サイボウズ式:会社員が嫌なのではなく「週5日拘束されるのが辛い」だけ。だから働き方を変えてみた

「働く」「遊ぶ」「休む」の黄金比を見つけた人が幸せになる
サイボウズ 式
サイボウズ式編集部より:著名ブロガーによるチームワークや働き方に関するコラム「ブロガーズ・コラム」。今回は、「休み方」をあらためて考えてみようと思います。ブロガーズ・コラム チーム4人でお届けします。第3回は桐谷ヨウさんです。

俺は新卒で入社した会社、そして転職した会社で通算7年半の会社員生活を送りました。当時はいつもいつも思っていました。

「毎週が三連休だったら良いのに!」

現在、自分は特殊な働き方を許容してくれる職場に出会い、週4で会社員。残りの3日はやりたいときに個人事業、遊びたいときはプライベートを満喫するライフスタイルを過ごしています。昔思っていたことが実現できたと言えます。

そこで最近確信に至ってきたのは、「ひょっとしたら週5って働きすぎなんじゃないか?」ということです。

会社員の正規雇用は、週5で最低8時間であることが大原則になっています。本筋から逸れるため実態としてのオーバーワークはいったんふれませんが、会社員(特に事務職)のミニマム労働時間は週40時間が「大人として働くことの不文律」となっています。

結果、多くの人は「自由な時間は週末の2日」という世界観を生きているように思います。俺はこれが悪いと言いたいわけではありません。そうじゃない働き方がもっとあって良いんじゃないかと感じるんです。

7年半で会社員をやめた理由

自分の経験談を語ります。

7年半の会社員生活の後、俺は退職することを決意しました。2015年の夏です。「独立してガッツリ稼ぐぜ!」という熱い思いはこれっぽっちもありませんでした。

その時に抱いていた思いは「書籍を書くことにただ専念したい」「エリートの端っこの方を歩いてきたけど、ドロップアウトしてみたい」「いまの延長線上には掴みたいライフスタイルは訪れないんじゃないか」そういった漠然として混濁(こんだく)したものでした。

それなりに人から羨ましがられるキャリアを持っていただけに、先の見通しもなく辞めるのは打算で判断するとありえない。ただ、ITコンサルタント・ライター・その他の人脈から来る仕事をトータルすると「たぶん食っていける」という気持ちがありました。

「働く=週5で会社員」という呪縛から解き放たれた

いざ辞めてみると、様々なワークスタイルが目に飛び込んで来るようになりました。

休みなく仕事に邁進(まいしん)している経営者。ゆるくやってるのにけっこう稼いでいる中小企業のおっちゃん。ワーカホリックのように働いているフリーランス。働きたいときにだけ働く気ままなフリーランス。何をやってるかわからないのに、それなりに金が回っている謎の人たち(けっこういるんだよ!笑)。

「働く=週5で会社員」という呪縛から、初めて自分が解き放たれたタイミングでした。

同時に、「働く」ことは本当に週5日も必要なのか? ということを再考する機会でもありました。退職してから4ヶ月は本を読んで寝る毎日。そこから1ヶ月は書籍を執筆し、そのあとは「仕事は週2」と心に決めてワリの良い仕事だけをこなしていく日々を過ごしました。

いま振り返ってもメチャクチャなワークスタイルです。でも、これが自分の価値観を粉々に壊し、フラットにしてくれる経験になりました。

そしてバランスに行きつきます。週5で働くのは自由がなさすぎる。さりとて働くのを週2にしてもそこまで自由な時間が必要なわけではない。比較的、高単価なITコンサルタントの仕事で何日までなら就業しても楽しめるだろうか?

