日本のiPhone SEは高いから海外で買おうガイド

iPhone SEの入手、海外での購入がおトクなのでは? 3月31日に発売される国のうち、中国とプエルトリコを除く9ヵ国で、価格をチェックしてみました。

旅人ITライター中山です。既報の「iPhone SEの国内価格は為替レートで見ると損? 9.7型iPad Proと同レートなら格安スマホ上位機並に」にもあるように、日本の「iPhone SE」は16GB版で5万2800円(税抜)、64GB版で6万4800円。アメリカの16GB版は399ドル(税抜)、64GB版は499ドルなので、現在の為替レートで考えると、日本の価格は割高感が大きいです。

(米国版の技的マーク有無について追記しました)

やはりアメリカがいちばん安い?

それならば、iPhone SEを入手するなら、海外で購入するのがいちばんおトクなのでは? ということで、3月31日に発売される国のうち、中国とプエルトリコを除く9ヵ国で、iPhone SEの価格をチェックしてみました。日本円への換算は3月26日の為替を参考にしています。

日本とそれ以外の9ヵ国を比較すると、アメリカとカナダがかなり安く、次いで香港とシンガポール。オセアニアとヨーロッパは日本と同じくらいか、それ以上という結果になりました。

ただし、アメリカとカナダについては税抜きの価格となっています。これは州によって税率が違っているので表記が難しいため。アメリカの場合、州税と地方税が販売時に課せられるので、表の価格よりも高くなります。州税と地方税は高いところで合算して10%以上になるケースもあります。

ちなみにアメリカのオンライン版Apple Storeでは、購入時のカートで現地郵便番号を入力すると税金がチェックできます。試しにロサンゼルスの郵便番号をいれてみると、税金は約9.5%でした。税金が10%ほどかかっても、日本の価格より安いのでオトクということになります。

アメリカ以外は税金還付で安くなる

アメリカのSIMフリー版iPhone SEはモデルA1662で、その他の国で販売されるモデルA1723ではないため、技適マークがない可能性があります。国内使用の目的で購入する場合は、購入時に技適マークがあるかどうか確認してからにしましょう。

カナダも州ごとに税率が違うので税別表記なのですが、アメリカとは大きく違う点があります。それは「タックス・リファンド・サービス」いわゆる「税金還付手続き」が行えることです。

日本の消費税にあたる間接税は、各国でも採用されていますが、多くの国で旅行者に対しては間接税を免除して還付するシステムも用意されています。

表にも「免税」の列に記載していますが、アメリカともともと消費税のような間接税のない香港以外はすべて「タックス・リファンド・サービス」が受けられます。ちなみに日本にもタックス・リファンド・サービスはありますが、あくまで外国人旅行者向けなので、国内在住の日本人は利用できません。

間接税の呼称は各国で違いますが、たとえばシンガポールでは「GST」と表示されていて、税金ぶんがいくらかわかるようになっています。返還される金額は、手数料などがかかるため、支払った税金全額が返還されるわけではないですが、だいたい支払った金額の7割くらいが戻ってきます。ヨーロッパ諸国は間接税が10%以上の国も多く、このタックス・リファンド・サービスを受けることでかなりオトクになります。

たとえば、フランスとドイツは販売価格こそ日本より高いですが、タックス・リファンド・サービスで7割の税金が戻ってくると考えると、日本よりも安く買える計算になります。

「タックス・リファンド・サービス」利用時の注意

「タックス・リファンド・サービス」を利用するためには、ただ商品を購入するだけではダメ。まずはショップで免税手続きの書類を発行してもらう必要があります。免税申請ができるショップや商品、価格は国によって違っているので、各国のガイドブックなどを参照しましょう。

基本的にアップルストアは免税手続き対象店なので、アップルストアで購入すれば問題なし。アップルストアのないシンガポールやニュージーランドでも、正規代理店なら対応店舗なので免税手続きの書類を発行してくれます。購入時に店員さんに「タックスフリー」、もしくは「タックス リファンド」と英語で言えば対応してくれるはずです。その際パスポートが必要となるので、あらかじめ用意しておきましょう。

ショップで発行してくれるのは、免税手続き用の書類だけ。実際の手続きは帰国時の空港で行います。これも国によって手順などが若干違うので、ガイドブックで確認しておくのがいちばん。

また、航空会社のウェブサイトなどで、免税手続きの手順やカウンターの場所などを解説しいる場合もあるので、自分の利用する航空会社や空港の公式サイトもチェックしておきましょう。

気をつけたいポイントは、未使用品が免税の対象になるということ。そのため、開封してしまうと免税申請が却下されてしまう場合があります。iPhone SE購入がうれしくてすぐに使いたくても、日本に帰るまで開封はガマンしましょう。

ちなみに、欧州ではスマートフォンの免税対象が1回の購入で2個までと決まっているようです。筆者は以前フランスでiPhoneを3つ購入して、空港の免税カウンターで申請を却下されました。

また、空港での免税手続きはカウンターが少なく、混雑していることも多いので、手続きをする場合は早めに空港に行きましょう。基本的には出国時の空港で手続きを行います。乗り継ぎで日本に戻る場合は、最初に搭乗する空港での申請となります。返金はカウンターその場でというケースは少なく、銀行小切手を送付して貰うか、クレジットカードへの返金となりますので、クレジットカードは必須です。

過去の経験からオススメの購入国

筆者も何度かiPhoneを含むスマートフォンを海外で購入していますが、「タックス・リファンド・サービス」は購入時や空港滞在時に手間がかかるので、あまり好きではありません。そこでサクッと購入できる個人的にオススメの国が香港とシンガポールです。

香港は消費税のような間接税がないので、「タックス・リファンド・サービス」は利用できませんが、iPhone SEに関しては日本で購入するよりも、16GB版で約6000円、64GBで約2000円ほど安く購入できます。

さらに最近香港では、一般小売店での定価販売強制が禁止されたため、正規代理店ではアップルストアの定価よりも割引価格で販売しているケースもあります。香港で購入する場合は正規代理店をまずチェックしてみましょう。

次にオススメなのがシンガポール。シンガポールは街中の正規代理店の場合、税込み価格での購入となり「タックス・リファンド・サービス」の手続きが必要となります。

ところが、シンガポールの正規代理店「iStudio」の店舗のうち、シンガポール・チャンギ国際空港店は、出国審査後のエリアにあるため、最初から免税品扱いとなっていて、税抜き価格となっています。めんどうなタックス・リファンド・サービスの手続き不要で割安で購入できるわけです。

ちなみに、チャンギ国際空港では、到着時も出発時も同じエリアにアクセスできるので、どちらのタイミングでも店舗への立ち寄りが可能。開店時間も6時から深夜1時と長いので購入できるチャンスは多いです。

というわけで、海外のほうが日本よりもおおむね5000円ほど安く買える「iPhone SE」。わざわざ買いに行くほど激安ではないですが、海外旅行のついでに買ってくるならアリかと。GWに海外旅行を考えている人は参考にしてください!

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