アルツハイマー病患者が、アプリで近くの人の名前を認知できるようになった

Backup Memoryは初期のアルツハイマー病患者が家族などをできるだけ忘れず覚えておけるように、記憶の想起と保持を手助けするAndroidアプリ。
engadget

サムスンがアルツハイマー病患者支援アプリBackup Memoryについて発表しました。

Backup Memoryは初期のアルツハイマー病患者が家族などをできるだけ忘れず覚えておけるように、記憶の想起と保持を手助けするAndroidアプリ。

患者と家族などの双方がBackup Memoryをインストールしておくことで、お互いが近づくとアプリがBluetoothで相手を認識して、患者のアプリ画面に相手の顔写真と名前、自分との関係を表示します。

サムスンによれば、Backup Memoryを構想したのはサムスン電子チュニジア(SETN)のAzer Jaafoura氏ら。いわく、アルツハイマー病の治療法は見つかっていないものの、近年の研究では過去のできごとを定期的に思い出すことで、記憶が失われてゆく症状の進行を抑えられる可能性が示されているとのこと。

Backup Memoryは家族など親しい相手について、顔写真や名前と自分との関係をアプリ画面に示して思い出しやすくするほか、さらに相手との過去の思い出や、他の家族などとの関係を示す写真や動画なども開けるようにし、記憶を辿り保持する手助けをします。

アルツハイマー病など記憶障害への取り組みに対しては「その使い方も忘れたら?」と言われますが、Backup Memoryは初期の患者を対象として、その日が来るのを少しでも遅らせることが目的です。

アプリの開発にかかったのはSETNのほかチュニジア アルツハイマー病協会、広告エージェンシー3SG BBDO、開発スタジオ Pixels Tradeなど。Memory BackupアプリはAndroid向けにGoogle Playで無料配布中です。対応言語は英語とフランス語。現時点ではあくまで実験的な試みですが、いずれアルツハイマー病患者に限らない補助記憶装置としてモバイル機器やウェアラブル機器が使われるようになれば、外部記憶や認証情報を改竄するデジタルオレオレ詐欺にも対策が必要になりそうです。

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