2018年04月20日 12時50分 JST | 更新 2018年04月28日 13時55分 JST

34歳で『DELL』の営業部長。1年後にさらに昇進。上司が語る、異例のスピード出世ができた理由

部長昇進から1年3ケ月で部長を統括するポジションに昇進。

デル株式会社|広域営業統括本部 営業統括部長 小川 大輔(35)
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デル株式会社|広域営業統括本部 営業統括部長 小川 大輔(35)

世界的なPCメーカー、デル株式会社 広域営業統括本部プレゼンツの同社執行役員の清水博さんによるブログ連載が始まります。第1弾は、巨大企業で誕生した30代のフレッシュな営業部長、小川大輔さんが成長を続けている理由について語ります。

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清水:昨年のハフィントンポストの記事は、とても大きな反響がありました。これは、次のフェーズに進んだ、小川氏へのアンサーメッセージです。

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2か月で部長への抜擢を決めた。

いろいろな方のコメントを聞いていると、現在なかなか昇進の機会が少なく、まだまだ年功序列の要素もある日本企業にとって、 34歳という年齢でDELLのような巨大なグローバルカンパニーで営業部長に昇進すること自体が、驚きを込めて興味深い内容として評価されたようです。

私は、今の部門に異動してきた時、全員のそれまでの営業成績や人物評価の記録を隈なく見ました。

そのトップセールス数人のメンバーの中に、小川大輔さんの名前はありました。トップセールスたちを集めて食事をしたり、ディスカッションをしていく中で、慎重に人物を知ろうとしました。

小川大輔さんは、物静かなタイプで積極性が無いように思えました。そのトップセールスたちとまともに採用面接をしたら、小川大輔さんの評価順位は下のほうだったかもしれません。

小川大輔さんはトップグループの評価を受けていましたが、謎めいている雰囲気もあり、セールスとしての実力は間違いないが、本心が分からないという評価が古参メンバーからありました。マネジメント候補として考えるには少し不安なものでした。

その後、機会あるごとに候補者とワンオンワンミーティングを繰り返しました。セールスとしての実績を上げるための準備やアクション、セールスに対して抱くフィロソフィ、将来の自分を描くビジョンなど、テーマは多岐に渡りました。

また、いろいろな難題が発生した時にも、小川大輔さんを呼び出し、その事例をケーススタディーとしてのクリティカルシンキングを数々行いました。

更に、我々が到達可能なマーケット規模についてのフェルミ推定を用いて、市場規模の把握等の質問を重ねました。事前に話してはいませんので、その場で類推していかなくてはなりません。

その全てにおいて、的確に自分の意見を持ち、明晰な判断力が提示されました。研究者を目指していた時期もあるので、実ビジネスへの対応力も心配事の一つでしたが、卒業後に赴任した営業現場で、お客様と対峙した経験がとても大きかったらしく、お客様の意思決定のメカニズムや経営とITの関係性などを、正確に理解していました。

そして私が部門にきて2ヶ月で、平社員で営業担当だった小川大輔さんを部長に引き上げました。 DELLにとっても、前例が少ない程のとても若い年齢での昇進でした。

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部長昇進後は必ずしも順調ではなかった、、、ように見えた。

部長昇進後は必ずしも順調な雰囲気は感じられませんでした。

部門は躍進を続けていましたが、期待が大きく、目指すターゲットとのギャップがあり、常に高い目標設定が要求されていました。

今まで小川大輔さんは部下をコーチして育てるのが得意でしたが、現在、人員を大幅に採用していることもあり、突然管理する人数が増えた状況に初めて直面することになりました。その為、メンバーに目が配れなくなり、育てるスピードがスローダウンし、上位マネジメント層に約束した数字も達成できないなど、自分が今までの経験で培ったことに対して、ためらいや迷いが発生していた部分もあるように見えました。

私はとても厳しく接しました。短期間でマネジメントスキルを得てビジネスリーダーになってもらいたいためです。 「目標未達の場合には、自分から現在の職務から降りてください。」と、とても非情な言葉を与え、さらに無理難題を与えて、自律的に解決していくことを期待しました。

半年の充電期間を経て反撃が開始された。

小川さんは「インサイドセールス」という電話やメールなどを使い、直接対面せずに顧客とコミュニケーションを行なう営業活動をする部門の責任者をしています。

部長に昇進してから半年間は苦労していたように見えます。しかし、本当は部長としての仕事の範囲を自分自身で一つ一つ確認して確実に進めていたのではないかと思います。

小川大輔さんの過去の営業のトラックレコードを見るとどんどん挑戦してもおかしくないですが、インサイドセールスの責任者としての部長職の仕事を、自分でひとつひとつ理解し、自分で再定義しているかのように、確実にスキルを高めるための時間だったのではないかと思います。