これが現在の会社に週4で所属した経緯となります。そして、それは正解でした。

「週5勤務で拘束されるのが辛い」だけの人はそれなりに多いのでは

週5勤務時代は疲れと飽きから、間延びしたような時間を過ごすことが多々ありましたが、たった週4日ならば平日を全力で走りきることが出来ます。いままで週5に薄めていた時間を、濃縮して集中させることが可能となりました。

そう、週4日で5日分の仕事をこなそうと思えば必死になります。そして3日だと厳しいですが、4日ならば、なんとかなるもんです。やると決めての「自由な時間の天引き貯金」です。

同時に、週2日ではどこか休み足りなかった自分も、週3日ならば気だるさのカケラもなく会社に行くことが出来ています。疲れの負債が溜まっていないことを実感します。

個人的な体験談から一般論につなげますが、もしかすると俺だけでなく

「働くこと・会社員がダルいのではなく、週5日拘束されるのが辛い」 「当たり前のことだと諦めていた週2日の休日が、充分ではない」

という人たちがそれなりに多くいるのではないでしょうか。そしてその人たちが仕事を嫌いと自分のことを"誤解"してしまっているのであれば、それは会社にとっても、社会にとっても大きな損失です。

そういった人たちには週4会社員の道を探ってみてほしいのです(もちろん特定の職能かコネクションがあれば、フリーランスでも良いと思いますが)。

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週4という勤務スタイルが持つ「コミュニケーションのズレ」「仕事が止まるリスク」

もちろん週5が前提の社会のなかで、週4という勤務スタイルはハンデを背負っています。俺自身が一番感じるのは、コミュニケーションのズレです。

会社の時間が動いているのに、自分だけはどうしても止まってしまう日があるわけです。差し迫った必要な情報共有は休む前日に済ましておく必要があります。自分宛ての連絡をフォローしてもらう必要もときにはあります。

緊急度と重要度を常に判断して、メンバーにも認識してもらわないと自分が要因になって「仕事が止まるリスク」を常に孕んでいます。

また、作業ボリュームを単純に他人の1.3倍でこなす必要があります。あるいは限られた時間を重要な作業に割くために、無駄ではない作業を大胆にカットすることも求められます。

ただ、これは優秀であるかではなく、週4という前提で働くことのツボを抑えるかどうか、という話のような気がしています。

「月に一回は有給を意地でも取るマイルール」のススメ

とはいえども、週4という雇用形態に転職できる人、理解がある会社に勤めている人ばかりではないでしょう。そういう人は「月に一回は有給を意地でも取るマイルール」を推奨したい。

残業も有給も、取れないのはなんとなくの空気じゃないですか。そこは空気を読まないで自分の人生を生きる! と決めてみてください。週4勤務という異端児になって気づいたのは、「あの人はそういう人」と認識されたら、意外に文句は言われないんですよ(笑)。

これは契約云々ではなく、そもそもやることをやっていたら「ま、いっか」ってなるんですよね。重要なことは有給を取るために、そのために仕事を前倒して、調整して、意地でもそれを達成する気概と努力です。

天気が良い平日に、街に出てみてください。もうすぐ春が来ます。週末とはちがう時間の流れ方をする街と景色で息を吸うことは、きっとあなたの生き方をもう少しフラットにする機会を与えてくれます。瞑想に等しい効果があると俺は感じています。

「働く」「遊ぶ」「休む」の黄金比を見つけた人が幸せになる

最後に。近頃の俺はどんどん「働く」「遊ぶ」「休む」がカオスになってきています。

会社に勤務しない日に個人事業の仕事をするのは、会社員としては休日でありながら、実態は働いている日です。同時に、人生における遊びです。また、誰かと楽しい時間を過ごすことは、遊びでありながら個人事業主として働く元ネタだったりします。会社員として働くことが、物を書く視点をあらためて与えてくれている気がします。そして、ときには週3日、何もせずに自宅でダラダラ寝ていることは、究極の休暇であり、ひとり遊びでもあります。

これからの時代、会社員とフリーランスの二項対立はもう古い。独立、企業、複業をひっくるめた「働く」「遊ぶ」「休む」の黄金比を見つけた人が幸せになる時代なのは、間違いないと確信しています。

イラスト:マツナガエイコ

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サイボウズ式
」は、サイボウズ株式会社が運営する「新しい価値を生み出すチーム」のための、コラボレーションとITの情報サイトです。本記事は、2018年3月15日のサイボウズ式掲載記事
より転載しました。

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