アップル、F1・高級スポーツカーのマクラーレングループと出資交渉か

マクラーレンといえば、名門F1チームを母体として現在では高級スポーツカーメーカーとして地位を築き、現在ホンダと組んでF1世界選手権に参戦しています。

米アップルが、数か月前より英国マクラーレン・テクノロジー・グループへの出資もしくは買収に関連した交渉を続けていると、英フィナンシャル・タイムズが報じています。

マクラーレンといえば、名門F1チームを母体として現在では高級スポーツカーメーカーとしても確固たる地位を築いているハイテク企業グループ。F1チームは現在ホンダと組んでF1世界選手権に参戦しています。

一方、アップルと自動車の関係といえば、ここしばらくうわさに上がっては消えている「Project Titan」があります。ただ、EVメーカーのテスラから大量に技術者を引き抜いたりクライスラーから役員を引っ張ってきたりといった話題はあったものの計画は難航していると噂されています。

最近は、プロジェクトそのものをいったんリブートするため、関係する従業員を解雇したといった情報や、新規事業の開拓に長けるボブ・マンスフィールドをリーダーに据えたとする情報も伝わっていました。

フィナンシャル・タイムズは、アップルが「戦略的な投資」としてマクラーレン・テクノロジー・グループへ大きな関与を検討していると伝えています。

アップルにとってはProject Titanでゼロから自動車を社内設計するよりも、マクラーレンが持つ自動車メーカーとしての技術力と各種の特許技術、そして才能ある人々を利用できるようになることは大きな魅力かもしれません。マクラーレンはすでにP1でハイブリッドカーの開発も経験済みです。

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McLaren-Hondaさん(@mclaren)が投稿した写真 -

ニューヨーク・タイムズは、アップルがこの件に関して(いつもどおり)ノーコメントだったのに対し、マクラーレンの広報担当が「潜在的な投資話はない」としつつアップルと対話をしていること自体は否定しなかったとしています。

近年のマクラーレングループは高級スポーツカーの売上高を伸ばしているものの、研究開発費も大きく膨れあがりました。その結果、営業利益は2014年から2015年にかけて64%も低下しており、ある意味では厳しい局面を迎えているとも考えられます。

マクラーレンには一般的な自動車メーカーのような大規模ビジネスが存在しないことから、もしアップルがマクラーレンの技術を使って自動車事業への参入を目指すとなれば、マクラーレンにとってもアップルにとっても美味しい話かもしれません。

ただ、やはりマクラーレン側からすれば「買収となると話は別」かもしれません。マクラーレングループには高級スポーツカー部門もあるものの、全体としてはレースカー開発から得た最先端技術を他分野へ活用することを事業の目的としており、いち自動車製造部門としてアップル傘下に入る展開はないと見るのが正しそうです。

ちなみに、ニューヨーク・タイムズはアップルが電気バイクメーカーLit Motorsから数人を引き抜いたと伝えており、むしろ「次のステップとしてLit Motorsを買収するのではないか」とする見方も紹介しています。

蛇足ですが、本当にアップルがマクラーレンと組むとなれば、ベントレーをこよなく愛するジョニー・アイブが黙っているのかも気になるところです。

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