Engadget 日本版 YouTubeチャンネルより。あと数カ月で改正 青少年ネット環境整備法が施行されます。改正後のこの法律では、スマートフォンを18歳未満が利用する場合に、フィルタリングサービスが義務化されます。auの春モデル発表会では、この法律に対応する「あんしんフィルター for au」のアップデートがありました。どう変わるか、動画とテキストでお伝えします。
今や高校生の95%、中学生の73%がスマートフォンを利用する時代。都市部を中心に多くの子どもたちは、小学校を卒業するタイミングで、親や祖父母から卒業や入学祝いとしてスマホを入手するようです。大人がSNSやLINEなどを使ってコミュケーションするように、子ども達も同じようにやりとりをし、部活動の連絡手段にLINEを活用しているなんてことも。
青少年ネット環境整備法の改正が決まったのは2017年6月。この法律は古のケータイの時代からありましたが、今回の改正はスマートフォンの普及を背景にしたものです。青少年ネット環境整備法では、成立から1年経たずに施行されることになっているため、自然に考えれば、新入学シーズンの春あたりになるのかもしれません。
施行後、スマホを契約する場合には契約者の情報だけでなく、誰が利用者なのか問われます。携帯販売会社は、18歳未満がスマホを利用する場合にフィルタリングをかける義務が発生します。
ただし、18歳未満のフィルタリングが義務化されるといっても、保護者の同意があれば解除も可能です。フィルタリングを適用しない未成年のスマホがあれば、それは保護者の判断、責任が明確化されることになります。
KDDIでは、今回のフィルタリングサービス「あんしんフィルター for au」の機能拡充によって、改正青少年ネット環境整備法に対応。注目したいのは、auのiPhoneだけサポートする機能があるなど踏み込んだ内容になっているところ。1月25日より提供開始、利用料は無料です。
▲あんしんフィルター for auの機能拡充表
「あんしんフィルター for au」では、保護者のスマートフォンやタブレットから、子どものスマホの利用時間が簡単に設定できます。たとえばAndroidスマホの場合、保護者が利用制限をかけて時間に該当のアプリを使おうとすると、フィルタリングサービスによってアプリが使えない状態である旨、メッセージが表示されます。
今回の機能拡充では、この機能がiOSに対応。iPhoneやiPadでは、利用制限中は該当のアプリ自体が表示されず、存在しないように見えるので注意が必要。KDDIではiOS向けのこの機能を現状提供しているのはauだけだと話しています。
なお、iOSではアプリ自体が見えなくなりますが、アンインストールされるわけではありません。設定画面の「機能制限」項目を遠隔操作で適用した形になるので、設定中はマスク処理され見えないだけ。解除すればアプリは再び表示されます。
警察庁発表では、SNSなどを介して犯罪に巻き込まれた未成年のうち、実に9割がフィルタリングサービスを適用していなかったそうです。スマホは生活にかかせない便利なツールになり、さまざまな可能性を秘めたものです。しかし、それが素晴らしいものであり続けるためには、世代によらず危険性を理解し、経験を積んでいく必要があるでしょう。フィルタリングサービスがステップアップするためのツールの1つになるのかもしれません。
なお、携帯各社や自治体、団体などではスマートフォンの安全教室などを開催しています。もし、子どものフィルタリングについて不安があれば参加してみるのも手でしょう。
(2017年1月12日「18歳未満のiPhone、宿題サボるとアプリが突然消える!? auの改正新法対応フィルタリングサービス」より転載)
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