新 iPhone発表は9月12日に決定。iPhone XS大小とiPhone 9の3機種登場?

日本時間13日午前2時から。

アップルがスペシャルイベントの開催を予告しました。日程は9月12日。過去の例から統計的に予測されていたとおりの日付です。

発表が期待されるのは、三機種の新型 iPhone。iPhone Xの後継機とされる5.8インチのOLED(有機EL)モデル、画面が大型化した6.5インチOLEDモデル、そして比較的安価になるとされる 6.1インチのLCD(液晶)モデルの登場が予測されています。

ほぼ定説となっているこの三モデル予測がどこまで当たるのか、現実の新iPhoneがどう超えてくるのか?

キーノートプレゼンの開始は現地時間で朝10時、日本時間では翌13日の午前2時から。Engadget 日本版では例年通りリアルタイム速報でお伝えします。

今年の新iPhoneについて、これまでの噂をざっとまとめると

新Phoneは3つともベゼルレスでFace ID搭載

AP Photo/Marcio Jose Sanchez

2017年の3モデルは従来デザインの延長上にあったiPhone 8/8 Plusと、最上位モデルのiPhone X。8と8 Plusは従来どおりの液晶ディスプレイを採用する一方、iPhone X は iPhone 初となるOLED(有機EL)ディスプレイでした。

今年2018年の新iPhoneは、5.8インチOLEDモデルと6.5インチOLEDモデル、それにLCDモデル。すなわちOLEDが2つとLCDが1つで、3タイプの中の比率が逆転するとの説が有力です。

しかし、今年は3つともノッチ(画面上の切り欠き)があり、ベゼルは超狭となって画面は広く確保され、ホームボタンは廃止されてFace ID対応、背面ガラスでワイヤレス充電対応。つまり、iPhone Xをベースにした仕様になると見られています。

上の写真にある正面パネル三兄弟は、有名リーカーのBen Geskin氏が「2018年型のiPhone、iPhone X、iPhone X Plusのパネル」とコメントを付けてTwitterで公開したものです。

それ以前にも画像はリークされてきたものの、デザイン図やレンダリング画像、部品の写真リークなどに留まっていました。3モデルそろって実物とされ、全体像も想像できる写真が出てきたのは、このニュースが初めてのこと。

そっけない写真のようですが、よく見ると6.1インチのベゼルは少し太め。LCDの場合は必要な部品を収納する必要上、OLEDよりもベゼルを薄くするのが困難という事情もあるため、「6.1インチだけLCD採用」という説をさらに補強したわけです。

新iPhone3タイプの名称

AP Photo/Marcio Jose Sanchez

新型3つの「OLED2タイプとLCDタイプ1つ」の予測はほぼ固まりながら、正式名称の噂は長らく報じられませんでした。これは前年モデルのiPhone XとiPhone 8/8 Plusが、iPhone 8(仮)とiPhone 7s/7s Plus(仮)と正式発表の直前まで呼ばれていたことを思わせます。

それぞれ「iPhone XS」「iPhone 9」「iPhone XS」という名称も一部界隈で噂されていたものの、「信頼できる情報筋の確認が取れた」上記の写真とともに出てきたのは、発表イベントが約1ヶ月後に迫った8月9日のことでした。

前年モデルの末尾に「S」を付けたネーミングは、iPhone 5sやiPhone 6sなど過去の命名規則を彷彿させるもの。2017年モデルはiPhone Xが5,6,7......という数字路線から外れて革新を打ち出し、かたやiPhone 8/8 Plusは「7s/7s Plus」という巷の予想を飛び越えつつ「8」という数字により安定性を継承していました。

その意味で、iPhone Xのプレミアム路線を受け継ぐと思われる5.8インチ/6.5インチOLEDモデルが「iPhone XS」と「iPhone XS Plus」とされるのは意味深とも思えます。Xに象徴された「革新」も1年を経て、今後の「標準」になるということでしょうか。

かたや6.1インチLCDモデルが本当に「iPhone 9」だとすれば、2019年の後継モデルがどんな名称になるか興味深いところです。来年のiPhoneはオールOLED路線の予定から、当面はLCDと2本立ての「ツートラック戦略」に転換したとの噂もあります。つまり「6.1インチLCD版iPhone」の後継機も出ると推測できるわけです。

iPhone 9sなのか、それともiPhone 10なのか。しかし「10」はローマ数字で「X」と表記するため、歴代iPhoneシリーズに"10"と"X"が並んでいて大丈夫なのか......。気の早い心配ができるのも、iPhoneウォッチの楽しみかもしれません。

