※この記事は、2015年9月16日に公開されたものです。
こんにちは、編集長の岡田です。
厚生労働省は、9月15日に平成27年版の『労働経済白書』をリリースしました。雇用情勢の着実な改善が報告されています。
今後、日本が長期的な経済発展をするためには、付加価値の創出や労働生産性の向上が欠かせないと説明しています。資料の中では『労働生産性』という単語が400回近く登場し、『労働生産性』という言葉は今後のキーワードとなっていくと予想されます。
長時間労働の問題、都市部への人口集中による地域経済の不活性化、女性や高齢者の雇用問題など解決すべき問題は多くありますが、こういった仕事をしているやりがいを感じました。
平成27年版の『労働経済白書』は今後の働き方を考える上で、非常に重要な資料です。しかし、半歩先の『今』を知るためには、昨年の労働経済白書を読むのが適しています。昨年の提言から時間がたち、世の中に浸透してきている現実があるからです。
ミドル管理職、復権の時
昨年の提言の一つに、企業成長の要となる「中核的人材(ミドル)の育成」がありました。私達が今最も重要だと考えること、今まさに起こっている時代変化の提言がこの時されています。
企業が環境変化に対応し発展していくために、企業の要となる人材を中長期的な視野に立って育成していくことの重要性が指摘されるからである。このうち、管理職層は、経営トップと第一線で働く労働者を結びつける戦略的な「結節点」であり、経営トップのビジョンと社員が直面するビジネスの現実をつなぐ「かけ橋」の役割を担うと考えられる。 その具体的な役割としては、例えば、経営トップが描くビジョンが現実世界と矛盾がある場合、その矛盾を解決し、チーム全員が理解でき、実行に移せるような具体的なコンセプトや作業工程を示していくことであり、こうした能力を持つ管理職層が求められる。
バブル崩壊後、長い間続いた経済の低迷…。
個々人の生産性UPを目的に、企業は組織のフラット化、成果主義の導入を進めてきました。ミドルは管理職という立場を維持しつつも、「プレイング・マネージャー」と位置づけられ、プレーヤーとしての成果も求められる。それにより、本来のマネジメントが機能しにくくなり、管理者としての成果が出なくなる。そして、負のスパイラルにはまっていく・・・。「ミドル」の多くが辛酸を舐めてきたのではないでしょうか。
状況は変わり、架け橋としての役割が、再びミドルに求められています。私は「ミドルの復権」の時がきたと感じます。資料内にミドル管理職に対する興味深いアンケート結果がありました。ミドル管理職に必要な5つの経験です。
管理職が、ひと皮むけるために必要な5つの経験
Q:職業キャリア上で重要だった経験(管理職前)
上記のデータをTOP5のランキングで抽出したのが以下です。ひとことで表現すると「ひと皮むけた経験」が重要だと示されています。
1位:尊敬できる上司・先輩と一緒に働いた経験
2位:プレッシャーの大きい仕事をこなした経験
3位:自分に対する期待や信頼している旨を提示してもらった経験
4位:あの失敗が今の自分の糧となっているというような失敗経験
5位:スケジュールがタイトな仕事をこなした経験
管理職の能力を高めるためには、「危機的状況を経験したか」「ハードな仕事経験をしたか」、そして「上司から学び、仕事を任される経験をしたか」ということが管理職としての能力を高める、という事が述べられています。
上記に示された内容は、エージェントとの面談や企業との面接においてもアピールになるポイント。皆さんも一度はご経験があるのではないでしょうか。胃が痛くなるような、「修羅場」を経験したことが…。
私も全てを投げ出したくなるような修羅場経験は何度かあります。その度に「ひと皮むけたな」と実感してきたのも確か。それらの経験は、仕事歴の長いミドルである自分自身の宝物であり勲章。皆さんも自身のご経験を振り返り、勲章の整理をしてみてはいかがですか。
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