iPhone 7/Plus正式発表。防水防じん仕様、ヘッドホン端子廃止、など新たな仕様をたっぷりの画像で

ついに本命、iPhoneの新モデルが発表されました。カラーバリエーションは計5色。

アップルの新製品発表イベントより。ついに本命、iPhoneの新モデルが発表されました。製品名はストレートに『iPhone 7』『iPhone 7 Plus』。画面サイズは6系と変わらず、それぞれ4.7インチと5.5インチです。

カラーバリエーションは、新色の光沢系の黒「ジェットブラック」と、光沢を抑えた「ブラック」の2色を加えて、計5色。ゴールドとシルバー、ローズゴールドは続投です。

予約開始日は9月9日から、出荷開始は9月16日から(日本を含みます)。米国価格はiPhone 7が649ドルから、iPhone 7 Plusが769ドルから。日本ではそれぞれ7万2800円(税別)、8万5800円(同)からとなります。

大画面モデルとなるiPhone 7 Plusには、ウワサ通り2つのレンズ(とイメージセンサー)仕様のメインカメラを搭載。本体がついに防水・防じんとなり、スピーカーがステレオ化し、3.5mmヘッドフォンジャックが廃止されるなど、基本路線は事前のウワサに近いものではありますが、予想以上の大幅なアップデートが図られています。

Hands-on with the iPhone 7

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Apple's iPhone 7 and 7 Plus

大きな特徴となるのが、防水・防じん性能を備えた本体です。保護等級は「IP67」というグレード。防じんに関しては「チリの侵入がない」ことを示す保護形式「6」が、防水に関しても30分間水中に放置しての試験をパスする「7」の数字が与えられる、強力な性能です。

良い意味で、ここまでかたくなにiPhoneを防水仕様にしてこなかったアップルから見事な変貌と呼べそうです。

ホームボタンも強化されており、3D Touchタッチパネルに搭載されたタプティックエンジンを搭載し、細かい触覚フィードバックが返せる仕様になりました。

アプリ側が対応することで、アプリごとによって感覚の異なる振動が与えられるなど、表現力が増しています。もちろんTouch ID対応です。

そしてアップル側がとくに強調するのがカメラです。iPhone 7はシングルレンズで、明るさF1.8の6枚構成。イメージセンサーは画素数据え置きですが、画素の間に溝を設けて干渉を少なくするDTI(Deep Trench Isolation)構造などにより画質を向上しています。

またLEDフラッシュ(ライト)は4つに増量され、6s比で50%明るく。さらに画像処理エンジンも大幅に高速化。スループットは従来比2倍まで速くなっており、フォーカスなどはさらに高速化。ホワイトバランスもより人間の見た目に近くなるよう精度向上。

そして無印7にも、待望の光学手ブレ補正機能が採用されました。

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iPhone 7 and 7 Plus cameras

さらにiPhone 7 Plusでは、背面カメラに2つのレンズとイメージセンサーを搭載するデュアルカメラシステムを採用。2つは広角用と望遠用に設定されています。

このデュアルレンズにより、待望の光学ズームが2倍まで可能に。画質を落とすことなくズームが可能です。さらに新開発のデジタルズームを併用することで、最大10倍までのズームが可能となりました。

デュアルカメラの機能はズームだけではなく、被写体深度情報を活かしたボケコントロールも可能(ただし若干遅れて、年内のアップデートで提供予定)。同種の機能は他社のデュアルカメラ搭載機でも見られましたが、アップルは機械学習などによるデータから高精度な奥行き認識を行なうことで、自然なボケ味を表現できるとアピールします。

Retina HDディスプレイも新世代となっており、輝度が25%増加し、色域もさらに広くなりました。9.7インチ版iPad Proに近いと思われる「シネマスタンダード」が表現可能と謳います。さらにカラーマネージメントにも対応しました。

オーディオ回りでは、事前のウワサ通りではありますが、(やはり)3.5mmヘッドホン端子を廃止した点が大きな特徴。付属ヘッドホンはLightning接続版となり、さらに3.5mmミニジャックへの変換アダプタ(実質的なLightning接続DAC)も付属します。これで空いたスペースを活かしてか、スピーカーがステレオとなりました。

さらに、こちらもウワサ通りですが、NFCに加えてFeliCaに対応。プレゼンでは同時に日本での開始が発表されたApple Payの画面内に(モバイル)Suicaのカードが表示されています。提供時期は10月下旬。

そして、毎回実はウワサがほぼ出てこないSoC(メインプロセッサ)は「A10 Fusion」。

CPUはついに4コアとなりましたが、処理負荷によって2個ずつを使い分ける、いわゆるBig.LITTLEに類似した構成となっています。

その性能に関しては、高負荷時用の2コアはなんとA9比で40%、A8比で2倍高速化されたとアピールします。一方で、処理負荷の低い場合で使われる電力効率重視CPUコアは消費電力が低く、公称値で1/5まで下がります。

もちろんGPUも新設計となり、A9から50%という着実な高速化となりました。初代iPhoneと比べると、CPU性能は120倍、GPU性能は240倍という、かえってピンと来なくなるようなデータも提示されています。

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Apple A10 Fusion

一方でバッテリー駆動時間は、A10 Fusionの省電力化や主要パーツの電力効率アップにより、歴代iPhone最長に。「一般的な使い方」との前置きはありますが、フル充電状態からの動作はiPhone 7は6sより2時間長く、7 Plusは 6s Plus比1時間伸びるとのデータも提示。

他にもiPhone 7は、LTEモデム部の高速化や前面カメラの画素数アップ(700万画素に)、そしてもちろんiOS 10の搭載など、さまざまな点で強化が図られています。

全体としては、細かい改良点はウワサ通りなものの、それらが積層した結果、トータルではかなり大きな改良となった感のあるアップデート。こうした点でウワサが外れるのは両手を挙げて歓迎したいところです。ヘッドホン端子廃止など賛否両論が起きそうなところもありますが、今回も安定した、そして大きな人気となるのはほぼ間違いなしと呼べそうです。

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