各種スペックとプレミアム版の差別化

AP Photo/Marcio Jose Sanchez

画面上部のノッチやベゼルレスなど見かけに関するうわさ話が多かった一方で、新iPhoneのスペック周りの情報はかなり少なめでした。リーク情報のほとんどがケースメーカーほかアクセサリ方面だったことは、アップル社内や本体および内部パーツをを製造するサプライヤの情報管理が徹底していた現れかもしれません。

ようやく正式発表の約1ヶ月前、アップル製品の生産と縁の深い台湾方面から予想レポートが発表。プレミアムモデルの5.8インチ/6.5インチOLEDのRAMは4GB、普及モデルの6.1インチLCDは3GBということで、前年のiPhone XおよびiPhone 8 Plusを踏襲すると見られています。さすがにiPhone 8のRAM 2GB仕様を、今年の最新機種に受け継ぐのは厳しいかもしれません。

そして5.8インチ/6.5インチOLEDモデルにのみ、内蔵ストレージ512GBのオプションが提供されるとの予測は、「プレミアム版と普及モデルの差別化」という点でも頷ける方向性です。

さらなる差別化ポイントは、リーク画像にもあった「OLEDモデルはダブル(デュアル)カメラ、LCDモデルはシングルカメラ」という点です。アップル関連予測で有名なアナリストMing-Chi Kuo氏も「LCDの低価格モデルはデュアルカメラではない」と予測していました。

3つ目の差別化は、OLED版の2モデルのみがApple Pencilに対応するとの噂。もし実現すれば、スマートフォンにも本格的な電子ペン新時代がやってくるかもしれません。

デュアルSIM対応

通信用や通話用のSIMが2枚挿しできるデュアルSIMやDSDS(同時待ち受け)対応の有無も、次期iPhoneをめぐる関心ごとの1つです。

iOS 12ベータ5に「第2のSIMステータス」などの記述が発見されたことで、"将来の"iPhoneがデュアルSIM対応を視野に入れているのは確実視されています。

今年の早い時期から「2018年のiPhoneはデュアルSIM対応」と各方面が予測しており、すでに噂の焦点は「新iPhoneの中で、どのモデルが対応?」に移っています。

現時点での噂を総合すると、まず6.1インチLCD版は「中国限定販売の、物理SIMスロット2つを搭載したモデル」と「それ以外の地域向けモデル」の2バージョンあり、後者は「Apple SIM+通常のSIMスロット1つ」の可能性もある、といったところです。

そして6.5インチOLED版にもデュアルSIM搭載が検討されているとの噂もありました。今のところ、5.8インチOLEDモデルにはデュアルSIM搭載の予想は見当たらないようです。

iPhone以外の新製品発表は?

さる2017年秋のスペシャルイベントで発表された新製品は、iPhone XとiPhone 8/8 PlusおよびApple Watch Series 3、それとワイヤレス充電マットAirPower(発表のみで未発売)と4つのカテゴリでした。

今年のイベントで新iPhone以外に噂されているのは、新iPad ProにApple Watch Series 4(仮称)とAirPower、ワイヤレス充電対応の新AirPodsケースに、今度こそ発売と見られているAirPower。さらに「エントリーモデルの新MacBook」が9月の発表イベントに滑り込むか、後日に公式サイトで別途発表されるかといったところです。新iPhoneを合わせると、7から8カテゴリ。多い!

新iPhone3タイプはいずれもワイヤレス充電対応と見られ、新AirPodsケースもワイヤレス充電の関連商品。そして新Apple Watchも以下略のため、アップル視点では「ワイヤレス充電マットAirPowerの上に置かれた新iPhone、新Apple Watch、新AirPodsケース」の絵が欲しいはず。これらの同時発表は可能性が高い?とも思えてきます。

逆に「新製品が出そうにないもの」は、iPhone SEの後継機とiPad miniシリーズです。

前者は昨年から噂にのぼり、今年に入ってからもケースメーカー方面から期待を抱かせる情報があったものの、結局は「2018年中には出ない」との説に落ち着いています。

新型iPad miniは、そもそも噂が出てこない上に、新iPad Proの予測が報じられた傍らで「アップルにこれ以上のiPad miniの予定はない」とダメ押しされています。

いずれも、一応は「シリーズ終了」などの噂は聞こえてこないため、来年に希望をつなげたいところです。

(2018年8月31日Engadget日本版より転載)

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