね。

エンジニアの佐藤鉄平。1982年新潟県生まれ。東京工業大学卒業後、2007年サイボウズに入社。大規模向けグループウェアのガルーン、国際版ワークフローのApprovalFlowの開発を担当したのち、次世代グループウェアのプロトタイプの開発に従事。その後、データベースソフトであるkintoneの開発に携わる。2015年7月グローバル開発本部副本部長に就任

小堀:なるほど。では、青野さん。『社長』というのはどういうことですか?

青野:じゃあ逆に『社長』って、どういう仕事だと思う?

小堀:グループを統率しているので、部下を理解していて、そのグループがやっていることについてもよくわかっていて、このグループの社会の地位みたいなのが把握できていて、何をしているのかもわかっていて......つまり、グループの管理人みたいな感じだと思っています。

青野:そうなれるといいかもしれないですけれどもね。実際は、僕が把握できる情報ってすごく限られているんですよ。みんなを信じて、任せるしかないところがありますね。

その代わりやらなきゃいけないことは、『みんなであそこを目指すぞ』みたいな、ゴールを決めること。これを決めることが結構大変で、間違えたところをゴールにするとみんなが大迷惑をするだけなんですよ。ちゃんとしたところを決めなくちゃいけない。それをどこにするかを頑張って決めることが仕事ですね。イメージと、ちょっと違いました?

小堀:はい。かなり違って驚きました!

趣味の個人開発とは違う! 仕事では理解されやすいコードを心がける

鈴木:ところで佐藤さん、プログラミングを始めたきっかけって何ですか?

佐藤:プログラミングっていうことではないんですけれど、ホームページを作った時に、その自分で書いたコードが出てきたっていうのがうれしかったですね。

大学で統計とかの研究室に入った時に、たくさんたまったデータベースの中から意味のあるデータを見つけてくるんですけれど、そこでコードを書く必要があったのでプログラミングを始めました。

鈴木:プログラミングを共同作業するうえでのポイントって何ですか?

佐藤:チームで開発するときに難しいのは、自分が書いていないコードを理解したりそれを修正したりとかしないといけないところですね。

だから逆に自分の書いたコードがほかの人に読んでもらえるか、それをわかりやすくするためにテストコードを書いたり、ドキュメントにしたり、プログラム内に解説を入れたりするところがポイントです

鈴木:英語ができなくてもプログラミングはできますか?

佐藤:英語はできたほうがいいです。その理由はプログラミング、エンジニアの世界では、日本語の情報よりも英語の情報のほうが新しい情報が多いので、英語の情報が読めないとエンジニアとしては厳しいかも。

鈴木:それは会話も、ということですか?

佐藤:会話よりも読み書き。エンジニアの場合実際に会って会話するよりも、文章、電子上でのやり取りが多いのでとりあえず読み書きができれば大丈夫。また世界的にも英語でのやり取りが多いので、英語でのコミュニケーションができていくとそれだけ新たな情報が手に入りますね。

世の中を変えていく。そのためのIT

小堀:中学生の時には何をしていましたか?

佐藤:部活は吹奏楽部に入っていて結構頑張っていましたよ。あと自分の行っていた中学校ではたまたまパソコンルームがあってパソコンを使った授業なんかもあったんです。

3年生の時の授業で、好きなテーマを決めて何かをやるっていう時間にホームページを作るということをしていました。今思えばHTMLを書いてサーバーにアップロードしただけなんですけれど、自分の書いたコードが画面に出てくるっていうことが楽しかったですね。

青野:バスケットボール部に入っていました。得意でもないですけれど、2年ちょっとぐらい、3年の夏までやっていました。パソコンが中学2年生ぐらいから好きになって、それはなんかやっていましたね。授業中にノートにプログラムを書くとか(笑)。あとパソコンゲームをしていましたね。

鈴木:当時は何が流行ったんですか?

青野:ゲームはシューティングゲーム、インベーダーゲームからきて、だんだんあれが発展していきましたね。でもうまくないんですよ不器用なんで。ところがそこにロールプレイングゲームが出るんですよ。手先が不器用でも最後まで何とかいけるのではまりました。

小堀:どのような人がこの仕事に向いていますか?

青野:やっぱりIT好きな人はいいですよね。触ってるだけで楽しいし。技術が好きでなくても、ITで世の中を変えていく喜びみたいなね。そこが好きな人はいいですよね。情報共有すればもっといい社会が作れる。そこに共感できるとやっていて楽しいですよね。

佐藤:プログラマーにもいろいろな人がいるんですよ。技術のことを考えてやっていく人、お客さんの声を聴く人。共通していることは技術的なトレンド、世の中のトレンドにもついていくということですね。自分で調べ、必要なことを学んで探求していくことができる人が、向いていると思います。

鈴木:この仕事をする上で大切だと思うことは?

佐藤:必ず使う人がどう使うかっていうことを考えること。エンジニアだと技術的なところに興味があるので、新しい技術を覚えるとそれを使いたくなるんですよね。

それはそれで良くても、使ってもらう段階になった時に使い方がわからないという風になることがあるので、最終的に使う人がどういう気持ちで使うのか、ということを大切にしています。

青野:一人ひとり大切にしたいと思うことは違うじゃないですか。面白いことやりたいとか、人の役に立ちたいというところにこだわりを持っている人もいれば。大切にしたいと思うことって色々あるけれど、答えは本人しか知らないんですよね。自分で考えることが大切なことなんだと思います。

取材を終えた中学生3人のリアルな感想

小堀:初めて企業の社長にインタビューをして、正直、想像していた社長とはかなり異なるんだなと思いました。さまざまなことをしているけれど、「社長が偉い!」というわけでないということ、社長の本当の仕事がわかりました。プログラミングも英語が読み書きできればいいことに、一番おどろきました。

鎌田:いち企業の社長とトッププログラマーの方にインタビューをするということで、最初はとても緊張していたけれど、始まってみると思っていたような堅いものではなく、ゆる~くインタビューできたように感じられました。雑談をするとまではいかなかったけれど、なごやかな雰囲気でした。実際に終わってみるとあっけなく、まだまだ足りないように感じました。

鈴木:今回、社長の青野さんとプログラマーの佐藤さんにお話を聞けました。「つらい」というのは受け止め方である、英語はプログラマとして仕事をする中で必要である、ソースコードは分割して1つ1つ終わらせてからつなげていくなど、自分が将来のために聞きたかったことを、実際に仕事をしている方に直接聞けてうれしかったです。

記事を書き終えた直後に「サイボウズ式」編集部のみなさんと。「仕事」を終えてちょっとホッとした表情!? 3日間の職業体験、お疲れ様でした!

(取材・執筆/写真:鈴木陽大、小堀航聖、鎌田嘉仁、編集:サイボウズ式)

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サイボウズ式」は、サイボウズ株式会社が運営する「新しい価値を生み出すチーム」のための、コラボレーションとITの情報サイトです。

本記事は、サイボウズ式 2015年7月31日の掲載記事「プログラマーって何しているの? IT企業の中身はどうなっているの? 中学生が聞いてみた」より転載しました。

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