朝早い時間から、夜遅くまで、静かにPCの青い画面に食い入り、微動だにしなかった小川大輔さんの姿が印象的でした。

半年経って部門は躍進を続けているので、さらに部長職が増えました。しかし、小川大輔さんにとっては、リスタートの号砲に過ぎなかったようです。

組織をドライブする戦略やプランは、研究者のごとく精緻に微細に作り上げられていました。また、既に様々なことが実行されており、高いレベルの戦略とスピード感を持っていました。

チームメンバーに対しては、積極的に朝活の勉強会を開催、夜のコミュニケーションなどで議論を重ね、「組織全体が期待されている役割とは何か?」「その中で組織メンバーは何をしなければいけないのか?」など、教育者としての雰囲気もあり、メンバーには自律的な思考訓練を促していました。明治維新の原動力となった松下村塾の吉田松陰のように、部下と熱い議論が繰り返されていたようです。

小川大輔さんのチームメンバーは、すべてモラルが高い上に、数字に対する管理やプランの立案能力など成長しており、他部門より圧倒的な数字を上げることにつながりました。またお客様にもとても感謝されることが多くなり、とてもうれしくなりました。

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統括部長に昇進、また新たな挑戦が始まった。

部長に昇進してから15ヶ月が経った時です。ビジネスの業績も昨年度から大幅成長し、市場シェアも獲得し始めていました。そこで組織をさらに強化するための改革を実行しようと思いました。

増える部長をマネージしなければいけない統括部長を置いた方が良いという判断になり、社内外から人選を進め、多くの方達と面接をしました。

小川大輔さんは、まだ経験が少ないのではということで、部長の時と同じで、候補の末席に名を連ねていた程度の認識です。

続けていたワンオンワンミーティングでは相変わらず様々な議論を繰り返していました。日に日に力を付けているのがわかりました。

最初に抜擢した時のように、「統括部長になったら、部長をどのように支援するのか?どのように成長させるのか?」などの対話を繰り返しました。すると、その全てが、私の期待に応えるものであり、すでに統括部長のジョブディスクリプションも自身の頭に明確にあるようでした。

話を聞いてみると、部長になった直後の半年間に、自分自身の中で様々なシミュレーションをして、戦略を積み重ねていたようです。

同時に自分がどのように成長していけばいいのかということも、研究室にこもって何度も何度も解析を繰り返すように追求していたようです。

私は彼以外に適任はいないと思いました。小川大輔さんの直属上司の本部長も挑戦させたい気持ちは一緒でした。

そして自身にレポートする部長自身が統括する部長陣の推薦は、小川大輔さんに一任して自身の組織設計をしてもらうことにしました。それも事前に予期していたのかのように、リーダー格をきっちりコーチしており、部長候補が既に準備されていました。

常に変化し、成長続ける確信。

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小川大輔さんは仕事で成果が出ない状態が、生理的に気持ち悪いようです。そして、課題を明確に定義して、いくつもの解決の方法論を頭の中で考え抜きます。そして実行可能ですが最高の到達点を目指したプランを提示しし、メンバーへ的確な指示をします。

それはとても素晴らしいことなのですが、静かに考えていて、数々の視点を変えて指示を受けるメンバーにとっては、そのスタイルそのものが刺激になります。

メンバーは誰しも壁にぶつかります。その時、「小川大輔さんだったらどうするんだろう?」と思索し、自律して考え、そして実行します。そして、納得いくまで小川大輔さんと議論を繰り返しています。

自身の姿勢を組織のDNAにし、挑戦を続ける環境を組織全体で作り上げる手腕がありました。小川大輔さんの第一フェーズとしての挑戦は成功したと言えるでしょう。

しかし、一段上がったマネジメントになると、 十倍以上の期待値の中で、戦略立案などの大きなことから、見逃してもおかしくない組織の小さい問題にも目配りしなければならず、仕事量も質も格段と難しくなってきています。

そのステージに上がり、苦戦していた同僚も多く見てきました。もうそこまでいくと、誰かのアドバイスなど些末なものです。自律的に挑戦を続ける気持ちが大事です。しかし、今の小川大輔さんは、更に想像を超えたことを実行すると確信しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。デル株式会社広域営業統括本部の採用情報、社員ブログをこちらにて公開しております。

デル株式会社
執行役員 広域営業統括本部長 清水 博

DELL Japan
横河ヒューレット・パッカード入社後、日本ヒューレット・パッカードに約20年間在籍し、国内と海外(シンガポール、タイ、フランス、本社出向)においてセールス&マーケティング業務に携わり、アジア太平洋本部のダイレクターを歴任する。2015年、デルに入社。パートナーの立ち上げに関わるマーケティングを手がけた後、日本法人として全社のマーケティングを統括。現在、従業員100名から1000名までの大企業、中堅企業をターゲットにしたビジネス活動を統括している。アジア太平洋地区管理職でトップ1%のエクセレンスリーダーに選出される。早稲田大学、オクラホマ市大学でMBA(経営学修士)修了。